【アメリカ】ニューヨークの医療従事者がプラントベースダイエットを学ぶための4400万ドル規模の医療プログラムを開始
生活習慣病対策に効果的なプラントベースダイエット。ニューヨーク市では4400万ドル規模のライフスタイル医療プログラムを導入し、市民の健康と市の財政を守るために大きく動き出しています。
ですが、そのようなデータについて知る機会のない人々や、栄養学に無関心な人々など、プラントベースダイエットに関心がある人や一部の有識者といった限られた人にしか届いていないという現状があります。
もし栄養価が高く健康維持に有効な役割を果たすプラントベースの食生活を、多くの市民が取り入れることができたなら、人々が健康で人生を楽しく過ごせるための大きな手助けとなるでしょう。
そこで、ニューヨーク市では、4400万ドル規模の医療プログラムを導入し、ニューヨークの医師が植物由来の栄養トレーニングを無料で受けられるようにすると発表しました。
より健康的な生活は、アメリカにおける医療制度の負担軽減にも、大きく寄与する可能性があります。
国民にプラントベースダイエットを基盤とした健康的な生活習慣を推奨し、助言を行う存在として、医師をはじめとする医療従事者の活躍が期待されているのです。
市長と学会の協働
多額の予算を割いて取り組みが始められる、植物性栄養学に基づいた医学のトレーニング計画。
この構想は、ニューヨーク市のEric Adams(エリック・アダムス)市長と米国生活習慣病学会(ACLM)の協力で実現したものです。
今回の決定の背景には、米国生活習慣病学会からの4400万ドルという巨額の投資の力があります。
米国生活習慣病学会からの投資は、ニューヨーク市の20万人の医療従事者が基礎的なトレーニングを無料で受ける環境づくりを可能にしました。
また、同学会は慢性疾患や健康格差に対処するための新しいツールを開業医に提供し、次世代のために、より健康的な市民生活のために投資しています。
正しい知識を学び、伝えるためのオンラインプログラム
この計画のメインとなるポイントは、ニューヨークで開業するすべての医療従事者は、予防的なライフスタイル医学をケアプログラムに取り入れるためのトレーニングを無料で受けられる点です。
対象となるニューヨーク州の医療従事者は、自習用オンラインプログラムを受講することができます。
このコースでは、予防と治療の観点に基づき、プラントベースフードに特化したプログラムが用意されています。
コースを受講することにより、医療の専門家たちは必要に応じて、患者の健康増進のために、動物性食品を含まない食品、つまりプラントベースダイエットへの切り替えを提案することができるようになります。
こういったプログラムは、現時点で世界最大の規模になると考えられています。
食生活の乱れによる生活習慣病が極めて深刻な課題となっているアメリカにおいて、生活習慣を見直すライフスタイル医学の積極的な推進が喫緊の課題として扱われてきました。
ACLMの前会長であるケイト・コリングス博士は、
「この国の慢性疾患の根本原因、特に生活習慣に関連する慢性疾患の健康格差を治療することは、生活の質と医療費の両方の軌道を良い方向に変えるでしょう。
私たちは、このイニシアチブを通じて、自分たちがどのような影響を与えられるかを認識して行動したアダムス市長と、市のすべての医療リーダーに拍手を送ります。」と今回のプログラムへの期待と称賛を述べました。
このプログラムでは、まずニューヨーク市の20の病院や治療センターでトレーニングが行われる予定です。
医師や看護師など、最大で20万人の医療従事者が、生活習慣病対策に有効なライフスタイル医療の入門編として提供される予定です。