【ウクライナ】最前線で戦うヴィーガン兵士への支援を行うボランティア団体の命懸けの支援
厳しい戦禍の中にあるウクライナ。兵士たちの食事にヴィーガンオプションはありません。しかし、そこに一筋の希望をもたらした団体とボランティアスタッフの方々がいます。この記事では、その概要をご紹介します。
ウクライナの兵士Oleksandr Zhuhan(オレクサンドル・ジュハン)さんは、侵攻してくるロシア軍と戦いながらも、菜食主義を貫いています。
ヴィーガンの兵士たちの食事を支えるのは、元トップモデルでもあるタマラ・ヒューマンさんが立ち上げたNGO団体、「Every Animal(エヴリーアニマル)」です。
ジュハンさんはモスクワが2月24日にウクライナを攻撃した翌日に軍隊に入隊した37歳の演劇教師。
最前線で勤務する中であっても、厳格な植物ベースの食生活を維持しています。
ウクライナの南部、ミコライフ地方で戦っているジュハンさんは、当初、兵士の食事にはヴィーガンオプションといった特別なメニューが用意されていないため、複雑な気持ちだったと言います。
しかし、インターネット上で菜食主義の兵士を支援する活動家のネットワークを見つけ、ヴィーガンの食生活を維持する希望を見出しました。
「私は彼らに手紙を書き、4月に最初の荷物が奇跡のように届きました。パテやヴィーガンソーセージ、フムス、豆乳…全部無料だったんです。」と、彼は嬉しそうに語りました。
ジュハンさんは、栄養価の高い食事を提供してくれたタマラ・ヒューマンさんへの感謝を述べました。
VIDEO: A group of volunteers in Kyiv are providing free vegan meals to soldiers during the war.
“There are many vegans in the army and some of them want to stay vegan no matter what. We want to be their support as much as possible,” says volunteer Tamara Human pic.twitter.com/WNYt6nGKCi— AFP News Agency (@AFP) June 19, 2022
彼女は、キエフでエブリーアニマル財団を立ち上げ、ヴィーガンを推進する約100人の人々を集めています。
ヒューマンさんの組織は、約200人のヴィーガンでもあり、ロシアの侵攻からウクライナを守るために戦っている菜食主義者の兵士たちが、自分たちの信念を貫く手助けをしています。
彼女は、他の2人のボランティアと一緒に民間人のためにブルグル(小麦由来の穀物)と煮込み団子を準備しながら、「私たちは爆撃下でも配達します。」と語りました。
ルサニフカ地区の住宅街にある彼女の13階のアパートは、この活動に欠かせない物流センターにもなっています。
ウクライナでは、経済的な面でも愛国心が強く、ヒューマンさんが使う食料のほとんどはウクライナ産で、特に入手しやすい西部のリヴィウから取り寄せています。
「私たちが送った食料で、兵士たちは2〜3週間、軍から支給される食料を補い、バランスの取れた食事をすることができます。」とヒューマンさんは言います。
彼女は、ヴィーガンと前線での戦闘の間に矛盾はないと考えています。
「私も前線で戦いたいと思ったけれど、武器の使い方が分からないから、こっちの方が役に立つわ。」と彼女は語りました。
当たり前の日常が失われ、安定した物流やバリエーションのある食事の提供が難しい状況でも、ヴィーガニズムを貫く兵士と兵士たちを命懸けで支える支援団体のボランティアの人々。
過酷で悲しい状況が続いていますが、国境を超えた様々な支援の輪が広がりが希望の光を与えてくれています。