【BMW】2023年からヴィーガンオプションが登場、カーボンニュートラルを進める自動車メーカーの取り組みとは?
ヨーロッパの高級自動車メーカーで進む「脱・本革」。その中でも、BMWグループが2023年にヴィーガンオプションを発売すると発表した背景とは。
目次
ヴィーガンレザーは環境に良いのか
今回BMWグループが採用した素材は植物性の素材ですが、動物皮革を使用しないヴィーガンレザーには、石油由来もあります。ポリウレタン樹脂やナイロン、ポリエステルを原料にした素材です。これらは自然に還ることがないため、サステナブルとは言えません。
そこで、注目を集めているのが、植物やキノコなどから作られるヴィーガンレザーです。同社が植物性のレザーを採用したことは、よりサステナブルに対する意識の高さがうかがえます。
BMWグループのサステナブルな取り組み
BMWグループでは、植物性のヴィーガンレザーの使用だけでなく、その他にもサステナブルな取り組みを行っています。ここではその中の一部をご紹介します。
1. サステナブルな素材の採用
- FSC認証: FSC認証とは、適正に管理された森林で生産された木材に与えられる認証のことです。一部の車種に使用されています。
- ケナフ:アオイ科の植物繊維をケナフと言います。一部の車種に使用されています。
- 天然ゴム:タイヤに使用されています。
- エコニール:エコニールとは、ナイロンの廃棄物から取り出された糸のことです。一部の車種のカーペットに使用されています。
2. 廃棄物の99%をリサイクル
BMWグループ全体の廃棄物の93.4%をリサイクルし、5.8%を熱回収などによって再利用しています。
3. バッテリーのリサイクル
使用済みの高電圧バッテリーを世界規模で回収し、風力発電で余った電力を貯蔵して工場などで使用しています。
4. ドイツのBMWに充電ポイントを設置
ドイツのBMWの拠点に4,100カ所の充電ポイントを設置して、従業員がEV自動車を充電できるようにしています。さらに、半分の拠点で、一般への開放も行う予定です。
BMW AG取締役会会長のオリヴァー・ツィプセ氏は、
「BMWはサステナビリティを追い求めるのではなく、 BMWそのものをサステナブルにしているのです」
と述べている通り、BMWグループのサステナブルな取り組みは、今後多くの場面で目にすることになるでしょう。
<参考>BMW ELECTRIC MOBILITY: サステナビリティ | bmw.co.jp
ヴィーガンオプションがスタンダードになる日も近い⁉
BMWグループのヴィーガンオプションやサステナブルな取り組みについてご紹介してきました。内装にヴィーガンレザーを使った車種は業界全体でもまだ少ないですが、同社が発売することにより今後さらに広がっていくことが予想されます。
また、ヴィーガンレザーの中でも、石油由来ではなく、植物由来の素材も積極的に使用していく同社の方向性も見えてきました。ヴィーガンを求めるドライバーにとってより魅力的な車であれば、さらに需要が高まる可能性もあります。
それに伴い、一般のドライバーの環境に対する意識を高めることにもつながるでしょう。このような循環が生まれれば、ヴィーガンオプションがスタンダードになる日も近いかもしれません。
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