2050年までに国土の80%が居住不能に…気候変動に立ち向かうモルディブとサンゴ礁

2050年までに国土の80%が居住不能に…気候変動に立ち向かうモルディブとサンゴ礁

近年、地球温暖化による気候変動がもたらす影響が深刻化しています。海水面上昇により国土そのものがなくなってしまう危機にさらされている「モルディブ共和国」を守るための対策について、解説させていただきます。

ハッピーキヌア編集部
2022年10月09日
2050年までに国土の80%が居住不能に…気候変動に立ち向かうモルディブとサンゴ礁

海のオアシス、サンゴ礁を守り再生するために

モルディブの国土は、サンゴ礁が輪になってできる「環礁」によって成り立っています。

島々を取り囲むように配置された環礁は、魚の住処になるだけではなく、二酸化炭素の濃度をコントロールしたり、天然の防波堤となって洪水被害を防止するという役割も担っているのです。

 

近年、海水温の上昇や日焼け止めの成分が原因で、サンゴ礁が白くなってしまう「白化現象」が起きています。

この白化現象が長期間にわたると、サンゴ礁は、死んでしまいます。

 

モルディブでは、海洋生物学者や各国のNGO団体の協力のもと、サンゴを守り、再生するためのプロジェクトが進められています。

 

宿泊客も参加可能な「コラール・ラインズ・プロジェクト」

「コラール・ラインズ・プロジェクト」は、モルディブにあるリゾート施設で、サンゴ礁を育てるために行われている活動です。

 

リゾートホテルの宿泊客も参加可能なこのプロジェクトでは、海洋生物学者の協力のもと、サンゴを植え付る体験ができます。

自分で植え付けたサンゴのその後の成長過程を、webサイトや写真から確認することができるという嬉しい特典つきです。

 

サンゴの再生に実際に関わることで、環境問題をより身近に感じられる良い機会になるのではないでしょうか。

 

サンゴを傷つけない、プラスチックごみに対する対策

世界中で問題になっているプラスチックゴミによる海洋汚染は、モルディブのサンゴ礁群にも、深刻な影響を与えています。

 

汚染された海では、サンゴ礁や魚も生きられませんし、生態系そのものが破壊されてしまうおそれがあるのです。

 

サンゴ礁を守るため、住民や漁師の方たちが立ち上がり、ビーチのプラスチックゴミの回収活動を行っています。

また2025年をめどに使い捨てプラスチックの使用を禁止する法律も可決されています。

 

ターコイズ色に光る海と白い砂浜のコントラストが美しいモルディブの景観や生態系を守ることが、モルディブの明るい未来へとつながっていくことでしょう。

 

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まとめ

地球温暖化による気候変動が海面の上昇を引き起こし、海抜の低いモルディブには、国土消滅の危機がせまっています。

 

美しいサンゴ礁の海や白いビーチを次世代に引き継ぐため、モルディブの人々が取り組んでいる気候変動対策の数々は、どれも素晴らしいものばかりです。

 

しかし、気候変動の原因となっているのは温室効果ガスの排出です。

私たち一人ひとりがライフスタイルを見直し、温室効果ガスを削減できるかどうかで、モルディブや地球の未来が変わってくるのではないでしょうか。

 

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