Allbirds(オールバーズ)がサステナブルに関するコミットメント10項を発表
革新的な素材と積極的なカーボンニュートラルターゲットで知られる靴とアパレルの会社Allbirds(オールバーズ)。科学に基づいた10項目のサステナブルの目標への取り組みを紹介します。
今回の記事では、アメリカで大人気。話題を集めるオールバーズについてご紹介いたします。
オールバーズの最初の靴は、ニュージーランドの極細メリノウールで作られたウールのランナー用シューズでした。
「可能な限り環境に優しいもの作り」がモットーの同社で使われる素材は、メリノウールの他にユーカリの木でできた繊維、さとうきびからできた繊維です。靴紐にはリサイクルプラスティックボトル、インソールにはヒマシ油、パッケージにはリサイクルダンボールが使われています。
そんなサステナブルな会社オールバーズがこの度、2025年までに達成すべきサステナビリティに関するコミットメント10項を発表しました。
目次
オールバーズ 2050年では遅すぎる
オールバーズは、リジェネラティブ農業、再生可能素材、責任あるエネルギー使用の3つに焦点を当て、後述の最も野心的な科学根拠に基づいての持続可能性目標の10項目を、2025年までに達成すると述べました。
「Allbirds Flight Plan(オールバーズ・ファイト・プラン)」の10項目の新しい定量的目標は、詳細な科学的分析によって決定され、主要なサードパーティの持続可能性組織、コンサルティンググループ、およびそのサプライチェーンパートナーによってレビューされたと声明で説明しています。
オールバーズは、多くの企業が目標としている「2050年までに温室効果ガス排出削減ゼロ」の基準は遅すぎるとしています。
サステナビリティなコミットメント10項
リジェネラティブ農業
- ウールの100%を環境負荷の低いウール
- ウールの調達先農場の温室効果ガス排出量をゼロに
再生可能素材
3. 製品で使用される材料の75%を、持続可能な方法で調達された天然またはリサイクル材料に
4. 素材の二酸化炭素排出量を25%削減
5. オールバーズ全商品の使用する素材の使用量を25%削減
6. 製品の寿命を2倍にする
3. 責任あるエネルギー使用
7. オールバーズが所有および運営する施設で100%再生可能エネルギーを供給
8. 製造パートナー向けに100%再生可能エネルギーを調達
9. 95%以上の海上輸送
10. 100%のお客様にオールバーズの商品を冷水洗濯すること、50%のお客様に自然乾燥することを促す。
「Cradle-To-Grave(ゆりかごから墓場まで)」の取り組み
オールバーズは、温室効果ガス排出量をゼロにするために2つの取り組みをしています。一つは上記に述べた2025年までの目標。
もう一つは、「ゆりかごから墓場まで」を計画の一環としての2030年までの長期目標です。
温室効果ガス排出量を減らすために、素材調達から廃棄に至るまでのライフサイクルを5つの段階に分けて、各段階での排出量を測り公表、そして商品ラベルにも表示しています。
2025年までに、ライフサイクル5段階の温室効果ガス排出量を50%削減。これは、2030年までに各段階の温室効果ガス排出量が、ほぼゼロになるまで続きます。
この取り組みは科学に基づいた目標であり、2030年までに、サプライチェーン排出量、全体で2020年の数字に対して絶対排出量を42%削減する予定です。
*サプライチェーン排出量:事業者自らの排出だけでなく、事業活動に関係するあらゆる排出を合計した排出量を指す。
原材料調達・製造・物流・販売・廃棄など、一連の流れ全体から発生する温室効果ガス排出量のこと。
サプライチェーン排出量=Sccope1(直接排出量)+Scope2(エネルギー起源間接排出量)+Scope3(その他間接排出量) 引用元ー環境省
まとめ
オールバーズは、企業ボーナスを個人の炭素削減目標に結び付けたり、外部の専門家で構成される持続可能性諮問委員会が進捗状況を監視して説明責任を果たすなど、内部インセンティブ構造も設け、製品を作るだけではなく、社員一丸となって温室効果ガス排出削減に取り組んでいます。
オールバーズの公式サイトによると、ファッション業界は、年間21億トンもの二酸化炭素を排出しているとのこと。
2025年までに温室効果ガス排出を半減させ、2030年までにゼロにすることを目標としているオールバーズは、この取り組みに共感してくれる企業が増えることを願っています。
そして消費者である私たちにできることは何かと考えさせてくれます。