植物から金属資源を抽出する技術「ファイトマイニング」とは?
ファイトマイニングご存知でしょうか?最近よく耳にする言葉かもしれませんが、詳しいことはよく知られていない言葉だと思います。ファイトマイニングとは、植物を用いて金属を効率的に回収する技術のこと。ファイトマイニングをより詳しくわかりやすく説明します。
ファイトマイニングをより詳しく説明
ファイトレメディエーションの観念は意外と古く、日本でも古くから植物を使って大気や水を浄化をしています。
そよ良い例が琵琶湖に生息しているヨシ林です。ヨシには水中に含まれる窒素やリンを養分として吸収する働きがあります。
その他にも甲子園のツタ。このツタも西日よけを目的に植えられたと言われています。
ツタで覆うことにより、西日をよけれるだけではなく、二酸化炭素を吸収することにより、大気浄化させることにより、環境負荷削減にも一役買っています。
しかしファイトレメディエーションの概念を実際の利用できるテクノロジーの発展、開発は1970年代まで待たなくてはなりません。
メルボルン大学の植物学教授 Alan Baker(アラン・ベーカー)は、1970 年代から植物と土壌の関係を研究しており、ファイトマイニングの一人者と言われています。
少しずつですが、植物が体に金属を貯めることが、アランの研究グループや他の研究者たちによってわかるようになってきたのです。
ハイパーアキュミレーター
重金属を体内に取り込む性質がある重金属集積植物のことを、hyperaccumulator(ハイパーアキュミレーター)と呼びます。
世界中で350,000以上の植物が発見されているのに対し、ハイパーアキュミレーターは約750種のみ。
これらの植物種はすべて、1つまたは複数の重金属が自然に豊富な土壌で進化してきました。
アルミニウム、ニッケル、コバルト、亜鉛、水銀、銀さらには金など12種類もの重金属を体内に取り込む性質があるハイパーアキュムレーターが存在することが発見されています。
ハイパーアキュミレーターには私たちが知っている、アブラナ、ヘビノネゴザやヤナギなども含まれます。