ヴィーガン・ベジタリアンの違いとは?理由や割合なども徹底解説
ヴィーガン・ベジタリアンの食べ物や生き方の違い、英・独・仏・日のそれぞれの人口割合や、ヴィーガン・ベジタリアン対応レストラン数を比較します。
ヴィーガン・ベジタリアンはどうして生まれた?
ヴィーガンとベジタリアンの違いはどのようにして生まれたのでしょうか。
歴史をひもとくと、ヴィーガンはもともとベジタリアンに分類されていたことが分かります。
時代はさかのぼって古代では、数学者・哲学者であるピタゴラス(紀元前580年)が、すべての動物は人間の親族であるとし、動物虐待をやめて肉食を自制すべきだと説きました。肉を食べないことは体にも良いと菜食を勧めていたのです。彼自身は蜂蜜を食べる菜食だったと伝えられています。
アジアでは、ヒンズー教やバラモン教、ジャイナ教などで、肉を控えるという宗教哲学がありました。菜食は、生き物の命を大切にする仏教でも実践され、日本では肉や魚などを使用しない精進料理として今に残っています。
また、西暦1世紀ごろの初期キリスト教では、人間は他の生き物より優位にあるという考えだったため、肉を食べることを禁じていませんでした。
時代は流れて15世紀の芸術家レオナルド・ダ・ヴィンチは、動物を殺すことに異議を唱え、肉を食べることを公然と批判しました。しかし、彼が菜食だったかは分かっていません。
19世紀になると、菜食主義を信仰とするキリスト教の分派が、菜食の運動を始めます。その流れで、1847年にイギリスでベジタリアン協会が設立。このとき初めて「ベジタリアン」という言葉が使われました。
この時代は、ベジタリアンの中に卵や乳製品を食べている人と、食べていない人がいました。「ヴィーガン」という言葉はまだなく、ヴィーガンもベジタリアンも同じベジタリアンと呼んでいたのです。
その後、動物虐待と健康問題が議論され、卵や乳製品を食べるべきではないという研究が発表されます。そして1944年、イギリスにヴィーガン協会が設立されました。ヴィーガンという言葉は造語です。
もともとなかったベジタリアンやヴィーガンという言葉は、イギリスでそれぞれの協会が設立されたときに初めて使われました。菜食という食生活は、世界で古くから実践されていましたが、ベジタリアンとヴィーガンという名は比較的新しいのです。