植物由来のマイクロキャリアで作られた培養ハイブリットチキンとは?最新培養肉事情を解説
実験室で培養される培養肉。まだまだ新しいテクノロージーですが、着々と技術開発が行われています。そんな培養ミート業界の最先端を走っている、アメリカ発の企業Matrix. F.T.(マトリックス・エフ・ティー)社についてご紹介します。同社が開発を進める植物由来のマイクロキャリアとは、いったい何なのでしょうか。詳しくチェックしていきましょう。
目次
マトリックス・エフ・ティー社のマイクロキャリアとは?
全世界が注目をしているクリーンミート、培養肉市場。そんな市場を支える興味深い会社があります。
マトリックス・エフ・ティー社とはどんな会社か
アメリカのオハイオ州をベースとするマトリックス・エフ・ティー社は、2019年に設立されたばかりのスタートアップ企業の一つです。
培養肉を作るときに欠かせない「マイクロキャリア」「足場」を開発するバイオテクノロジー企業として注目されています。
同社の作るマイクロキャリアとは、植物由来で動物成分を含まないことで話題です。
従来の家畜をベースとする肉業界がガラッと変わりそうな今、同社の製品を使って培養チキンを生み出すことができたとニュースになっています。
培養に不可欠な「マイクロキャリア」って何?
マトリックス・エフ・ティー社が作っている「マイクロキャリア」「足場」とは何なのでしょうか。
細胞培養と聞くだけでなんだか難しそう…という気がしてしまうのですが。
簡単に言うと、動物から取り出してきた細胞を乗せる素材のことを指します。
実験室などで円形のトレーであるシャーレにのった透明のゼリー状のものを見たことはありませんか。
マイクロキャリアは、細胞を大量栽培するときに使われる微小粒子のことです。
日本語では「足場」と呼ばれることもあり、動物から取り出した細胞を、足場であるマイクロキャリアに乗せる培養液と乗せることで、実験室の中で肉を育てることが可能になります。
マトリックス・エフ・ティー社の食用マイクロキャリア
マトリックス・エフ・ティー社の開発しているマイクロキャリアの特徴は、食用である点とプラントベースであるという点です。
マイクロキャリア・足場そのものを食べるわけではありません。
でも食用の培養肉を作るにあたって、使う素材が「食べても安心な素材」であることはとても大切です。
従来のマイクロキャリアや足場は、例えば再生医療のために、けがをした人の細胞を増やすために使われています。
もちろん食べるために作るワケではないので、マイクロキャリアの素材は科学技術用のもので問題ありません。
でも培養肉となると話は異なります。
食べ物を作るための土台であるマイクロキャリアが、安心できる素材で作られているに越したことはありません。
だからこそ、マトリックス・エフ・ティー社の製品は「食べても安心素材」にこだわっています。