ヴィクトリアズ・シークレット、PETAの働きかけによりカシミアの取り扱いを全面禁止

ヴィクトリアズ・シークレット、PETAの働きかけによりカシミアの取り扱いを全面禁止

米国発の人気ランジェリーブランド、ヴィクトリアズ・シークレットが動物愛護団体PETAによる働きかけにより、今後同社のコレクションにカシミアを一切使用しないことを正式に決定しました。

aimi
2022年12月18日
ヴィクトリアズ・シークレット、PETAの働きかけによりカシミアの取り扱いを全面禁止
1977年にロイ・レイモンドによって立ち上げられたランジェリーブランド、Victoria’s Secret(ヴィクトリアズ・シークレット)。

 

米国発の人気ファッションブランドとして、長年下着や香水などを取り扱ってきたVictoria’s Secret & Coは、今後同社のコレクションにカシミアを一切使用しないことを正式に決定しました。

現在、インド、米国、英国を含む60カ国以上で事業を展開する同社は、この禁止令を世界中で販売されているVictoria’s SecretとPINKの両ブランドの商品に適用する予定と発表しています。

 

今回の決定のきっかけとなったのは、動物愛護団体PETAの取材映像です。

PETAは、カシミア産業でヤギが受けている残酷な行為を柔らかい毛を取り除くために櫛で痛めつけられ、その後も苦痛を与えられ続ける凄惨な現場を調査し、その映像をもってヴィクトリアズ・シークレットの経営陣に行動を起こすように働きかけました。

 

そして、カシミアのために苦しみながら死んでいくヤギたちが映された映像を見たヴィクトリアズ・シークレットの経営陣は、カシミアの取り扱いを正式にやめることを決心しました。

 

PETAのトレイシー・レイマン副会長は以下のように述べています。

「ヴィクトリアズ・シークレットの決断は、毛をむしり取られる苦痛から解放される無数の心優しいヤギ達にとっての勝利です。

PETAは、動物に生涯苦しみを与えることなく生産されるヴィーガン素材を選ぶことで、ヤギの毛を守る手助けをするよう、皆さんにお願いしています。」

 

カシミヤはどのようにして作られるのか?

日本でも、冬になるとカシミヤセーターやマフラーが様々なファッションブランドの店頭に並びます。

肌触りが良く、保温性と保湿性共に優れたカシミアは、人気の素材です。

 

しかし、カシミアがどのようにして生産されているかを知ろうとする人は少ないかもしれません。

ぜひ、この機会にカシミアについて学んでみましょう。

(本記事でご紹介しているPETAの動画には、ショッキングな映像が含まれます。)

 

PETAは以前、中国とモンゴルのカシミア農場で飼育されているヤギが経験する条件と待遇を調査しました。

この2つの国は、世界に供給されるカシミアの90%を生産しています。

カシミアの生産現場の実態を探るべく、PETAが取材し撮影した映像には、農家がカシミアヤギを拘束し、柔らかい下腹部の毛を引きちぎられ、痛みに悲鳴を上げる恐ろしい様子が映し出されました。

この作業では、大きな金属製の櫛を使って最も柔らかい毛を採取します。

 

柔らかい毛は、艶のない表皮の下にあることが多いため、当然のことながら多くのヤギが怪我をし、心も体も傷つけられます。

 

また、PETAの潜入調査では、カシミア農家が日常的にヤギの上に立ち、手足を固定してヤギが動かないようにしていることが分かりました。

ヤギが怪我をしても獣医による治療は行われず、ヤギたちは殺されるまで、痛みを抱えたまま放置されていました。


また、採算が合わないと判断されたヤギは、喉を切り裂かれて屠殺されます。

映像では、事前にハンマーで頭を殴られたヤギもいました。

 

ヤギたちはナイフやハンマーで暴行を受けた後、血が出始めると無造作に床に放置され、死に至ります。

殺されたヤギはその後、食肉として売られます。

 

脱動物由来を進めるファッションブランド

カシミア生産現場の調査結果を送られたヴィクトリアズ・シークレットの幹部は、今後のコレクションからすべてのカシミア製品を取り除くことを決定しました。

現在、同社はカシミアを販売しておらず、再び導入する予定もありません。

 

ヴィクトリアズ・シークレットは、以前にもPETAの働きかけによりアンゴララビットファーやアルパカフリースを撤去しています。

そして、今回もPETAとのやり取りを経て、カシミアの排除が決定されました。

 

今回のように、動物由来の素材の使用をやめるブランドは、ヴィクトリアズ・シークレットだけではありません。

その他約40のファッションブランドが、動物由来の繊維の使用をやめ、テンセルや竹など、動物を使わない代替素材を採用し始めています。

大手ファッション企業のASOSでも、モヘア、フェザー、シルク、カシミアの販売を禁止すると発表しました。

PETAは、ASOSが「ファッションにおける思いやりを先導している」と称賛しています。

 

このようなファッションブランドの動きに関して、慈善団体のイヴォンヌ・テイラー氏は以下のように述べています。

「PETAのキャンペーンに呼応して、消費者はデザイナーや小売業者に対して、動物由来の素材を捨て、苦しみを与えることなく見た目も美しい、残酷ではない代替素材を選ぶよう求め続けています。その結果、ファッション業界は変化を見せているのです。」

 

まとめ

消費者の意識と行動は、PETAの活動の原動力となり、企業の選択を良い方向に変えていきます。

 

代替するものが数多くある中で、カシミア製品を選ぶということは、カシミアヤギの命を奪うことを肯定するのと同義です。

だからこそ、私たちは消費者として、購入するものがどこから来ているのか、どうやって作られているのかを知る責任があります。

 

私たちが消費者として良い選択をし続け、企業に気付きを与えていくことが、ヴィクトリアズシークレットのように、一歩ずつ前進するファッションブランドが増えていく力になっていくでしょう。

 

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