地球にとってサメは木よりも重要?サメについて知っておくべき正しい知識を詳しく解説
凶暴な魚のイメージが強いサメ。実は、地球環境を守るキーマンなのです。それはいったいなぜなのか?徹底解説します。
サメは多様性の魚
このように、あらゆる角度から見ても、「サメはこうである」と言い切れない、多様性があります。
500種類もいれば、こんなにも個性豊かになる理由も、納得です。
しかし、サメは、基本的に、生まれてからは、単独行動をする魚です。
写真の、ハンマーヘッドシャーク(シュモクザメ)は、群れを作ります。
このように、群れひとつにしても、種によって異なるため、まだまだ解明されていない部分も多いのが事実です。
出典:PetPedia
Marine Diving Web(マリンダイビングウェブ)
海の中の生態系
海の中でも、陸上と同じように、食物連鎖として、生態系が守られています。
第一次生産者とは、バクテリアや、光合成をおこなって成長する、藻類や、植物プランクトンのような生物。
それらを捕食する、動物プランクトン、エビなどの、第一次消費者の生物。
さらに、イワシなどの小魚は、第二次消費者として、第一次消費者を捕食します。
その、小魚を捕食するのは、第三次消費者である、マグロやサケ、イカなどの生物です。
そして、サメは、食物連鎖の頂点、第四次消費者として、存在しています。
しかし、サメは、実は、狩りがそれほど上手ではないという説もあります。
その理由から、サメは、弱った魚を狙う、と言われるほどです。
食物連鎖は、自然の摂理です。
第一次消費者が増えすぎても、第四次消費者がいなくなっても、生態系は保たれません。
参考:PetPedia
サメは絶滅危惧種
世界には、絶滅した、もしくは、絶滅の危機に瀕した動物や植物が、数多く存在します。
IUCNレッドリストでは、絶滅危惧種とされているサメを、見ることができます。
その数は、世界で、167種のサメが、絶滅の危機に瀕していると、リストアップされています。
これは、世界全体に生息するサメ類の、31%にも及びます。
また、日本では、独自に、環境省版海洋生物レッドリスト というものを発表しています。
サメは、魚類ですので、こちらを見てみましょう。
そのなかでも、絶滅危惧種とされる、4段階105魚種のうち、サメは、9種、リストアップされています。
そして、2021年8月にオンラインで行われた、沖縄科学技術大学院大学(OIST)と、恩納村による「こども科学教室」では、次のようなことも、子供たちに伝えられています。
それは、
- 世界中にいるサメは約500種。そのうち約100種は、沖縄周辺の海で見つかっている
- 50年間で70%もサメの数が減っている
ということです。
これについては、後ほど詳しく解説します。
これらのことから、今後、サメの絶滅危機が進行していくことは、想像に難くありません。
参考:IUCN