国際的な影響力を持つヴィーガン活動家、エド・ウィンタースの論理的ヴィーガニズム
世界を股に掛けて活躍するヴィーガン活動家はアースリング・エドとして知られています。反響を呼んだ彼の講演や酪農産業の現実を新しい視点で描いたショートフィルムなど、エド・ウィンタースについて詳しくご紹介します。
彼は、国際的にも知名度の高いイギリスのアニマルライツの活動家であり、世界的に有名なヴィーガンアクティビストの1人です。
動物の権利、利益、倫理に関する問題をはじめとし、ヴィーガニズムについて啓発し、YouTubeでの動画やショートフィルム、書籍や講演を通じて、動物の権利の重要性を世界中に広めています。
彼は、”アースリング・エド(Earthling Ed)” のとしても知られており、特に動物の農業産業における苦しみや、動物の倫理についての啓発を行っています。
肉や乳製品の消費に対する倫理的な疑問を喚起し、人々にプラントベースの食事や動物製品を避ける選択肢を考えるように促しています。
社会的正義や動物の権利をテーマにした書籍や記事の執筆も行っており、彼の情熱的な活動は、世界中で注目を集め、多くの人々に影響を与えています。
もし、あなたがヴィーガニズムを実践しているヴィーガンの1人であるなら、「どうしてヴィーガンになったの?」「ヴィーガンになると何がいいの?」といった、素朴な疑問を一度は受けたことがあるかもしれません。
また、「ヴィーガンって宗教なの?」、「植物だって命があるのに、植物の命はどうでもいいの?」といった、一言で答えにくい質問を受けたことがあるのではないでしょうか。
まだヴィーガニズムについて馴染みのない方は特に、そもそもヴィーガンとはどういったものであるのか、疑問を抱いている方も少なくないのではないでしょうか。
実際に、エド・ウィンタースも多くの人々と出会い、対話を重ねる中で、ヴィーガニズムに関する反論や疑問を投げかけられてきました。
そして、彼はいつでも、さまざまな考え方との議論を歓迎し、攻撃的な意見が投げかけられても、冷静かつ論理的に一人一人と対話を重ねてきました。
そのような彼の姿や、揺るがない哲学を持つ彼の言葉に、多くの人々が動かされてきました。
きっと、あなたにとっても学ぶことが多くあるでしょう。
実は、彼自身は一度も動物由来の製品を食べたことがないのかと言うと、そうではありません。
彼自身も以前はヴィーガンを実践していない人と同様に、動物由来のものを食べていました。
大勢の人々と同じように、ファストフード店でフライドチキンを買い、好んで肉を食べていたエド。
一体なぜ、彼がヴィーガニズムを実践することになり、なぜヴィーガンアクティビストとして世界的に有名になったのでしょうか。
今回の記事では、教育家としての一面も興味深い、エド・ウィンタースについてさらに詳しくご紹介します。
ヴィーガンになったきっかけ
エドがヴィーガンになったのは、2014年にイギリスのマンチェスター近郊で起きた、トラックの事故に関する記事を読んだことがきっかけでした。
トラックの事故で1,500羽の鶏が死亡し、その多くが道路に飛び出したところを車に轢かれて死んだという記事を読んで、彼は愕然としました。
無惨に亡くなった鶏だけでなく、命は辛うじてあるものの、羽や骨を折られ、体がつぶれ、ねじれた鶏も何百羽といました。
エドは、これらの動物たちがどれほど苦しんでいるのだろうかと、自分自身に言い聞かせるように考え、そして、ふと気がつきました。
「私たちが食べている動物たちは、苦しむんだ。」
このとき、「動物の苦しみ」に気がついた彼は、自分自身に選択を迫りました。
「動物に苦しみを与え、その命を奪うような生き方を続けるのか。それとも、ヴィーガンとして生きる人々と同じように、動物虐待や不必要な苦しみに反対するという、自分が持つ価値観に沿った生き方をするのか。」
この出来事は、ウィンタースの動物虐待に対する見方を大きく変えました。
その後、ドキュメンタリー映画『アースリングス』(Earthlings)を視聴し、畜産業の実態や動物の搾取について学びました。
そして動物の権利に関する意識が高まり、彼は完全菜食主義者、ヴィーガンとして生きる決断をしました。