対象は健康被害から環境破壊へ、今も続く現代日本の公害事情をわかりやすく解説

対象は健康被害から環境破壊へ、今も続く現代日本の公害事情をわかりやすく解説

高度経済成長期に日本国内で大きな社会問題となった「公害」。人間や動物の健康と生活環境、そして環境破壊に悪質影響を及ぼす公害は、実は今現在も発生しているんです。この記事では、今も続く現代日本の公害事情について解説して行きます。

ハッピーキヌア編集部
2022年12月29日
対象は健康被害から環境破壊へ、今も続く現代日本の公害事情をわかりやすく解説

今もなお発生し続けている公害

公害という言葉を聞くことが少なくなり、もう公害は過去のことにように思えるかもしれませんが、実は、公害は今現在も依然として続いています。

 

増加する公害苦情

 

令和2年度の公害苦情調査結果報告書によると、全国の公害苦情受付件数は81,557件。前年度に比べ15.8%増加しています。

その中でも典型7公害の苦情は56,123件で、前年度に比べ9,568件の増加となっています。

 

「騒音」に関する苦情が19,769件と最も多く、次いで「大気汚染」に関する苦情が17,099件となっており、どちらの苦情数も前年に比べて増加しています。

また、典型7公害以外の苦情も前年度より増加しており、生活系廃棄物(家庭から発生するゴミ)の投棄に関する苦情が圧倒的に多いです。

 

公害苦情の発生原因においては、「焼却(野焼き)」による苦情が15,987件と最も多く、次いで「工事・建設作業」による苦情が11,865件となっています。

廃棄物の焼却(野焼き)は有害物質を発生させ、健康に害を及ぼしたり、大気や土壌の汚染させる恐れがあります。

 

公害は私たちの生活からも発生する

このように、大規模ではなくとも公害は今現在も発生しています。

高度経済成長期における公害といえば、健康被害を及ぼすものとするものというイメージがあったかもしれません。

 

しかし現在の公害は、環境破壊を中心とする問題に変容してきています。

かつては特定の企業が原因となった公害が社会的問題となっていましたが、今起こっている公害は「私たちの生活そのもの」までもが発生原因となっているのです。

 

公害を発生させない努力は、持続可能で暮らしやすい社会の実現のためにも必要

環境問題へと発展していった公害は、病気の発症を引き起こすものが発生した時代から考えると規模や被害が小さくなったように感じるかもしれません。

しかし、公害が及ぼす環境への影響は地球規模の問題であり、人類の存続にも関わります。

 

上記でも述べたように、公害は企業が行う事業活動だけではなく、私たちの生活からも発生するもの。

ゴミを適切に処理したり、大気・水質・土壌を汚染しないように配慮して生活の中にサステナブルな工夫を取り入れてみたり、個人単位でできる行動はたくさんあります。

 

世界の一員である以上、自分の生活は地域だけではなく国や世界と繋がっています。

持続可能で暮らしやすい社会の実現が求められる今、公害を発生させないよう努力することが必要不可欠です。

 

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