隠れた昆虫由来をも防ぐ、The Vegan Societyの「ヴィーガン認証」が与える消費者への影響とは

私たちは知らず知らずの内に、動物・昆虫由来のものを意図せず口にしていたり、身に纏ったりすることがあります。今回の記事では、隠された動物性食品の世界で、消費者の選択を助ける「ヴィーガン認証」について解説します。

The Vegan Societyとは?
ヴィーガン認証の背景には、世界初のヴィーガン団体であるVegan Society(ヴィーガン・ソサエティー)という慈善団体があります。
1944年に設立されたイギリスの非営利団体、ヴィーガン・ソサエティー創設者のドナルド・ワトソンが初めて「ヴィーガン」という言葉を作りました。
それ以来、彼らは世界中で基準を設定し続けています。
この慈善団体は、ヴィーガニズムを次のように定義しています。
「食用、衣料用、その他の目的での動物の搾取や残虐行為を可能な限り排除しようとする哲学と生活様式であり、ひいては動物、人間、環境のために、動物を使わない代替手段の開発と利用を促進する。
食生活の面では、動物に由来するすべての製品、またはその一部を排除することを意味します。」
Vegan SocietyのCEOであるSteve Hamon(スティーブ・ハモン)氏は、次のように話しています。
「1944年のヴィーガン協会の設立以来、私たちのビジョンは、人間が他の動物から搾取されることのない世界を実現することでした。
私たちは長年にわたってその姿勢を崩しておらず、このビジョンは今日も協会の目標に不可欠なものです。」
「ヴィーガン協会の歴史を通じて、私たちは、動物や人間の苦しみ、環境破壊を減らすために、ヴィーガニズムを身近で広く認知されたアプローチにすることを目標としてきました。
私たちは、これを達成するための活動を誇りに思っています。
そして、これらの目的は、私たちの継続的なキャンペーン活動から詳細な商標基準に至るまで、本協会のあらゆる分野に反映されていると考えています。」
ヴィーガントレードマークが消費者に与える影響
消費者として、商品の原材料や生産する企業について知ることはとても大切です。
しかし、日々忙しい中で買い物の際に毎回チェックしたり、企業について調べる時間はなかなか取ることができません。
そこで、ヴィーガントレードマークが表示されている製品には、隠れた動物性原料が一切含まれていないことを一目で知ることができるので、安心して購入することができます。
一つ一つの商品の原材料や成分を目を凝らしてチェックする必要はありません。
ヴィーガン・ソサエティーが、認証を与えるにあたって設けた厳しい基準は、製品が動物由来の成分や副産物を含まないこと、製造過程で動物実験が行われていないこと、そしてコンタミネーションなどの二次汚染の排除プロセスが実施されていることを保証するものです。
製品を認証することで、企業はヴィーガン活動へのコミットメントを示し、ヴィーガニズムの価値観と原則を理解していることを証明することができます。

© The Vegan Society
この認証が普及するほど、近頃問題になっているグリーンウォッシュやブルーウォッシュに代表される、環境や人権への配慮を見せかけた商品を見破りやすくなります。
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ヴィーガン認証を取得することは、競合他社に差をつけるだけでなく、ヴィーガンの消費者との信頼関係を築くことにもつながるのです。
また、ヴィーガン・トレードマークを取得することで得られる信頼と認知に加え、同じ考えを持つ企業のコミュニティの一員となることも、企業の利益となります。
The Vegan Societyは、認証を取得した企業や団体にサポートとガイダンスを提供し、世界中で増え続けるヴィーガンへの製品の普及を継続的に支援していくと述べています。
まとめ

© The Vegan Society
いつも使っているコスメやヘアケア用品、服には思いもよらないような動物・昆虫由来の成分が入っていることがあります。
ヴィーガン認証は、ヴィーガンの方のライフスタイルをサポートするだけではなく、意図せずに動物・昆虫由来の成分を食べたり着たりすることを防いでくれます。
日本のヴィーガン認証はまだ知名度が少しずつ高まっている過程ですので、コンタミネーションに関しては明記を義務付けるなどの条件を設けて認証を許可するなど、企業がヴィーガン市場に比較的参入しやすいようになっているようです。
ヴィーガン認証について知り、お買い物に取り入れることで、スマートコンシューマーとして自分にも地球にもやさしい選択ができるようになるでしょう。
ぜひ、身近なヴィーガン認証に注目してみてくださいね。
参考記事はこちら
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