【ドイツ】国民の半数以上がフレキシタリアン、ヴィーガン人口は150万人に到達
ドイツ国民の半数以上が肉の消費量を減らし、フレキシタリアンまたはそれに準ずるライフスタイルを実践していることが分かりました。ビールと肉料理のイメージが強いドイツで今、長期的な食のトレンドとしてヴィーガンが注目されている理由と現状をご紹介します。
同国のヴィーガン人口も増加し、2022年は150万人に達しました。
「Plant-Based Food Goes Mainstream in Germany(プラントベースの食品がドイツで主流になる)」というタイトルの報告書によると、ヴィーガン人口の数字は2012年の10万人からの増加となり、10年で140万人以上増えたことを意味します。
同時期に肉の消費量も急激に落ち、2011年の1人当たり年間138ポンド(62.6kg)から2021年の121ポンド(54.9kg)になりました。
食のトレンド:ヴィーガン、ベジタリアン、フレキシタリアン
2020年から2021年の1年間で、1人当たりの牛乳消費量は5%減少し、代わりの牛乳製品であるソイミルクやオーツミルクが人気を集めました。
報告書は、これらの食に関する変化は主に若者によって引き起こされているとしています。
また、多くの若者が健康や環境に関するメリットから親を説得し、若者の親世代がプラントベースダイエットを取り入れるようになっていると述べています。
ドイツの政治家たちもプラントベースを推進
この変化はドイツで政治的支持を得ており、同国のベジタリアンの食品農業大臣であるCem Özdemir氏は、プラントベースの食事を同省の戦略に含めています。
昨年、ドイツの連邦保健大臣であるKarl Lauterbach教授は、肉消費量の80%削減を呼びかけ、同国はまた、ヴィーガン食品が動物性製品を含まないことを保証する基準を公表しています。
政治的な支持に大きく関わるからこそ、行政による積極的なプラントベースの推進と、ヴィーガン食品の明確な基準設定が進められ、消費者が安心してヴィーガンのライフスタイルを実践できるような環境が整えられています。
ドイツにおける代替肉ブーム
報告書では、代替肉製品の人気の上昇も指摘されており、2021年には代替肉の売上が32%増加し、代替肉製品のドイツでの生産量は17%増加しました。
さらに、2021年にドイツで発売された製品の5つに1つはヴィーガンとされています。
2022年の調査によると、73%のドイツ国民が定期的に代替タンパク質製品を食べており、そのうち58%が雑食、24%がフレキシタリアン(準菜食主義)と自己を認識しています。
フレキシタリアンであると認識する人の割合は24%ですが、ドイツ国民の7割以上が代替タンパク質製品を取り入れていることから、無意識のうちにプラントベースダイエットやフレキシタリアンのライフスタイルを実践しているという人も少なくないでしょう。
USDAの報告書はドイツのプラントベース普及について、以下のように述べています。
ドイツはソーセージやシュニッツェルなどの、豊富な肉料理でよく知られていますが、ベジタリアンやヴィーガンの選択肢を見つけるのは簡単になってきています。
また、ドイツはヨーロッパの近隣諸国と比較しても、ベジタリアンの割合が最も高い国です。
今日、ヴィーガン、ベジタリアン、フレキシタリアンが食のトレンドを作り、プラントベースフード市場は驚異的な成長率を示しています。
まとめ
ドイツといえば、ビールとソーセージのイメージが強く、ベジタリアンやヴィーガンのイメージを抱く方は少ないかもしれません。
ですが、USDAが報告しているように、現在のドイツはヴィーガン先進国として、ヴィーガンの方でも安心して利用できるレストランやスーパーも多く存在します。
また、ドイツの若者は政治や環境問題に関する情報を積極的に吸収し、ヴィーガニズムを実践したり、家族に勧める様子も見られるようです。
急速なヴィーガン人口の急増に伴い、大手企業も続々とヴィーガンの新商品を発売しているドイツの今後の発展にも、注目が集まります。
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