国際的な影響力を持つヴィーガン活動家、エド・ウィンタースの論理的ヴィーガニズム
世界を股に掛けて活躍するヴィーガン活動家はアースリング・エドとして知られています。反響を呼んだ彼の講演や酪農産業の現実を新しい視点で描いたショートフィルムなど、エド・ウィンタースについて詳しくご紹介します。
衝撃の5分間、牛乳の真っ赤な真実を描いたショートフィルム「MILK」
エドは、彼の短編映画『ミルク』が「インターネット界のアカデミー賞」とも呼ばれる、ウェビー賞にノミネートされたことを明らかにしました。
彼は、「乳製品産業の現実を、その中に閉じ込められた人々の視点から」強調するためにこの映画を制作しました。
牛を自分の物語の主人公として、牛に起こっていることを間近で見ることができる5分間のショートフィルム。
敢えてアニメーションを使うことで、調査映像だけでは得られないユニークな視点や、母牛の物語を表現することができたと言います。
今回のノミネートについて、エドは次のように述べています。
「ヴィーガンと動物愛護をテーマにした映画が、この種の賞の中で最も権威のある賞を受賞することは、本当に素晴らしい機会です。一緒に、実現させましょう!」
乳製品製造の残酷さ
イギリスの乳牛は通常、年に一度、出産を余儀なくされ、命懸けで産んだ愛しい子牛を奪われ、子牛のための母乳は人間に取られてしまいます。
母牛は、人間と同じように感情があり、我が子である子牛に強い愛着を抱いています。
そのため、子牛と引き離されることは大きなトラウマになります。
また、母牛がいなくなった後、子牛が母親を求めて何日も泣き叫ぶこともあると言います。
子牛は2カ月ほど、狭く不潔なクレートと呼ばれる枠の中に入れられ、母乳ではないミルクを与えられます。
その後、メスの子牛は母親と同じ運命を辿り、オスは子牛市場か肉牛産業に入ることになります。
乳牛は、通常の約2.5倍の乳量を出すようにさせられています。
そのため、乳牛の体には大きな負担がかかり、乳腺炎と呼ばれる痛みを伴う乳房の炎症に悩まされることが多くなります。
そして乳牛は、5歳くらいになると、屠殺場へ送られます。
酪農産業の詳細は、こちらからショートフィルムの公式サイトをご覧ください。
今こそ、酪農業を終わらせる時
「この映画は、酪農産業によって生命、自律性、尊厳を奪われた動物たち一つ一つの命のために作られた」
ウィンタースは、酪農産業の現実を、その中に閉じ込められた人たちの視点から描き、産業の外側にいる私たち消費者に見せるために『MILK』を作りました。
「オーガニック、放し飼い、高福祉、人道的な飼育… 乳製品にどんな見栄えの良いラベルを貼って、聞こえのいい言葉を並べたとしても、すべての乳牛は、強制的に孕ませ、赤ん坊を奪い、体を搾取し、そして屠殺場に送り込んで、喉を切り裂くという産業の犠牲者なのです。」
「MILK」で取り上げているシーンは、一般的に「最高」と言われるレベルの酪農の現場。
そのような場所を舞台として、母牛の視点から何が起こっているかを見れば、この産業が動物の搾取と苦しみで成り立っていることは明白です。