宇宙産の野菜が食卓に?開発が進む宇宙農業プロジェクトとは

宇宙産の野菜が食卓に?開発が進む宇宙農業プロジェクトとは

宇宙農業と聞いて「そもそもなぜ宇宙で農業をするの?」「宇宙で農業ができるの?」という疑問が湧くかもしれません。背景や最新技術を見ていきます。

ハッピーキヌア編集部
2022年11月30日
宇宙産の野菜が食卓に?開発が進む宇宙農業プロジェクトとは
地球とは環境の違う宇宙で野菜が育つのでしょうか?

宇宙開発が活発になる中、人類が継続的に居住するための環境づくりが積極的に進められています。

 

そもそも宇宙農業は可能なのか、開発の背景には何があるのか、最新の日本の開発事例についてご紹介します。

宇宙産の野菜を食べる日が、近い将来にやってくるかもしれません!?

 

宇宙農業とは

宇宙農業とは、地球以外の天体や宇宙において、食料などのための作物を栽培することを言います。

とはいえ、地球とは環境の異なる宇宙で農業を行うのは困難とされていました。

 

例えば、月の重力は地球の6分の1と小さいことや、砂の粒子が細かいため微生物が生息しにくいなどがその理由です。また、火星の重力は地球の3分の1で、日射量はおよそ半分といわれています。

これらの条件で農業を行うのは難しいでしょう。

 

これまで国際宇宙ステーションでは、密閉した袋内で栽培する袋型培養槽技術を使ったレタスが作られたことがあります。

これは土を使わない栽培方法ですが、作物によって向き不向きがあります。

 

このように、宇宙の農業には多くの課題がありますが、それらを乗り越えて今さまざまな研究や開発が進められています。

内容については後ほど触れますが、そもそもなぜ宇宙農業が必要なのかを確認していきましょう。

 

宇宙農業開発の背景

宇宙農業開発にはどのような背景があるのかを順に追っていきます。

 

国際宇宙探査計画「アルテミス計画」への参加

2020年、NASA(アメリカ航空宇宙局)は2024年までに月面に人類を送り拠点を建設して、人類が継続して活動することを目指しています。

この国際宇宙探査計画は「アルテミス計画」と呼ばれており、アメリカや日本をはじめ、カナダ、イタリア、ルクセンブルク、UAE、イギリス、オーストラリアの8カ国が参加を表明しています。

 

宇宙での長期滞在に必要な食料供給の開発

人類が宇宙空間に長期滞在して活動することになれば、食料の確保や生活の質を高める食などが必要です。現在、国際宇宙ステーションの食料は地球から送られています。

しかし、滞在が長くなると安定した供給ができなくなる心配や、輸送コストがかかるなどが問題です。これらを解決するため、宇宙農業の研究や開発が今進められています。

 

日本は積極的に宇宙開発を推進

「アルテミス計画」をはじめとした宇宙開発利用が盛んになる中、日本は、月や火星において求められる技術開発を推進する必要があるとしています。

そこで、「月面等における長期滞在を支える高度資源循環型食料供給システムの開発」という戦略プロジェクトを令和3年に立ち上げました。

 

このプロジェクトでは、月面基地において農作物の栽培技術などが開発される予定になっています。

 

現在進んでいる宇宙開発の流れを見てきましたが、一体どのくらい技術開発が進んでいるのでしょうか。次に2つの事例をご紹介します。

 

宇宙農業開発事例①|高機能ソイル

 

一つ目の事例は、月の砂に微生物を住み着かせ、作物が育つ土壌をつくる技術です。月の砂をマイクロ波で加熱して焼き、直径0.2ミリメートルほどの小さな穴を空けます。

すると、そこに微生物が入り、植物が吸収しやすい無機養分に変えることができます。これには、穴を空ける技術が必要です。また、その他にも3つの特徴があります。

 

  1. 人のふん尿や食品のごみなどを肥料にして利用する

作物の栽培で必要な化学肥料を宇宙で発生する廃棄物を利用できるため、持続可能な農業が可能です。

 

  1. 月の砂に均質に加熱する技術

月の砂を加熱する際、温度に偏りが生じることがありますが、この技術では均質に製造できます。

 

  1. さまざまな植物種の栽培が可能

土壌があれば、水耕栽培では作ることの難しいジャガイモなどの根菜類も育てることが可能です。

 

これらの技術でつくられた土壌は、高機能ソイルと呼ばれています。

TOWING大林組が共同で開発し、この土壌を使った地上でのコマツナの栽培に成功しています。

 

宇宙農業開発事例②|重力発生装置

 

地球と異なる重力の宇宙で農業を行うには、植物を実際に育てて知見を得ることが大切です。

そこで、宇宙の重力を再現できる装置が開発されました。

 

この重力発生装置は「AMAZ」(アマツ)と言い、世界初の複数の重力を同時に発生させることのできる装置です。

 

DigitalBlastと富山大学 学術研究部理学系 唐原教授・蒲池准教授らの研究グループは、この装置を国際宇宙ステーションに運び、コケを栽培して成長の様子を分析したいとしています。

この結果を生かして、将来的には野菜を育てることが目標です。

 

可能性が広がる宇宙農業

宇宙農業の開発の背景や事例を見てきましたが、いかがでしたか?人が宇宙に長期的に滞在することになれば、食料などの生活に欠かせない物資を自給するのが効率的です。

そのため、宇宙開発と農業の開発は同時に進んでいくことになるでしょう。

 

宇宙での農業と聞いて、最初は夢のように感じられたかもしれませんが、技術開発は着々と進んでいます。

将来、日本で開発された土壌でおいしい宇宙産の野菜ができる日が来ることを期待したいですね。

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