【映画産業】あの有名映画も…?動物が犠牲になった映画と動物福祉との関係性について徹底解説
動物は映画には欠かせない存在。最近では実際の動物を使わずCGを使っていますが、ハリウッドでの動物虐待は以前から問題視されていたトピックです。映画と動物福祉との関係性について解説します。
1939年以来、動物の安全、福祉、福祉の確保に取り組んでいるThe American Humane Association(AHA:アメリカ人道協会)は何千もの映画の現場で、動物の扱いを監視してきました。
そして、ほとんどの映画に、映画の製作中に動物に危害を加えていないことを承認しています。
しかし、実際はどうなのでしょうか?
ハリウッドでの動物虐待
ハリウッドの黎明期、動物虐待に関する法律はまだ制定されておらず、映画制作者は、適切な場面を撮るために、必要と思われることを自由に行っていました。
しかし、1936 年の映画、The Charge of the Light Brigade(邦題:進め龍騎兵)以降、映画撮影中での動物の扱い方の性質を変えました。
この映画の戦闘シーンを撮影した際、数十頭の馬が仕掛け線による転倒で負傷し死亡するという、痛ましい事故が起こったためです。
そのニュースを聞いた人々の怒りは、政治の領域にまで及び、仕掛け線は禁止され、業界は動物福祉に配慮し始めました。
アメリカ人道協会は、1939年に映画Jesse James(邦題:地獄への道)が撮影中、崖から走り落ちることを強制され怯えた馬が、それ故に死んでしまうという事故を機に、ハリウッドに西部地域事務所を開設し、映画やテレビでの動物虐待を監視しています。
実際はどうなのか?
アメリカ人道協会が、動物虐待を厳しく監視しているのにもかかわらず、未だに、物議をかもしているのはなぜなのでしょうか?
例えば、犬好きにはたまらない、涙無くしては見れなく日本でもヒットした2017年の映画、僕のワンダフル・ライフ。
撮影現場で怖がっているジャーマン・シェパードを、無理やりプールに飛び込ませようしている映像がリークされ、動物愛護団体や愛犬家からは批判の声が上がりました。
最近では、スティーブン・スピルバーグの2022年新作映画The Fabelmans(邦題:ザ・フェイブルマンズ)で本物の猿を使ったことを批判されています。
確かに撮影中には虐待は行われていないかもしれません。
ですが、映画やテレビに出演するためのトレーニングの際に虐待されている可能性は大きいです。
サルや犬のように、映画の現場で使用される動物は、赤ちゃんの時から母親から離されたり、演じるために絶食などを含む虐待をされることがよくあります。
動物虐待で告発された映画
The Hobbit (2012): 撮影中に27匹の動物が死亡
ホビット最初のシリーズ The Hobbit:An Unexpected Journey(邦題:思いがけない冒険)では、たくさんの動物が使用されています。
その数は約150匹。
映画で使用された動物を監督するために雇われた動物管理者は、動物たちが絶壁、陥没穴や防犯用屋外フェンスなどの、死の罠でいっぱいの危険な農場に収容されていたため、27匹が死亡したと言います。
その中には、ホビットの馬として雇われたレインボーと呼ばれるミニチュアポニーが含まれています。
彼は農場の土手から墜落し、背中を骨折。見つけられたときのは、まだ生きていていましたが、安楽死させられなければなりませんでした。
動物管理者は、ニュージーランドの農場がどれほど危険であるかについて、上司とホビットの制作会社に警告したが、動物は決して移動されなかったと言います。
イギリス電子版新聞インディペンデントによると、これら動物の死にもかかわらず、アメリカ人道協会はそれ以上の調査を中止。
最終的には、これらの死は映画ロケ現場以外で行われていることを根拠に、この映画を製作するにあたり、いかなる動物虐待も行われていないと結論付けました。