樹木葬を知っていますか?自然も守れる埋葬方法で、世界が変わる
新しい埋葬方法である、人にも環境にもやさしい、「樹木葬」を知っていますか?
本記事では、今注目したい樹木葬の説明から、その種類、世界の樹木葬の情報をお届けいたします。
樹木葬は環境にやさしい?
樹木葬は、自然葬の一種であり、墓石の代わりに木や花を植える、自然により近い埋葬方法であることが分かりました。
今回は、「里山タイプの樹木葬」が環境にやさしいといわれる理由を詳しく見ていきます。
里山タイプの樹木葬では、
- 現在ある里山を利用する
- 植樹により森を形成していく
大きく分けて、二種類の方法があります。
もともとある山・森を利用する里山タイプでは、新たに墓地としての土地開拓をする必要がないのがメリットです。
また、人の管理が必要となる里山を墓地にすることにより、里山維持の資金集めに四苦八苦することがなくなります。里山を墓地にしたい人から、利用許可代をいただき、その費用を里山の管理費に充てる事ができます。
先ほどご紹介した、日本で初となる樹木葬、「樹木葬の里」はもともと荒れた里山を再生させる方法を模索した結果、樹木葬にたどり着いたそうです。
一方、植樹により森を形成していく樹木葬タイプは、緑が減少している時代に、故人を想いながら緑を増やすことができる方法と言えます。
死者を弔うための墓地を新たに造るために、自然を破壊することなく、自然環境を保全しながら埋葬することができるので、生前、地球環境について関心を持っていた方や、そのご遺族の意志にやさしく寄り添うことができます。
海外の樹木葬のかたち
樹木葬は、海外では「green burials(緑の埋葬)」と呼ばれ、新たな埋葬方法として浸透してきています。
この緑の埋葬は、日本での樹木葬と異なる点がいくつかあります。
緑の埋葬の定義では、遺骨壺を、生分解性の容器にするか、または遺体をそのまま埋葬する土葬であり、遺体に防腐処理を行わない埋葬方法です。
緑の埋葬評議会「Green Burial Council」では、従来のお葬式・埋葬方法は、環境への負担が大きすぎるとの考えを示しおり、そのゴールは、
- 天然資源の保護
- 炭素排出量の削減
- 労働者の健康の保護
- 環境への負担軽減
これらをクリアして、死者を弔います。
緑の埋葬の、墓地管理に関しては、独立した運営である場合もあれば、従来の墓地に組み込まれている場合もあります。通常、除草剤、農薬、肥料の使用を中止し、持続可能な土地管理の実践を奨励しています。
また、緑の埋葬方法では、世界でも大きな割合をしめている「火葬」についても、問題視しています。
アメリカでは火葬で、年間17億4,000万ポンドのCO2排出量を生み出しています。 北米火葬協会によると、火葬はアメリカ(56.1%)とカナダ(73.1%)で最もスタンダードなオプションです。火葬では、水銀を空気と水に放出し、窒素酸化物、ダイオキシン、粒子状物質の副産物を生成する問題点が挙げられます。
火葬場の労働者は、これらの排出物に対して、被害を被っていることが明らかになり、COPD、呼吸器疾患、および神経障害の発生率が平均よりも高くなっています。 特に遺体に付着されている防腐剤も、火葬で燃やされたときに、有害な物資を発していることが分かっています。
こういった現状から、緑の埋葬の目指すゴールとして、「労働者への健康保護」も加わっています。
まとめ
本記事では、樹木葬の意味から、種類、環境にやさしい理由、海外での樹木葬についてご紹介いたしました。
お葬式のことは「まだ考えていない」、もしくは漠然と「先祖代々のお墓に入る」ことを考えている方も多いのではないでしょうか。
現在のお墓の在り方が、持続可能性を十分に秘めているかをもう一度立ち止まって考えるべき時かもしれません。
自然により近いかたちで、死者への敬意を払えるとしたら、それはとても素敵なことに思います。
皆さんは、どう思われたでしょうか?
ぜひ、この機会に普段考えることの少ない「持続可能なお墓の在り方」について考えてみて下さいね。
【参考】環境問題についてのハッピーキヌアの過去の記事はこちらからご覧ください。
SDGsとヴィーガンの関係とは?環境問題の観点から、わかりやすく解説
脱炭素って知ってる?内容と身近で取り入れる事ができる実現方法を徹底解説
【出典】