イギリスでは49%の人が脱・肉食!?ヴィーガンを目指す畜産・酪農家が急増中

イギリスでは49%の人が脱・肉食!?ヴィーガンを目指す畜産・酪農家が急増中

産業的な屠殺への疑問、地球温暖化に対する危機感、そういった環境・社会の変化の中で畜産・酪農から離れ、動物に頼らない農業へのシフトを目指す農家が増えてきています。今回は、イギリスの事例について、ご紹介します。

aimi
2022年06月09日
イギリスでは49%の人が脱・肉食!?ヴィーガンを目指す畜産・酪農家が急増中
ローレンス・キャンディ氏が、飼っていた乳牛のほとんどを牛結核で失った後、もう動物を屠殺場には送らないと決心したのがきっかけでした。

 

「感覚を持った生き物を産業的に屠殺することを正当化できるのかと考えさせられました。」と当時50歳の彼は2017年の出来事を振り返って言います。

 

「社会として、このことに疑問を持たなければならない」

 

動物に頼らない農業への移行支援団体「FFSFF」

キャンディ氏は昨年から、スコットランドに拠点を置く、Farmers For Stock-Free Farming(FFSFF)という団体と連携し、動物に頼らない農業への移行を目指す畜産・酪農家を支援するために設立された団体に参加しています。

35頭の肉牛を売却した後、現在はオーツ麦、小麦、大麦、ソラマメなどの穀物栽培に専念しています。

 

また、土壌改良のために糞尿やその他の動物性食品を使用しない「ヴィーガン生産」にも切り替えようとしています。これは、世界中の植物由来の有機農業を推進し、認証しているインターナショナル・バイオサイクル・ヴィーガン・ネットワークという団体と連携して行っています。

「このプロジェクトは、畜産業から脱却し、適切な代替手段を確立するために2年間の猶予を与えるものです」と彼は言います。「このアプローチにより、農家は経済的な影響を受けることなく、事業計画を立てるための適切な期間を確保することができます。」

また、「私は、付加価値をつけようとしているのです。現在、菜食主義の農家はほとんどありませんが、明らかに菜食主義は私たちの国で成長している傾向です。」と述べています。

 

統計が彼のコメントを裏付けています。ヴィーガン・ソサエティの調査によると、イギリスにおけるヴィーガンの数は2014年から2019年にかけて、たった5年の間に約4倍になりました。

一方、イギリス人のほぼ半数(49%)が肉の消費を制限しているか、まったく食べていないことが、市場調査グループ「Mintel」の今年の調査でわかりました。これは2020年の41%から上昇していることを示します。

この調査は、国家食糧戦略が昨年、英国の現在の肉食は「持続不可能」であると述べたのと同時期に発表されたものです。その結果、環境改善に貢献するためには、一人一人が肉の摂取量を30%減らす必要があると結論づけました。

 

このような肉の消費量を減らそうという呼びかけと並行して、ヴィーガニズムへの関心が高まりは、世界中で起こっていますが、同業者を始めとする人々の批判や、力になってくれる家族がいないなど、畜産・酪農家さんたちがヴィーガニズムを実践していくには様々なハードルが立ちはだかっている現状があります。

 

環境・社会に貢献できる具体的なビジネスを提案

そこで、FFSFFは家畜を手放したいと考えている農家に、作物を育てるだけでなく、様々な収入源を模索するようアドバイスします。

例えば、高級なキャンプ場を提供するグランピングビジネスを立ち上げることを提案し、それと同時に、より多くの木を植え、生態系を回復させることを勧めます。

 

FFSFFのエグゼクティブ・ディレクター、レベッカ・ノウルズ氏は、「イギリスの畜産・酪農家は、以前から厳しい状況に置かれています。環境への負荷は高いのに価格が低い農産物、EUからの離脱や消費者の嗜好の変化といった出来事に起因していると考えられます。」と述べています。

こういった時代の変化の中で、これからのビジネスプランや環境にやさしいアイデアを共に考え、伴走してくれるFFSFFのような存在がいることが、畜産・酪農家の新たな一歩を踏み出す大きな支えになることが期待されます。

しかし一方で、事業転換の支援の難しさを感じている団体もあります。

 

イギリスの「Refarm’d(リファームド)」という、酪農家が植物由来の牛乳、チーズ、ヨーグルトの代替品(オートミール水など)の製造・販売に切り替えるのを専門に支援する組織があります。

今までにイギリスとスイスの農家と協力し、設備などを提供してきた同組織ですが、新商品の全国展開を試みたものの、配送時間の長さのために断念せざるを得なかったりなど、転換は必ずしも順風満帆に進むわけではないと語っています。

 

まとめ

2000年以降、環境や社会は急速な変化を続けていますが、畜産・酪農家たちも変化していくためには、組織のサポートが必要であることが読み取れます。

また、今回ご紹介したのはイギリスでの事例ですが、他の国々や日本でも、同様の問題がすでに起こっている、又はこれから起こると考えられるでしょう。

 

そのような時に支援してくれる団体や会社などの組織が、これから増えていくと考えられます。

畜産・酪農家の未来についても考えていくことも、ヴィーガニズムを実践し考えていくうえで、非常に重要なテーマかもしれません。

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