世界最大の食肉会社プランテラ・フーズ、「他とは違う」ヴィーガンベーコンを開発
世界最大の食肉会社、プランテラ・フーズ社は、植物由来肉で話題のOZOブランドで、リアルなヴィーガンベーコンを開発しました。2040年までにネット・ゼロ達成を目指す同社の展望とは?
同社は「他のどんな市場にもない味」のヴィーガンベーコンを作ったとアピールしています。
コロラド州に本社を置くプランテラ・フーズ社は、食肉の大手企業であるブラジルJBS社の植物由来タンパク質に焦点を当てた子会社です。
同社はOZOブランドで、トゥルーバイト・プラントベース・ベーコンを発売します。このヴィーガン ベーコンは、ブラックペッパー味、アップルウッドスモーク味、ハラペーニョ味の3種類で展開されます。
プランテラ社によると、従来の豚肉ベーコンと同じ味、食感、シズル感を持っているとのこと。
親会社のJBSは全米第2位の豚肉加工業者であり、ベーコンのエキスパートである。しかし、OZOのベーコンは豚ではなく、大豆とエンドウ豆のタンパク質をブレンドして作られています。
プランテラ社のCEOであるダルシー・マッケン氏は、「ベーコン愛好家の方々から、植物性食品に抵抗はないものの、ベーコンの香ばしさや風味、カリッ、ジュワッとした食感を十分に満足させる食品はまだ見つかっていないと聞いています。」と述べた後、
「この革新的な植物性ベーコンを発売できることを嬉しく思います。」と今回のヴィーガンベーコンの発売への喜びを表しました。
OZOの新しいヴィーガンベーコンは、同社のウェブサイトから入手可能で、現在、全米のSprouts Farmers Marketの店舗(スプラウツ・ファーマーズ・マーケット)で展開されています。将来的にはさらに小売店が増える予定です。
JBS、植物性食肉に進出
JBSは167年にわたり畜産業を営んでいる会社であり、畜産業とは長い時間の中で深く結びついてきました。
同社は、早急に主力ビジネスを終了することは難しいとしているものの、2040年までにネットゼロを達成するという同社の気候変動に関する目標に照らし合わせて、植物由来の肉が主流となる未来に関わりたいと考えています。
「2040年までにネット・ゼロを達成するという同社の気候変動に関する目標に照らせば、これは大きなコミットメントであり、それまでになすべきことはたくさんあります」と、マッケン氏は言います。
「私は、半年に一度、(JBSの)経営陣と一緒になって、こうしたことや重要なことについて話し合っています。」
マッケン氏が率いるプランテラは、2020年初頭に小売分野で最初の製品を発売し、まずOZOヴィーガンバーガー、グランド(プレーンとメキシコ風味付け)、イタリア風ミートボールを発売しました。
昨年3月、OZOはヴィーガンの朝食用ソーセージとミートボールで製品ラインを拡大しました。
そしてこの新しいビーガンベーコンは、11月に発売されたトゥルーバイトのシュレッドとカツレツに続くもので、高タンパクのエンドウ豆と米タンパク質を独自のブレンドでシイタケで発酵させ、動物由来の肉に似た味と食感を実現しています。
JBSは、植物性食品市場に参入した最初の食肉ブランドではありません。そして、ヴィーガンベーコンを提供するのも、JBSが初めてではありません。
肉を使わないベーコンに対する消費者の需要を認識するブランドは増えています。
市場調査会社のFact.MRの調査によると、ヴィーガンベーコン市場は今後10年間で「力強い成長」を遂げると予測されています。
まとめ
植物由来肉に関する議論では、食肉産業従事者に関する懸念などが話題に上がりますが、植物由来肉は従来の肉と敵対するものではなく、プランテラ・フーズのように、むしろ食肉産業が植物性にシフトしていくべきなのかもしれません。
そして、企業の決断を左右するのは私たち消費者の選択です。
今回は植物由来肉の開発に力を入れる、食肉最大手企業の最新ニュースをお伝えしました。
これからも引き続き注目して、皆さんにお伝えしていきます。