【オランダ】実は隠れたヴィーガン大国?国民の肉離れが進むオランダのヴィーガン事情を徹底解説
ヴィーガニズムに対するオランダ市民の関心は、全国的に高まっています。 ヴィーガンやベジタリアン向けの肉の人気が高まっている一方で、動物由来の肉の売り上げは減少しているオランダです。
今、オランダは、欧州一進んだヴィーガン大国であると言われているのです。
ProVeg Netherlandsが委託した調査によると、オランダ人の28%が肉のない未来を見たいと思っており、約20%は、政府が食肉処理場を禁止することを望んでいることがわかりました。
オランダでは、私たちが思っているよりもはるかにヴィーガニズムが進んでいます。
ヴィーガニズムを念頭に置いていますか?
上記の研究は、*KieskompasとアムステルダムVU大学によって、8,575 人のオランダ人を対象に実施。
調査結果は、現在の食事の選択と矛盾することが証明され、専門家を驚かせました。
この研究から明らかになった重要な点は、オランダの人口の72% が、動物の消費を減らすべきだと考えていることです。
すべての性別、年齢層、民族性、教育レベル、政治的傾向を含む8,575人のオランダ人を対象に、食肉と動物の使用に関する意見を調査しました。
調査対象者の5人に4人は、動物が食物として利用される方法に不安を感じていると述べています。
42%が動物には存在する権利があり、食料源として使用されない権利があると回答しました。
興味深いことに、調査対象の26% が種差別的な考え方を示し、動物は人間よりも劣っているため食べられると主張しました。
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5人に1人が食肉処理場を反対
調査対象者の20%が食肉処理場の禁止を望んでいますが、13%はすべての畜産の禁止が有益であると感じています。
そして60%が、オランダで広く行われている工場畜産を、やめたほうが良いと考えている結果となりました。
オランダの人口の半数以上が、動物を食物として使用してはならない、という考えが広く認知されてきていることを表しています。
これは、ヴィーガニズムの中心にある基本的な考え方であり、この意見は明らかに、自分たちをヴィーガンと呼ぶオランダ人口の1%よりも、はるかに広く共有されているようです。
代替肉に関する意見
調査対象者の23%は、動物は100年以内に食料源ではなくなると予想しています。
その理由は、25%が植物由来の肉が実行可能な代替品になる思っているからです。
さらに、33%は、培養肉と乳製品が従来の農業の倫理的な代替品になると予想。
若い参加者の半数近くは、養殖肉が現状の農業を根絶することを期待していると報告しています。
2019年にはオランダ政府は、ワーヘニンゲン大学の研究所に、培養肉に対する人々の態度を調査するよう命じました。
その調査結果は、人々が食肉生産について一貫した疑問を持ち、食品のマイナス面を認識していることを証明しました。
ワーヘニンゲン大学のハンス・ダゲボス主任研究員は、この研究の結果は、多くのオランダ人が食料の生産と消費を「肉の多いものにしない」ことを支持していると述べています。
代替タンパク質に対する嗜好の高まり
動物を含まない食品への開放性を示す調査結果により、植物ベースの食肉および乳製品企業は、オランダを潜在的な市場と見なすことができます。
シンガポールを拠点とし、植物由来の肉製品を提供するフードテック スタートアップ企業Next Gen Foodsは、すでに、植物由来のおいしいチキンTiNDLE チキンを、アムステルダムのレストランに紹介しています。
Next Gen Foodsのヨーロッパの拡大プログラムの一環でもあり、アムステルダムで最も人気のある6つのレストランが、TiNDLE チキンを使い始めています。
他にも、オランダの大手食肉加工会社Van Loon Groupは、9個の自社ブランドを持っており、その一つは、No Meat Todayその名の通り植物性代替肉ブランドです。
Van Loon Groupはオランダで長い間、動物性タンパク質部門で主要な役割を果たしてきました。
しかし、消費者の変化に合わせて植物ベースの代替品を採用しており、現在、魚、牛肉そして豚肉の新しいアイテムを開発中です。
より持続可能な食生活への移行
より持続可能な食生活への移行のために、オランダ政府は、肉の摂取量を減らすと言っており、オランダのヴィーガン食品産業は、オランダ政府からの支援を受けています。
2018年、政府の諮問機関である環境インフラ評議会は、温室効果ガスの排出を削減するために、国が肉の摂取量を減らすことを推奨しました。
評議会は報告書の中で、動物性タンパク質を相対的に少なくし、植物性タンパク質を多く含む、より持続可能な食生活を提唱。
評議会は、オランダの食事に含まれる動物性タンパク質の割合を、現在の60%から2030年までに40%以下に減らすよう、政府が食品のバリュー チェーン全体と協力するよう勧告しています。
まとめ
風車、チューリップそして運河のイメージのオランダ。
そして幸せな国ランキングの上位に常に位置しているオランダは、欧州一進んだヴィーガン大国。
オランダ国民が普段食している食事は、ソーセージやチーズなどヴィーガン食からはまだ程遠いですが、より良い持続可能性を求め、動物性タンパク質離れが進んでいるのは事実です。
オランダ政府自ら代替肉製品の開発にも力を入れており、半数以上の国民も肉を食べる回数を減らすべきだと考えています。
オランダ人の肉離れは確実に進んでいると言えるでしょう。
参考記事
More Than 25% of Dutch People Want the Netherlands to Go Meat-Free
How The Netherlands Is Leading The Vegan Food Industry
Veganism in the Netherlands: here’s why it’s achievable
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