バイオマス発酵由来のヴィーガンチーズ製品の開発を加速、大手チーズメーカー「ベルグループ」からプラントベースチーズが登場予定
人口増加による食糧不足を救うカギとなる代替タンパク質「スーパーブリュープロテイン」とは?フランスのチーズ大手「ベルグループ」が開発を推し進める、プラントベースチーズによる食品イノベーションについて、解説します。ベルキューブチーズなどでおなじみの「ベルグループ」が、ヴィーガンチーズ製品の開発に乗り出しました。スーパーブリュードの手がけるポストバイオテクス培養タンパク質「スーパーブリュープロテイン」とは?その詳細について、解説させていただきます。
バイオマス発酵と精密発酵の違いとは
動物性タンパク質の代わりに、微生物を発酵させてタンパク質を作る技術を「微生物発酵」といいます。
微生物発酵は、以下の通り「バイオマス発酵」と「精密発酵」の2つに分類されます。
- バイオマス発酵・・・微生物を培養して食用タンパク質を作り出す方法
- 精密発酵・・・生産工場として微生物を使用し、最後に残った分泌物だけを取り出す方法
Superbrewed Foodの発酵タンパク質は、遺伝子組み換えがされていない微生物をもとに、バイオマス発酵で作られたものです。
なお、ベルグループのアメリカ法人「ベルアメリカ」は、米パーフェクトデイと提携し、精密発酵由来のヴィーガンクリームチーズを開発・商品化に成功しています。
新商品「Nurishh Incredible Dairy」は、2023年1月1日より、全米のスーパーマーケットチェーン「クロガー」での販売が開始されています。
持続可能な代替タンパク質スーパーブリュープロテイン
ベルグループでは、2023年の前半期にSuperbrewed Foodの製造施設から出荷される「スーパーブリュープロテイン」をもとに、あらゆる種類のヴィーガンチーズを開発・近いうちに販売することを目標としています。
自然界に存在する微生物叢から作られた、栄養価の高いタンパク質、スーパーブリュープロテインの特徴は、以下の通りです。
- 9種類の必須アミノ酸がすべて含まれている
- 動物由来の成分を含まないプラントベースでできている
- ビタミンB群の優れた供給源になるなど、米国食品医薬品局の要件を満たしている
ベルが、スーパーブリュープロテインをレシピに組み込んだ、機能的で自然環境に優しく、栄養価の高いチーズ製品を開発することで、消費者はたくさんのメリットを享受することができるでしょう。
Superbrewed Foodの革新的なスーパーブリュープロテインと、ベルグループの持つ独自のノウハウが融合した、栄養価の高いヴィーガンチーズの完成が、待ち望まれます。
まとめ
アメリカの新興企業、Superbrewed Foodで作られている持続可能な「スーパーブリュープロテイン」は、バイオマス発酵技術で作られた、栄養価の高い代替タンパク質です。
スーパーブリュープロテインには、動物由来の成分は一切含まれていません。
しかし、ヴィーガンの方たちにとって不足しがちなタンパク質やビタミンB12などの栄養素が豊富に含まれています。
フランスのチーズ大手「ベルグループ」が推し進める、スーパーブリュープロテインを使った乳製品を含まないチーズの開発。
必須アミノ酸9種をすべて含み、ビタミンB群を豊富に含む栄養価の高いプラントベースチーズ製品が市場に出回ることになれば、急激な人口増加による食糧難や、栄養不良改善にも、希望が見えてくることでしょう。
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