ボトル容器を持ってお店へ行き、自然派化粧品や洗剤を量り売りしてもらえる、「プロテア ゼロ・ウェイストストア(Protea Zero WasteStore)」が、ハワイのオアフ島カイルアに2020年6月オープンしました。
ショップの誕生の背景には、世界で広がるプラスチック汚染や、化粧品、洗剤産業が排出するごみの問題に向き合いたいという思いがあります。
今回は、プロテア ゼロ・ウェイストストアとはどのようなお店なのか、化粧品とごみの関係、プラスチックを使わない、環境に優しいコスメや日用品アイテムをご紹介します。
プロテア ゼロ・ウェイストストアとは?
ゼロ・ウェイストとは、日本語で「ごみ0(ゼロ)」の意味で、廃棄物を可能な限り減らしていく活動のことです。
プロテアでは、ローションやクレンジングなどの化粧品だけでなく、台所洗剤など、数十種類の自然派・オーガニック製品を詰め替えで販売。プラスチック容器のごみを減らすことができます。
カイルアの「Protea Zero Waste Store」。環境問題と真摯に向き合う女性オーナーがopenしたリフィル(詰め替え)中心スタイルの新ショップです。
ソープやシャンプーから洗剤、化粧品に至るまで、お気に入りアイテムを「リフィル」してゴミを減らす。普段の生活の中で、できることから始めたいですね。 pic.twitter.com/d6cspok9A9
— tsunaguhawaii / つなぐハワイ (@tsunaguhawaii) August 19, 2021
ショップでは他にも、繰り返し使えるステンレス製のストロー、オーガニックコットンや蜜蝋などでできたお皿に使うラップ、容器が堆肥にできる紙でできたヴィーガンリップなど、プラスチックごみが出ないものを取り扱っています。
オアフ島カイルアに環境にやさしいショップProtea Zero Waste Storeがオープン!日々の生活からムダなゴミを減らそうというのがコンセプト。ハンドソープなどは繰り返し使えるガラスやステンレスの容器で購入します。シンプルなデザインがどれもいい感じです♫😊 #ihearthawaii #interfm897 pic.twitter.com/8vPvb1M3pj
— iHeart_Hawaii (@iHeart_Hawaii) July 18, 2020
容器を持っていなくても、ショップでポンプ式のボトルやスプレー、ジャーなどを購入できます。
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ショップを開業したLORI MALLINIさんは、石油の生産拠点である、テキサス州ヒューストンの出身。自宅の近隣の地域はプラスチックの製造によって、深刻な影響を受けていると言います。

LORI MALLINIさん ハワイパシフィック大学で環境学の学位を取得。環境保護主義者、政策提唱者。
その後、ハワイのカイルア移り住むと、行き場のないプラスチックが、砂浜や野生動物に深刻な影響を与えている状況を目の当たりにします。
そこで、LORIさんは、プラスチック削減やリサイクル法案を州議会や市議会に提案。さらに、地域レベルでも意識の変化が大切であることを広めるため、プロテア ゼロ・ウェイストストアをオープンしました。
そもそもハワイ州カイルアとは?
プロテアがあるハワイ州カイルアとはどのような場所なのでしょう。
ハッピーキヌア代表の小野寺が今年2021年に半年間、ハワイのカイルアに住んでおり、プロテア ゼロ・ウェイストストアに度々訪問していました。
カイルア地方は、ハワイの中でもとってもヴィーガンフレンドリーな街で、近くにはとても綺麗なビーチがあります。
こちらは山の上から見た眺めです。とっても綺麗なところで、自然豊かです。ハワイは観光名所がたくさんありますが、カイルアはとっても落ち着いた場所。ぜひハワイに訪れた際は行ってみてくださいね!
量り売りもいつもオーナーさんが気持ちよく対応してくださいます。近くのコワーキングスペースの会員になると、10ドル分リフィルしてくれ、近くで働く人も度々訪れていました。
魅力をさらにお伝えしてまいります。
なぜごみゼロなのか?(WHY ZERO WASTE?)

さてお店のお話しに戻ります。それではなぜ、化粧品や洗剤などの日用品の分野で、プラスチックを始めとしたごみが問題になっているのでしょうか。
プロテアでは、環境問題の現状と未来の予測として、9つのメッセージを発しています。
✸世界で製造されている化粧品の包装・容器は、毎年「1,200億個」。
✸何度もリサイクルできるプラスチック。でも、「最終的にはすべてプラスチックごみになる」。
✸2015年に廃棄された世界のプラスチックの半分以上は、プラスチック包装・容器で「1億4,100万トン超」。
✸プラスチック製品は廃棄後、分解するまでに「約500年」かかる。
✸香水、美容液、保湿剤のパッケージになる段ボールを製造すると、「毎年1,800万エーカー※の森林が失われる」。※約7万3,000平方メートル
✸2050年までに、プラスチックの生産がこのまま続けば、プラスチック産業は「世界の総石油消費量の20%を占める」可能性がある。
✸地球上のすべてのプラスチックごみがリサイクルされているのは、たったの「9%」。
✸2050年までに、私たちの海は「魚よりもプラスチックが多くなる」。
✸プラスチックの生産をこのまま続ければ、2050年までに「推定99%の海鳥が、プラスチックを誤って食べてしまう」。
プラスチックの生産を続けることで、大切な自然や資源が奪われていく現実。それを少しでも食い止めるためにも、ごみを出さない化粧品・洗剤などの日用品を選ぶことが、個人が環境を守るためにできることなのです。
プラスチックを使わない、コスメと日用品アイテム5選

プロテア ゼロ・ウェイストストア(Protea Zero WasteStore)の商品は、店舗とオンラインストアで購入できます。
オンラインストアの中から、コスメ3種と、ストローと歯ブラシの日用品2種をご紹介します。
1. リップグロス-再利用できる容器を使用(LIP GLOSS – COMPOSTABLE TUB)

容器は、堆肥にできる材料で作られているため、プラスチック使用ゼロのリップグロスです。
リップグロスには、石油系材料や動物由来成分、人工成分を一切使用していません。
ハチミツも使用していないので、ヴィーガンにも最適です。
2. チーク[コンパクトケース付き](BLUSH)

竹でできたチークのコンパクトケース。コンパクトに付いているマグネットで開閉します。
チークはヴィーガン仕様です。
3. チーク[リフィル](BLUSH)

コンパクトのリフィルは、「種」でできた紙パッケージに入って販売されています。
花が育つ時期に、この紙パッケージを土に植えることもできるそうです。
4. ガラスのストロー(STRAWS – GLASS)

ハンドメイドのガラス製ストローです。
ホウケイ酸ガラスという、パイレックスに似た素材でできていて、食洗器の使用も可能です。
5. 竹製 子ども用歯ブラシ(BAMBOO KIDS TOOTHBRUSH)

持ち手が天然の竹でできている子ども用歯ブラシです。
歯ブラシにプラスチックが使われていないだけでなく、パッケージもすべて紙でできています。
竹は、耐水性や抗菌性があるため、微生物が歯ブラシに付きにくいというメリットがあります。
プラスチックの代わりにガラスや竹などの素材を使用しているため、すべて環境に優しいアイテムです。
持続可能な製品を選ぶということ

プロテア ゼロ・ウェイストストアは、ハワイのカイルアにある、化粧品や洗剤を詰め替えで販売する「ごみゼロ」のショップです。
プラスチックごみの現状に目を向けてみると、リサイクルされているのは約9%。さらに、プラスチック製品が分解されるには約500年かかるという事実があります。
ショップでは、現在の消費形態は、もはや持続可能ではないため、日々使っているプラスチックの消費を減らし、持続可能な代替品を見つけることが大切だと呼びかけています。
商品を選ぶ側の意識の変化が求められている今、私たちがどんな製品を使用するのかが、未来を決める鍵になっています。
いかがでしたでしょうか?ハワイの素敵なゼロウェストのお店、プロテア。ぜひハワイに行った際には訪問してみてくださいね。