デンマークのミシュラン3つ星レストランが2022年以降、肉を一切使わないと発表!

デンマークで唯一のミシュラン3つ星を獲得したレストラン「ゼラニウム」が、2022年度より肉を一切使わないメニューを提供することを決断しました。その理由について、みなさんにご説明させていただきます。

このたび、ゼラニウムのヘッドシェフ、ラスムス・コフォード氏が「2022年以降、ゼラニウムで提供するメニューから食肉を取り除く」ことを発表しました。
世界的なミシュラン3つ星レストラン「ゼラニウム」は、なぜメニューから肉を取り除くことを決断したのでしょうか、そこに至った経緯なども含め、みなさんにご説明させていただきます。
ミシュラン3つ星の意味するもの
日本でもおなじみの「ミシュランガイド」は、フランスのタイヤメーカー、ミシュラン社から発行されているグルメガイドブックです。
ミシュランガイドに掲載される店は、ミシュラン社から派遣された覆面調査員によって、5つのカテゴリーに分けて評価され、ガイドブックへの掲載の可否や、星の数などが決まります。
ミシュランの星の数は、1~3つまであり、星の数によって以下のように評価されています。
★ その料理のジャンルにおいて、特に美味しい料理を提供するレストラン
★★ 遠回りしても訪れる価値のある素晴らしい料理
★★★ わざわざその場所に訪れる価値のある、卓越した料理を提供するレストラン
このように、3つ星は最高ランクのレストランに位置づけされるため、ゼラニウムは、味や盛り付けにおいても折り紙つきの一流レストランであることがうかがえます。
レストランゼラニウムとは
ゼラニウムは、2016年にデンマークで初となるミシュラン3つ星を獲得し、2021年度の「世界のベスト・レストラン50」で、2位にも選出されたトップレストランです。
ゼラニウムで食事をするため、世界各地から足を運ぶ方たちも多いほど、ハイクラスで特別なレストランには、一体どのような魅力があるのでしょうか。
ノルディック・キュイジーヌ

https://www.geranium.dk/en/gallery/ 写真: クレーズ・ベッハ=ポールセン
ゼラニウムの料理ジャンルは「ノルディック・キュイジーヌ」です。
地元でとれた新鮮な食材をもとに、北欧という地域をイメージすることができるようなシンプルでアイデンティティーのある料理を追求し、自然との共生をイメージしたメニューが提供されています。
また、ノルディックキュイジーヌのマニフェストには「季節感のある新鮮な地元産食材を使用し、環境や動物へ配慮すること」が挙げられ、料理に使われている食材のほとんどは、オーガニックです。
これまでの間、ゼラニウムでは、太陽や自然の恵みを受けて育った新鮮な野菜や魚介類をメインに、少量の肉を食材として使用したメニューを提供してきました。
しかし、ヘッドシェフの個人的な信条や考え方を踏まえて熟慮した結果、店の方針を変え、2022年より、レストランのメニューから食肉を取り除くことが決められたようです。
肉を一切使わないメニューを展開していくことを決断したゼラニウムのヘッドシェフ、ラムラス・コフォード氏とは、一体どのような人物なのでしょうか。
ヘッドシェフのラムラス・コフォード氏

https://www.geranium.dk/en/gallery/ 写真: クレーズ・ベッハ=ポールセン
レストランゼラニウムのヘッドシェフをつとめるのが、ラスムス・コフォード氏です。
ミシュランの他にも、フランスで2年に1度開催される世界シェフのチャンピオンシップ「ボキューズ・ドール」に参加し、唯一、金・銀・銅賞をすべて受賞した世界的なトップシェフとして広く知られています。
ラスムス・コフォード氏の創り出す料理は、芸術的ともいえるほどに美しく、さらに美味しい料理が評判となっていて、ゼラニウムでの食事を楽しみに、世界各国の人々が足を運んでいます。
今回、ラスムス・コフォード氏は、レストランゼラニウムのメニューから食肉を取り除くことを発表すると同時に、彼自身が、すでに5年間継続して肉を摂取していないことも明かしています。
レストランゼラニウムのメニューの考案は、ヘッドシェフである彼の役目でもありますが、そこには彼の信条や、アイデンティティーなども表現されています。
彼自身が肉を食べなくなったのには「動物や自然環境への配慮」などの理由があってのことでしょう。
世界的なトップシェフであるから彼だからこそ、ふだん自分が食べることのない食材を、メニューに取り入れることは難しいと考えた結果なのかもしれません。
ゼラニウムの今後のメニュー

https://denmarkfood.jp/news/restaurant_geranium-announcement/
2022年以降、ゼラニウムでは、デンマークの美しい海や水辺からとれた新鮮な魚介類と、有機栽培法で育った地元の新鮮なオーガニック野菜のみを食材として使用した、新たなメニューが提供されます。
ヘッドシェフのラムラス・コフォード氏のもと、ゼラニウムは新しいスタートラインに立ちましたが、変化することは、成長する良い機会です。
メニューの中に肉がなくても、立派なコース料理になるということを、きっとこれからのゼラニウムが証明してくれることでしょう。
デンマークのヴィーガン事情につきましては、ハッピーキヌアヴィーガンメディアのこちらの記事も、ぜひご参考になさってください。
まとめ

https://www.fritzhansen.com/ja/Inspiration/Projects/Geranium
ミシュラン3つ星を獲得したデンマークの唯一のレストラン、ゼラニウムが「2022年以降、店で提供するメニューに肉を一切使用しない」という決断をしました。
世界中にファンをもつ、ハイクラスで特別なレストランが食材に肉を使わないと決めた背景には、ヘッドシェフのラムラス・コフォード氏自身が5年間にわたり、肉を一切摂取していないことが一番の要因であることがうかがえます。
デンマークの人々は、環境問題や動物愛護への意識が高いことでも知られており、ゼラニウムのメニューに使われている野菜や魚介類のほとんどが、地産地消のオーガニックの食材です。
まるでアートのように美しく、さらに美味しいと評判の3つ星レストラン、ゼラニウムの希望に満ちあふれた新たな出発が楽しみですね。
ハッピーキヌアヴィーガンメディアのこちらの記事も、ぜひご参考になさってください。