ヴィーガンは健康的な身体をキープすることが必須のセレブや有名アスリートも多く実践していますよね。
世界的な歌手、ビヨンセがヴィーガンダイエットに挑戦し、30キロ減量したことは大きな話題を呼びました。
今回は、ヴィーガンダイエットについて解説していきます。
ヴィーガンダイエットとは何か、ヴィーガンダイエットの減量効果、行う際の注意点などをまとめてご紹介します。
ヴィーガンダイエットとは
まず、「ヴィーガンダイエット」は、ヴィーガン食のことを指します。
日本では「ダイエット」という単語は主に「減量する」という意味で使われますが、本来は「日々の食事・食べ物」を指す言葉です。
具体的にいうと、ヴィーガンダイエットとは、肉(魚、甲殻類、昆虫を含む)、乳製品、卵、はちみつなど全ての動物性食品を避け、植物性食品のみを口にする食事のことです。
参考:The Vegan Society “Definition of veganism”
(そもそもヴィーガンとは何か、ベジタリアンとの違いは何か、といったことに関してはこちらの記事を併せてご覧ください。)
ヴィーガンダイエットは健康だけではなく、環境保護や動物愛護も目的としているので、ダイエットを目的に生み出された食事のスタイルではありません。
ですが、健康上の理由でヴィーガンを実践する人は多く、実際に減量に効果があるということもわかっています。
以下、ヴィーガンダイエットの減量効果について解説していきます。
ヴィーガンダイエットの減量効果
ヴィーガンダイエットは、動物性の食品を食べるよりも摂取カロリーが低くなります。
動物性の食品はカロリーや脂質が多いため、植物性食品中心のヴィーガンダイエットに切り替えるだけで摂取カロリーを削減することが可能です。
ヴィーガンダイエットを実践している人はBMI指数が低いことも、あらゆる研究で判明しています。
2014年に行われた研究では、炭水化物が含まれていてもヴィーガンダイエットが減量に効果的であると結論づけています。
この研究ではヴィーガン、ベジタリアン、ペスクタリアン、セミ・ベジタリアン、雑食の中でもヴィーガンダイエットに最も高い減量効果が見られました。
さらに、ヴィーガンダイエットを行った人には飽和脂肪と不飽和脂肪のレベルの低下、BMI値の低下が見られたと報告しています。
参考:Vegan diet best for weight loss even with carbohydrate consumption, study finds — ScienceDaily
2019年に報告された米医療グループの研究では、ヴィーガンダイエットが体重の減少をもたらし、体重、体組成、血糖コントロールを改善する腸内微生物の増加につながったと結論づけています。
ヴィーガンダイエットに従うグループと通常通りの食事を行うグループを比較したところ、16週間ヴィーガンダイエットを続けたグループは体重が平均5.8kg減り、体脂肪は平均3.9kg減少しました。
このように、ヴィーガンダイエットは体重やBMIを減らし、健康的な身体を保つのに効果的です。
ヴィーガンダイエットの注意点
減量に効果的なヴィーガンダイエットですが、気をつけたい点もいくつかあります。
ヴィーガンダイエットの効果を最大限に得るためにも、以下の注意点に気をつけて、賢く実践しましょう。
糖質の摂りすぎに注意
ヴィーガンダイエットの減量効果を最大限に得るためには、糖質の摂りすぎに注意点しましょう。
炭水化物をとっていても減量効果が得やすいヴィーガンダイエットですが、炭水化物の取りすぎは糖質過多の原因になります。
果物もビタミンや抗酸化物質など体にとって嬉しい栄養素が多く含まれますが、糖質を多く含みます。
糖質は大事なエネルギー源ですが、摂りすぎるとエネルギーとして消化されなかった分の糖質が体脂肪として蓄えられてしまいます。
また、糖質を摂りすぎたり血糖値が急激に上昇する食事をしてしまうと、インスリンが必要以上に分泌されます。
余ったインスリンは、体に脂肪を溜め込む原因になります。
糖質の取りすぎ・血糖値の急上昇を抑える方法をいくつかまとめました。
- 血糖値が急上昇を抑える食物繊維をしっかりと摂る
食物繊維には血糖値の上昇を緩やかにする効果があります。
パンやご飯といった炭水化物に加えて、食物繊維を多く含む野菜サラダなどを一緒に食べると良いでしょう。
- 食べる順番を意識する
炭水化物など血糖値の上がりやすい食品は食事の最後に食べると血糖値の急上昇が防げます。
食事の際は、野菜や汁物などを先に食べましょう。
- GI値が低い炭水化物を取り入れてみる
血糖値の上昇がゆるやかなGI値が低い炭水化物を取り入れてみるのもおすすめです。
精製されていない茶色い穀物はGI値が低い傾向にあります。
全粒粉、オートミール、玄米、ブラン(ふすま)、そばなど、低GI食品を上手に活用しましょう。
- 糖質の少ない果実を選ぶ
ダイエット中の糖質が気になる方はいちご、グレープフルーツ、桃、ベリー類などの低糖質な果物を選ぶようにしましょう。
栄養バランスを心がける
ヴィーガンダイエットでは、動物性食品に多く含まれる栄養素が不足する傾向あります。
そのため、ヴィーガンダイエットを実践する際は栄養バランスを意識して食事を取ることが大切です。
以下、ヴィーガンダイエットで不足しがちな栄養素と、その栄養素が含まれる植物性食品です。
- ビタミンB12
栄養を強化したシリアル・植物性ミルク、海苔、しいたけ、ニュートリショナルイースト
- ビタミンD
きくらげ、まいたけ、干ししいたけ、オーツミルク
- オメガ3脂肪酸
くるみ、チアシード、フラックスシード、亜麻仁油、キャノーラ油
- カルシウム
チンゲン菜、ブロッコリー、大豆、アーモンド、オレンジ、イチジク
- 鉄分
ほうれん草、ひよこ豆、レンズ豆、豆腐、アーモンド、オートミール
不足しがちな栄養素を摂取できる食品を意識的に食べるのはもちろん、ヴィーガン向けのサプリメントを活用するのも良いでしょう。
まとめ
ヴィーガンダイエットは動物性食品を避け、植物性食品のみの食事を摂るだけで体重や脂肪を減らすことができます。
植物性食品のみの食事に置き換えるだけなので、厳しい食事制限をする必要はありません。
ですが、肉や卵などを普段取り入れている方が急にヴィーガンダイエットに移行するのは困難に感じるかもしれません。
まずは、1週間のうち何日かをヴィーガンダイエットメニューにしてみるというだけでも少しずつ体重の変化を感じられるはずです。
ご自身の続けられる範囲で、ご自身の身体と相談しながらヴィーガンダイエットを取り入れてみてはいかがでしょうか。