バイオマス発酵由来のヴィーガンチーズ製品の開発を加速、大手チーズメーカー「ベルグループ」からプラントベースチーズが登場予定
人口増加による食糧不足を救うカギとなる代替タンパク質「スーパーブリュープロテイン」とは?フランスのチーズ大手「ベルグループ」が開発を推し進める、プラントベースチーズによる食品イノベーションについて、解説します。ベルキューブチーズなどでおなじみの「ベルグループ」が、ヴィーガンチーズ製品の開発に乗り出しました。スーパーブリュードの手がけるポストバイオテクス培養タンパク質「スーパーブリュープロテイン」とは?その詳細について、解説させていただきます。
バイオマス発酵技術で培養される代替タンパク質「スーパーブリュープロテイン」を使って作られるプラントベースのチーズとは、一体どのようなものなのでしょうか。
その詳細について、解説させていただきます。
ベルグループ
フランスの首都・パリに拠点を置く、大手チーズメーカーのベルグループは「すべての人に健康的なスナックを提供する」をモットーに、活動する企業です。
日本国内では、1983年からベル社の製品が販売されており「ベルキューブ」や「kiriチーズ」などをはじめとした数多くの商品が、たくさんの人々に親しまれています。
近年、ベルグループは、急激な世界人口増加に伴う食糧問題に対応できるよう、プラントベースの乳製品領域での食品イノベーションを推進してきました。
今回、ベルグループが提携したのは、アメリカの企業「Superbrewed Food(スーパーブリュードフード)」です。
Superbrewed Foodのバイオマス発酵技術で作られた、機能的で栄養価の高い代替タンパク質を利用し、動物や自然環境に優しいヴィーガンチーズを開発し、近いうちに販売することが発表されたのです。
Superbrewed Foodの微生物発酵タンパク質の特徴
今回、ベルグループがパートナーシップを結んだ「Superbrewed Food」では、草食動物から抽出された腸内細菌に砂糖を加えて増殖させた、アニマルフリーの代替タンパク質の生産が行われています。
細菌(微生物)を使い、タンパク質を生産する技術を「微生物発酵」といいます。
自然環境汚染を引き起こす畜産とは違い、自然や動物に配慮しながら代替タンパク質を効率よく生産することができるのが、微生物発酵の大きなメリットです。
この微生物発酵で作られたSuperbrewed Foodの発酵タンパク質の強みは、何といってもビタミンB12の含有量にあります。
動物由来の成分を一切摂取しないヴィーガンの方にとって、ビタミンB12は、どうしても不足しがちな栄養素です。
しかし、Superbrewed Foodで作られる発酵タンパク質は、スプーン1杯で1日に推奨されるビタミンB12の、およそ4分の1の量を補うことができるほど栄養価が高く、優れているのが特徴です。