【オーストラリア】スタートアップ企業Arkeonが二酸化炭素をヴィーガンタンパク質に変える革新的技術を開発
世界各国で革新技術を用い、温暖化ガスの一つである二酸化炭素と微生物を培養して作られる代替プロテインが世界で注目を集めています。オーストラリアスタートアップ企業をArkeonを通し、新たなヴィーガン代替プロテインを紹介します。
他にも、私たちが直面している問題として、世界人口増加に伴う食糧危機問題もあります。
気候危機を引き起こしている温室効果ガスを利用して、食品を生産できるとしたら素晴らしいですよね。
世界のイノベーター達は、この二つの問題を解決するために、さまざまな技術を開発しようと試みています。
そのようなイノベーターの一つ、大気中に含まれる温暖化ガスの一つ、二酸化炭素を代替プロテインに変えるという、未来に希望をもたらす革新技術を開発した、オーストラリアスタートアップ企業Arkeon(アーケオン)を紹介します。
スタートアップ企業Arkeon
気候危機が猛威を振るう中、イノベーター達は、増加する人口を地球が確実に支えられるように、食料を生産する新しい方法を開発しています。
Arkeonは、二酸化炭素を利用して、さまざまな持続可能な食品用途に使用できる、タンパク質成分に変換する方法を考え出した、オーストリアのスタートアップ企業です。
世界人口は2050年までに、100億人に達すると予測されています。
Arkeonの共同設立者兼CEOであるTegl(テグル)博士は、世界を養う方法を見つけることは人類にとって最大の課題の 1 つとなり、現在の食料生産方法、特に肉の生産方法は持続可能ではないことが明らかになっていると述べています。
植物性たんぱく質も同様に、植物性たんぱく質を作る原料となる、エンドウ豆や大豆などを生産するにも、多くの土地、エネルギー、水が必要です。
海底火山の微生物からプロテイン
Arkeonは、二酸化炭素の排出量よりも吸収・除去量のほうが多い状態、カーボンネガティブな代替タンパク質の、機能性成分に変換するコードの解読に成功。
では、どのようにして二酸化炭素を持続可能なタンパク質に変えるのでしょうか?
10年にわたる基礎研究に基づいて構築された、Arkeonの特許取得済みのプロセスは、すべての生物の微生物の集合体の一部である、回復力の高い単細胞微生物である古細菌を中心に展開しています。
この微生物は、栄養分がほとんどない高圧高温環境、海底火山、で見つかった極小の微生物です。
この微生物は二酸化炭素を食べ、温室効果ガスを、人間の栄養に必要な20種類のタンパク質構成アミノ酸すべてを含む、栄養価の高いタンパク質に変換します。
汚染からヴィーガンプロテインを作る
Arkeonのワンステップ発酵バイオプログレスは、タンパク質を生産するための効率的な方法です。
農業における従来のタンパク質生産と比較して、同社の技術は土地面積の1%、水は0.01% しか必要としません。
そして、アミノ酸1kgにつき、1.5kgのCO2が消費されます。
Arkeon 独自の技術は、たった1回の発酵で、タンパク質のすべてのビルディングブロックを、自然に生成する古細菌微生物を活用。
この技術により、従来の農業のように土地や動物、気候に依存せず、将来の食糧供給を確保するためのアミノ酸を生産することを可能にします。
ワンステップ発酵バイオプログレス
同社の技術は、二酸化炭素を食品産業向けのアミノ酸と機能性ペプチドに直接変換し、まったく新しい食品の世界を可能にします
このスタートアップ企業は、機能性タンパク質で2つの主要な市場、植物ベースの食品市場と世界の機能性食品市場をターゲットにしています。
この市場は、子供用、高齢者用、スポーツ栄養などの分野を含み、2030年まで2,850億ドルに達すると予測されています。