【アメリカ】ニューヨークの医療従事者がプラントベースダイエットを学ぶための4400万ドル規模の医療プログラムを開始
生活習慣病対策に効果的なプラントベースダイエット。ニューヨーク市では4400万ドル規模のライフスタイル医療プログラムを導入し、市民の健康と市の財政を守るために大きく動き出しています。
治療よりも予防を優先する「ライフスタイル・メディシン」
どのような病気であっても、できれば薬物や外科的な介入を必要とせずに、健康状態を改善したいものです。
そこで注目されているのが「ライフスタイル・メディシン(ライフスタイル医療)」です。
ライフスタイル・メディシンは、患者さんがどのような生活を送っているかに着目し、健康状態を改善するために有意義な変化をもたらします。
つまり、「生活習慣という名の特効薬」なのです。
現在アメリカでは、成人の半数以上(60%)が何らかの慢性疾患を抱えていると診断されています。
その中には、糖尿病、がん、心血管疾患などが含まれます。
また、アメリカにおける2019年の慢性疾患の治療には、年間3兆8,000億ドル以上のコストがかかっていると推定されました。
残念ながらこの数字は、今後数年で倍増すると予想されています。
そのため、ライフスタイル医療は、コストを下げるための将来を見越した非常に重要な対策となり得ます。
ライフスタイル医療は、植物性の食事、運動、効果的な睡眠、ストレス管理、有害物質の回避などに重点を置いた治療法です。
有害物質の回避とは、喫煙や嗜好品の摂取を控えること、アルコールの摂取を控えることなどが含まれます。
市をあげたプラントベースダイエットの推進
市をあげた大規模なヘルスケアトレーニング計画のニュースの発表は、ニューヨーク市のアダムス市長が、すべての病院でヴィーガン食をデフォルトの選択肢として提供することを発表した直後のことでした。
「私たちの政権は、NYC Health + Hospitals(病院やクリニックを運営する公益法人)で生活習慣病のプログラミングとプラントベースの食事を拡大するために投資してきましたが、今、私たちはこの証拠に基づくモデルをニューヨーク市のすべての医療従事者に提供します。」とプラントベースダイエットを通したライフスタイル医療の更なる拡大についてアダムス市長は述べています。
まとめ
ニューヨーク市における、ライフスタイル医療への大規模な取り組みをご紹介したしました。
生活習慣病の深刻な問題は、アメリカに限られたことではありません。
日本では、平均寿命の延びと共に疾病全体に占める生活習慣病の割合が増加し、2018年時点で死因の約6割に達しています。(厚生労働省:特集記事を参照)
代表的な飲酒や喫煙だけではなく、栄養の偏った食事や運動不足、そして精神的なストレスを抱える人の増加も大きく影響しています。
生涯健康で、歳を重ねても健康寿命を伸ばしていくには、医学的にも健康状態の改善が証明されているプラントベースダイエットを取り入れるだけではなく、運動やストレスへの向き合い方も、考えていく必要があります。
世界を代表する高齢社会でもある日本においても、行政をあげてプラントベースダイエットが推奨される日は、そう遠くないのかもしれません。
参考記事はこちら
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