プラスチックゴミの量、世界ワースト2位!日本のプラスチック規制を徹底解説
使い勝手の良い素材ながら、使用量が過去50年間で20倍にも膨れ上がっているプラスチック。プラスチック問題について、リアルな現実とともに紐解いていきます。
例えばペットボトルは出先ですぐに購入できるので、飲料水としてよく購入するものの一つですよね。
軽くて持ち運ぶにもラクで便利なペットボトルですが、飲み終わったあとはどうしていますか?
皆さんの多くが、”捨てている”と答えるのではないでしょうか?
使用した(使い切った)後は捨てる。
長年使用するというより使い切ってしまうもの、それがプラスチックの特性とも言えるところです。
けれど捨てた後、どうなっているかご存知でしょうか。
捨て方にもよりますが、環境だけではなく食物連鎖によって人体にまで影響を及ぼしているのが現状です。
今回はそんなプラスティック問題を最近話題となったEUの「使い捨てプラスチック使用の禁止」などの規制と合わせて解説していきます。
そもそもプラスチックとは
私たちの身近にあるプラスチックはペットボトルやパック類(食品トレー)、CD・DVDケースなど、普段よく使用するものや便利なものばかりです。
ですがそのプラスチックがどういったものでつくられているのか、意外と知らない方も多いのではないでしょうか。
プラスチックは合成樹脂と呼ばれ、人工的に合成された樹脂という意味です。
その多くは石油を原料とし、科学的に合成されたもの。
軽くて丈夫なうえに断熱性が高くて衛生的、サビや腐食にも強いので万能と思われがちです。
利便性が高いことは確かですが、軽いけれどかさばるという難点があるので万能とは言い難いと言えます。
そして、それらは自然と分解されるものではなく、半永久的に地球上に蓄積されてしまいます。
プラスチックによる環境と人に及ぼす影響
普及しているからこそ、使い終わった後の“捨てる行為”がどんな方法であるかによって雲泥の差が生じてしまいます。
昨今の環境問題の中でも「海洋プラスティック問題」は捨て方に問題があるからこそ浮上していることだと言えるかもしれません。
世界では年間800万トンものプラスチックがゴミとなって海に流れていると推測されています。
海にゴミが投げ込まれるだけではなく、ポイ捨てされたゴミなどは雨の影響によって排水溝に流れ、更に川から海へと流れていってしまうことが原因です。
海に流れていくまでに紫外線によって劣化し、様々なものにぶつかって細かくなっていくプラスチック。
5ミリ以下となったものがよく言われる「マイクロプラスチック」と呼ばれ、世界中の海に存在しています。
有害物質を吸収しやすいマイクロプラスチックは魚などによって取り込まれ、食物連鎖によって人間の体内にも取り込まれている可能性があると言われています。
いくら5ミリ以下の小さなものでも、数が増えれば人体に影響が出ないと言い切れないのが現状です。
海洋プラスティック問題についてはWWFジャパンでが人気イラストレーター「ぬまがさワタリ」さんのイラストでわかりやすく説明されています。
(出典:国際連合高広報センター)
日本のプラスチックゴミの排出量とその実態
日本はプラスチックゴミ排出量が世界でワースト2位という嬉しくないランクづけになっています。
そんな日本のプラスチックゴミの排出はどのようなものなのでしょうか。
その多くは容器包装プラスチックで、使用量は1964年の15百マントンから2014年までで311百万トンと50年間で驚愕の増え方を見せています。
当然ながら排気量も莫大な量となっており、人口1人あたりの容器包装プラスチック破棄量はアメリカ、日本、EUの順で多くなっているのが現状です。
その他、日本財団ジャーナルも参考になります。
周りを見渡すまでもなく、日本ではプラスチック容器包装のものが多く見受けられます。
例えばスーパーでよく見慣れた、”ひとつひとつ個包装されている野菜”。
コンビニの食品では個包装されていないものを見つけるのが苦労するほどではないでしょうか。
日本の過剰と言えるこの容器包装は、丁寧で几帳面な日本人気質にも関係しているのではないかと思います。
豊かな国、日本だからこそなのかもしれませんが、それがマイナスなポイントとなってしまっているのも事実です。