隠れた昆虫由来をも防ぐ、The Vegan Societyの「ヴィーガン認証」が与える消費者への影響とは
私たちは知らず知らずの内に、動物・昆虫由来のものを意図せず口にしていたり、身に纏ったりすることがあります。今回の記事では、隠された動物性食品の世界で、消費者の選択を助ける「ヴィーガン認証」について解説します。
しかし、昆虫は長い間、製品製造に使用されてきました。
シェラック(ラックカイガラムシの雌が分泌する樹脂)の使用は、果物のような意外な食品がシェラックでコーティングされていることを消費者が発見し、騒動にまで発展しました。
これは、意図せず動物性食品を摂取する原因となったもので、昆虫の利用が関係する一例です。
このように、私たちは知らず知らずの内に動物・昆虫由来のものを口にしていたり、身に纏ったりすることがあります。
そこで、今回の記事では、隠された動物性食品の世界で、ヴィーガン認証が消費者にどのような影響を与えているのかに焦点を当て、詳しく解説します。
シェラックについてはこちらの記事もご参照ください。
意外と身近な昆虫由来製品
昆虫は食品だけでなく、あらゆる産業で利用されています。
高級品とされるシルクは、シルクワームを生きたまま繭の中で煮て作られます。
コチニール色素は、コチニール虫を粉砕して作られる赤色の色素として、食品や化粧品など、身近な製品によく使用されているのを、知っていたい方は多くはないでしょう。
The Vegan Societyが最近行った調査では、39.9%もの消費者が、染料がこの虫に由来することを知らず、その事実を知った後では、今まで知らずに使っていたにもかかわらず、「(コチニール色素が使用されている製品を)避けたい」と答えたという結果が出ています。
化粧品に昆虫を含む動物性物質が使用されていることは、一般消費者が容易に識別できない長い科学用語が成分リストに含まれていることが多いため、特に懸念されています。
2021年のヴィーガン協会のヴィーガン・ビューティーレポートによると、通常使用されている化粧品やコスメ関連製品の10種類の成分のうち、動物由来の成分を正しく認識できる人はわずか2.6%に過ぎないという結果が出ています。
シルク素材のナイトキャップやパジャマも、憧れのウェディングドレスも、蚕という幼虫が蛾として羽化するために作った繭を使っています。
もちろん、繭の中にいた蚕の命はシルクを作る過程で茹でられて死んでしまいます。
コチニール色素に対する消費者の反応と同様に、知識としてはなんとなく知っていたとしても、製品の製造過程を改めて考えてみると、やっぱり昆虫由来の製品は避けたいと思う方も少なくはないでしょう。
ヴィーガントレードマークの重要性の高まり
このように、食品、化粧品、ファッションなど、アイテムに動物由来の製品や、副産物が含まれることに対する消費者の懸念から、2021年の調査では、77%の消費者が第三者のヴィーガン認証が重要であると考えていることがわかりました。
ヴィーガンの方のみを対象にした調査では、ヴィーガン認証が重要であると考える割合は94%に上りました。
これは、ヴィーガン製品が消費者の目に留まるためには、信頼できる明確な表示がいかに重要であるかを示していると言えるでしょう。
ヴィーガン・トレードマークは、製品表示をより明確にするために1990年に設立されました。
現在では、65,000以上の製品が登録され、動物性原料や動物実験を行わない製品の認証として世界的に認知されています。
ヴィーガン協会では、「動物」という言葉をすべての脊椎動物と多細胞無脊椎動物を指すと定義しているため、ヴィーガントレードマークに登録された製品は、その製造工程のいかなる部分においても昆虫を含まないことになります。
倫理的な製品への要求が高まる今日Vegan Trademark(ヴィーガントレードマーク)は、品質と保証の明確でわかりやすいシンボルを提供しています。