半永久的な植物発電「エヌエナジー」、地球にやさしい発電技術が未来を変える
植物の力で発電する植物発電「エヌエナジー」についてご紹介。植物を使ってどのように発電するのか、その仕組みからメリット、活用事例まで解説していきます。
植物さえあればいつでも電力を得られる発電技術があるのをご存知ですか?
今世界では地球の環境を保全し、私たち人間を含む生物が豊かに暮らしていくために持続可能な社会の実現が求められています。
地球温暖化対策や脱炭素社会の実現も大きな課題となっており、その解決策としてクリーンな再生可能エネルギーの導入が必要不可欠とされています。
太陽光発電、風力発電、水力発電などさまざまな発電方法がありますが、新たな再生可能エネルギーとして日本で注目されているのが、植物があれば半永久的に発電可能な「N–Energy(エヌエナジー)」です。
この記事では、そんなエヌエナジーについて解説していきます。
目次
N-Energy(エヌエナジ)ーとは
「エヌエナジー」とは、株式会社ニソールが開発した植物発育環境によるエネルギー発電技術です。
植物と共存する微生物が放出する電子を活用した発電技術で、植物が根を張る土壌や水場に電極を挿すだけで電力を得ることができます。
電力を生成する際に発生するのは水のみ。二酸化炭素などを排出せず、自然への害がありません。
地球環境や生物に優しい、クリーンな再生可能エネルギーとして注目されています。
エヌエナジーの発電の仕組み
エヌエナジーは、土や水の中の微生物を利用して発電します。
微生物は植物と共存関係にあるため、植物が根を張る土壌や植物付近の水の中に存在します。
土や水に電極を挿し、そこにいる微生物が放出するマイナスの電荷を集めて電力に変換する仕組みです。
植物が育っており、微生物が生息していれば、電極を土や水に挿しておくだけで発電します。
エヌエナジーのメリット
エヌエナジーのメリットは環境に優しいことだけではありません。
ここからは、エヌエナジーの3つのメリットにつてご紹介します。
植物があれば半永久的に発電が可能
エヌエナジーは植物と微生物が育っている状態であれば発電が可能です。
屋外はもちろん、植物と微生物が育っている環境であれば日が当たらない屋内でも安定して発電できます。
また、エヌエナジーの電極には、プラスの電極に備長炭を、マイナスの電極にマグネシウムを使用しています。
本来マグネシウムを用いた発電ではマグネシウムが溶けてしまうため、定期的に取り換える必要があります。
エヌエナジーの開発元の株式会社ニソールでは、発電してもマグネシウムが溶けない技術を開発。
半永久的に取り替えなしで発電できるようになっています。
天候や時間帯に左右されない
エニエナジーは微生物から放出される電子を活用しているため、天候に左右されずに発電できます。
今までは太陽光発電や風力発電が環境に優しい発電方法として活用されてきました。
しかし、天候や時間帯に左右され、安定的な発電ができないというデメリットがあります。
エヌエナジーはそんなデメリットをカバーした、安定性と持続的に優れた新しい発電方法です。
地球や生物に優しい循環型のエネルギー
従来人間社会で活用されてきた火力発電や原子力発電は二酸化炭素を排出します。
その二酸化炭素によって引き起こされる地球温暖化や気候変動は、今社会が地直面する大きな問題となっています。
一方、エヌエナジーが電力を生成した時に排出されるのは水のみです。
排出された水は植物の根に吸収され植物の成長と発電の維持をにつながる、循環型のエネルギーとなっています。
また、電極に使用されているマグネシウムが劣化した場合、植物の肥料になります。
そして、エヌエナジーによる発電は有機物を分解するため、水質や汚染土壌の浄化効果があることも判明しています。
自然に対する害がなく、循環型なエヌエナジーは持続可能なエネルギーと言えるでしょう。