【医師監修】大豆加工食品は毎日食べたい!健康にいい理由を徹底解析
近年の調査結果では心血管疾患のリスク減少にも効果があると発表され、ますます注目される大豆食品。実際に食事に取り入れたい大豆食品をチェックしていきます。
目次
豆腐を始めとする大豆加工食品が健康に良い理由とは?
大豆とは小さな乾燥した豆に見えますが「畑の肉」と呼ばれるほどのスーパーフードということをご存じでしょうか。
その優れた栄養素に関しては、常に国内・国外でも研究が進められていて、最近でも「心血管疾患へのリスク減」という研究結果発表がされました。
日本人の食生活にとって、身近な食材である大豆ですが、その栄養素を紐解いていきましょう。
圧倒的な植物性たんぱく質
大豆の持つ栄養素の中でも、最も注目されているのは「たんぱく質」です。
筋肉や内臓を作っている成分であるたんぱく質が、100g中30g以上入っており、他の作物と比較しても圧倒的な量を誇ります。それもあって「畑のお肉」と呼ばれることも多い大豆。
近年のヴィーガン・ベジタリアン食の普及に伴って「大豆ミート」や「ソイミート」という単語が急激にメディアでも話題になるようになりました。
お肉と比べて脂質が少ないこともあり、食生活の好みに関わらず、日本だけでなく海外でも重要なたんぱく質源として注目されています。
大豆イソフラボン
大豆イソフラボンは数年前の豆乳ブームの時に話題になったので、聞いたことがある方も多いかもしれません。
女性ホルモン(エストロゲン)ににた作用があると言われており、女性に嬉しい効果が期待できます。
- 美肌・美髪:エストロゲンはコラーゲンの生成を促すため、潤い感のある肌・髪に繋がります
- 更年期障害の予防と緩和:年齢によって減少したエストロゲンの働きを補うことで、ホルモンバランスの乱れを整えます
- 骨を強化:エストロゲンには骨からカルシウムが流がれ出すのを防ぐ働きがあるため、年齢が高くなるにつれて気になる骨密度を維持することができます。
大豆レシチン
大豆の中に含まれている脂質である大豆レシチンは、健康維持や脳の活性化に効果があるとされています。
レシチンは、血中コレストロール量の調整をし、不要な分を外に排出する働きをするので、血液がさらさらになり動脈硬化や生活習慣病の予防に繋がるとされています。
さらに、レシチンは脳にもいい影響をもたらします。レシチンを摂取すると、脳内の神経細胞物質であるアセチルコリンが形成され、記憶力の維持が期待できます。
これらはアルツハイマーや認知症の予防にも効果があるとされ、最近期待されている成分です。
大豆オリゴ糖
大豆にはオリゴ糖も含まれていますが、この糖は腸内の善玉菌にとってエサとなります。積極的にオリゴ糖を摂取することで、善玉菌が活性化され、腸内環境を整えることに繋がります。
腸内には体における免疫細胞の約70%が集まっていることをご存じでしょうか?つまり腸内環境が整うことで、免疫力がUPするのです。
加えて、腸内環境が整うと老廃物の排出もスムーズに行われるようになるため、美肌効果も期待できます。
食物繊維
大豆には食物繊維(主に不水溶性)もたっぷりと入っています。食物繊維量が多いと言われているごぼうやさつまいもと遜色ないほどの複合量を誇ります。
さらに、大豆は料理方法によって、量を摂取しやすいということもあり、手軽に食物繊維を取りやすい食品です。
不水溶性食物繊維は、水を吸収して膨れ上がる性質を持っています。膨らんだ食物繊維が腸内を刺激することで、排便が促進され、便秘予防に繋がります。
毎日のお通じが促進されることで、老廃物の排出に繋がり、ダイエットや美肌効果も期待できます。
研究結果:豆腐の摂取で心血管疾患のリスクが減少
最近の調査にて「豆腐を積極的に摂取した人の方が、心血管疾患のリスクが減少した」という発表がされました。
- 調査対象:健康調査・追跡調査に参加した心血管疾患およびがん既往のない男女計21万人
- イソフラボンと豆腐の摂取で心血管疾患リスク低下が確認された
- 豆腐の摂取と心血管疾患のリスクに逆相関が見られた(1カ月あたり1皿未満群の人に対して、週1皿以上摂取した人のリスクは18%低下した)
- イソフラボン摂取は心血管疾患のリスクに逆相関が見られた(一番すくない人に比べて一番多い人(摂取量で5群にわけた)はリスクは13%減少)
この21万人以上を対象とした調査によると、豆腐や、豆腐に含まれるイソフラボンを摂取している人の方が心血管疾患にかかるリスクが下がったということです。
この調査で興味深いのは、リスクを下げるための大豆食品の摂取量です。今回の調査では「豆腐を週1皿以上摂取した」ことで、リスクが18%減少したと発表されました。