トルコの法改正により、乳製品を含まないチーズ、つまりヴィーガンチーズの製造と販売の両方が禁止されました。
この新しい法律は、乳製品に代わる植物由来の食品を提供する同国のヴィーガン食品メーカーに大きな衝撃を与えています。
また、ヴィーガン協会トルコ(TVD)は、この法律を違憲だとして新たに訴訟を起こし、ヴィーガンチーズ禁止令を覆そうとしています。
ヴィーガンチーズ禁止令の経緯
この法改正は2020年2月から進められ、TVDによると、トルコの食品規格規則が改正され、「植物性乳から作られた朝食用発酵製品(ヴィーガンチーズ/チーズのようなもの)は禁止する」と記載されはじめました。
そして、2022年2月のトルコ食品規格の更新を受けて、今回全面禁止が正式に実施されました。
しかし、そもそもトルコは植物性食品を中心とした地中海式食生活を長年続けてきた国です。
それにも関わらず、人気が急上昇しているヴィーガンチーズを「消費者を混乱させるから」という理由で製造・販売を禁止した点に疑問の声が上がっています。
この背景には、もしかしたら酪農家への配慮があるのかもしれません。
しかし、ヴィーガンの乳製品を禁止するという強行的な禁止令の明確な理由は明らかになっていません。
一部の活動家たちは、今回の禁止令による「選択肢の少なさ」を「食生活の差別」と呼んでいます。
トルコ国民が栄養価の高い植物性の代替製品を利用する選択肢を奪う政府の禁止措置は、選択の自由という憲法上の権利を侵害するとともに、消費者の権利を侵害するものであると活動家たちは主張しています。
植物由来の乳製品
アイリャンやタラトールといったヨーグルト飲料やスープに代表されるように、乳製品は長い間トルコの食生活の主食でした。
しかし、近年では乳製品を許容できない消費者が増えています。
消費者は環境への負荷が少ないことや倫理的な理由から、ヴィーガン乳製品を選ぶようになっているからです。
最近のある調査では、Z世代の消費者の約半数が、従来の乳製品が気候変動に関係していることから、植物由来でない乳製品を人前で注文することに対して「恥ずかしい」と思っていることがわかりました。