白砂糖がヴィーガンではない理由と、おすすめのヴィーガン砂糖をご紹介
ヴィーガンがサトウキビから作られている白砂糖を避けるその理由とは?おすすめのヴィーガン対応砂糖もご紹介します。
「ヴィーガンの方は白砂糖を避ける」と聞いたことがありますでしょうか?
スーパーマーケットなどで見かける白砂糖の多くはサトウキビからできています。
「サトウキビは植物だから、白砂糖はOKなのでは?」
と、思われる方も多くいらっしゃいます。
この記事では、ヴィーガンが白砂糖を避ける、その理由について解説。また、白砂糖の代わりに多くのヴィーガンが使っている、ヘルシーでオススメの砂糖もご紹介しています。
目次
ヴィーガンが白砂糖を避ける理由
ヴィーガンが白砂糖を避ける理由として、
「健康に悪い」
「体が冷える」
など、様々な理由があります。
しかし、ヴィーガンが白砂糖を避ける一般的な理由は、
白砂糖の精製過程で、「骨炭(牛骨炭)」という畜産動物の骨が使われているからです。
「骨炭(こつたん)」とは、牛の骨を高温で蒸し焼きにし、炭化させて作った炭のことです。サトウキビが悪いのではなく、「砂糖の精製過程」に注目しているのです。
ヴィーガンとは、簡潔に説明すると、動物性食品を一切口にしない「完全菜食主義者」のことです。
人によって持っているポリシーや信念は様々ですが、一般的には、
・肉、魚、卵、乳製品はNG
・動物性の脂、動物の骨からとった出汁はNG
などといったことを、多くのヴィーガンは大事にしており、動物由来の食べ物を避けています。
このことから、白砂糖は精製過程で動物の骨が使われているので、ヴィーガンを実践している人からすると、白砂糖はできるだけ避けたい食べ物なのです。
余談ですが、「エシカルヴィーガン」を実践している人は、食べ物だけでなく、身の回りの製品からも、できるだけ動物由来のものを避けるようにしています。例えば、レザー、毛皮などといった、動物製品がこれに該当します。
砂糖の製造方法
実際に、砂糖の精製過程を確認してみましょう。骨炭は、どの段階で使われているのでしょうか。
サトウキビから砂糖を作る場合(第一段階)
- サトウキビを収穫
- サトウキビを細かく切り砕む
→サトウキビの汁を絞り出す - 石灰乳を加えて加熱
→不純物を凝固させ、沈殿させる - 上澄み(清浄液)を煮詰める
- 真空結晶缶と呼ばれる装置の中で結晶を作る
- 遠心分離機にかけて結晶(原料糖)を取り出す
サトウキビから砂糖を作る場合(第二段階)
- 原料糖の結晶表面を糖蜜で洗浄
- 遠心分離機にかけて振り分ける
- 振り分けた結晶をお湯に溶かす
- 石灰水を加え、さらに不純物を取り除く
- 沈殿物をろ過して糖液を搾り出す
- 糖液の色素を取り除く
- 遠心分離機にかける
→結晶と糖液の混合物から砂糖の結晶を取り出す
引用:独立行政法人 農畜産業振興機構|白い砂糖の真実、そして三温糖との関係
この手順の中の、ろ過・色素を脱色する工程で、動物の骨からできた「骨炭」が「脱色脱灰剤」として利用されています。骨炭は、多孔質(穴が多くある)のため、脱色機能・脱不純物機能があります。
近年は、動物の骨から作られていない「イオン交換樹脂」や「活性炭」が使われるところもあります。
引用:Wikipedia|骨炭
ヴィーガンにオススメの砂糖
今の日本では、まだまだヴィーガン向けの砂糖を探すのはとても難しいところがあります。ここでは、日本でも手に入れやすい砂糖をご紹介します。
未精製ブラウンシュガー
ブラウンシュガーとは、一般的には茶色い砂糖全般を指して言います。黒糖などがそうです。
「未精製のブラウンシュガー」は、ミネラルを多く含んでおり、濃厚な甘みがあります。コクがあって風味も豊かです。
スーパーマーケットで、茶色の砂糖を見かけたら、まず「未精製(unrefined suger)」の表記があるかどうか確認しましょう。精製されたブラウンシュガーは、骨炭が使われている可能性があります。
てんさい糖
「てんさい糖」の原料は、その名の通りてん菜です。てんさい糖は精製過程で骨炭を使用しませんが、ブラウンシュガーと同じように、購入する際は「未精製」のものかどうか確認しましょう。
てんさい糖は、普通の砂糖と比べるとお値段が高いです。しかし、その分、健康に良いという点があります。
てんさい糖に含まれるオリゴ糖は、腸内環境を整えてくれ、血糖値の上昇も緩やかなのでダイエット向きでもあります。
黒砂糖・黒糖
「黒砂糖」や「黒糖」は、サトウキビの絞り汁を煮詰めて作る黒褐色の砂糖です。濃厚な甘さと強い風味があるので、一般的には甘味料として使われることが多いと思います。
また、黒砂糖には豊富なミネラル成分の他、白砂糖の約240倍ものカルシウムが含まれています。女性は特に、カルシウム不足による骨粗しょう症の予防として、食生活の中に取り入れてみてはいかがでしょうか。
ココナッツシュガー
「ココナッツシュガー」は、砂糖よりも「GI値」がとても低い砂糖です。
GI値とは、「グリセミック・インデックス(Glycemic Index)」の略称です。この値は、
食べ物が人体に入る→ブドウ糖に変わる→血糖値を上昇させる
この一連の流れのスピードを測定して、数値化したものです。この数値が0に近いほど、血糖値の上昇は低いです。
また、ココナッツシュガーには、便秘予防・解消に効果がある「イヌリン」や「ミネラル」が豊富に含まれており、とてもヘルシーな砂糖と言えます。
メープルシロップ・メープルシュガー
「メープルシロップ」は、サトウカエデなどの樹液から作られた甘味料です。固体状に濃縮されたものは「メープルシュガー」と呼ばれています。
メープルシロップやメープルシュガーには、ミネラルやビタミンがバランスよく含まれています。白砂糖と比べるとカロリーも低い(100gあたり257kcal)です。お菓子作りをする時に、白砂糖の代わりとして使ってもいいですね。
注意が必要な砂糖
茶色い砂糖は、未精製の砂糖のように思えます。しかし、実は骨炭を使用している場合があります。ここでは、よく見かける砂糖で、特に注意するべき砂糖についてご紹介します。
精製された茶色い砂糖
精製されたブラウンシュガーは、白砂糖に茶色の着色・香味づけ(糖蜜)したものです。しかし、「未精製」の表記があるものでしたら問題はありません。
また、骨炭を「天然木炭」などのように、一見すると骨炭を使っていないような表記をしている企業もあります。ブラウンシュガーを使用する場合は、その表記が何を指しているのか確認しましょう。
以下の砂糖は、精製中に骨炭が使用されている可能性があります。
・再生黒糖、加工黒糖
・きび砂糖
骨炭使用の可能性のある砂糖を混ぜて販売している
より甘さを引き出すために、一部の企業では、骨炭使用の可能性があるサトウキビ由来の砂糖(甜菜糖や甘藷糖など)を混ぜて販売しているところもあるようです。
骨灰が使用されていないヴィーガンの砂糖を探す方法
骨灰が使用されていない砂糖を探すシンプルな方法として、スーパーマーケットなどで購入する場合は、
① まず、白砂糖を避ける
② 茶色の砂糖に「未精製」の表記があるか確認
ということができると思います。
次に、ネットで購入する場合は「ヴィーガン 砂糖」「未精製 砂糖」のようなワードを使って検索するといいでしょう。
ヴィーガン砂糖の購入はこちら(Amazon)
まとめ|自分が今できることから始めてみるのが大切
骨炭が精製途中で使われた砂糖は、多くの加工品に使われています。「完璧に避ける」というのは、まだまだ今の日本では難しい部分があります。
まずは、「白砂糖は、動物の骨が精製過程で使用されている場合ある」ということを知ることが第一歩です。
そして、この記事でご紹介したような「砂糖の代替となる甘味料」を使ってみるなど、自分が今できることから始めてみてはいかがでしょうか。