今話題のESG投資とは?SDGsとの関わり、メリット、ESG経営を行う企業も含めて徹底解説
ESG投資について、その歴史的背景やSDGsとの関連、メリット・デメリットについても徹底的に解説していきます。ESG経営を行うスターバックスやJALの事例についても解説します。
ESGとSDGsの関係性
ESGと密接に関係するのがSDGs(持続可能な開発目標)です。
ここでは、ESGとSDGsの関係性について、違いを含めて説明していきます。
SDGsとは?
SDGsとは、2015年に国連で採択された世界共通の目標です。
目標の多くの達成期限は2030年とされており、「誰ひとり取り残さない」を合言葉に、世界各国が目標に向けて取り組みを進めています。
SDGsは17個の目標があるのですが、これらの目標はウェディングケーキに見立てて3層から成り立っているといわれています。
SDGsを3層にわけたとき、一番下の層は「環境」で、具体的には以下の目標が該当します。
- 目標6. 安全な水とトイレを世界中に
- 目標13. 気候変動に具体的な対策を
- 目標14. 海の豊かさを守ろう
- 目標15. 陸の豊かさも守ろう
真ん中の層は「社会」で、具体的には以下の目標が該当します。
- 目標1. 貧困をなくそう
- 目標2. 飢餓をゼロに
- 目標3. すべての人に健康と福祉を
- 目標4. 質の高い教育をみんなに
- 目標5. ジェンダー平等を実現しよう
- 目標7. エネルギーをみんなに そしてクリーンに
- 目標11. 住み続けられるまちづくりを
- 目標16. 平和と公正をすべての人に
一番上の層は「経済」で、具体的には以下の目標が該当します。
- 目標8. 働きがいも経済成長も
- 目標9. 産業と技術革新の基盤をつくろう
- 目標10. 人や国の不平等をなくそう
- 目標12. つくる責任 つかう責任
また、この3層を理解し実践することで達成するべきものとして「目標17. パートナーシップで目標を達成しよう」が頂点に描かれています。
こうして見ると、SDGsの3層(環境・社会・経済)は、ESGの3要素(環境・社会・ガバナンス)と非常に近いということがわかると思います。
ESGとSDGsの違い
ESGとSDGsは、密接な関係がありますが、相違点もあります。
まず、ESGやSDGsを推進する主体の違いが挙げられます。
ESGは、もともと責任投資原則から生まれたことからわかるように、投資家目線による企業の評価基準です。したがって、ESGを意識するのは、企業経営者あるいは投資家です。
一方SDGsは、世界共通で定められた目標で、国や自治体が中心となって推進を進めています。
つまり、SDGsは国や自治体が推進していて、結果として企業や個人に波及しているものと考えられます。
また、ESGとSDGsは、果たす役割にも違いを見出すことができます。SDGsは目標であって、目標達成のための手段や資金拠出を明らかにするものではありません。
それに対しESGは、具体的な取り組みを求めるものです。つまり、SDGsという大きな目標を達成するための手段として、ESGがあるということです。
例えるなら、ESGはSDGsという目的地に向かうための乗り物のような役割を果たすものと考えることができます。