脱ブレグジットチェック、コスト削減のためにヴィーガンに転向したアメリカの製菓会社

脱ブレグジットチェック、コスト削減のためにヴィーガンに転向したアメリカの製菓会社

ブレグジット後の輸出規制により高額なコスト負担を強いられていた製菓材料会社が、解決策としてヴィーガンに転向する道を選びました。ブレグジットが企業に及ぼしている影響と副次的な効果についてご紹介します。

ハッピーキヌア編集部
2023年02月17日
脱ブレグジットチェック、コスト削減のためにヴィーガンに転向したアメリカの製菓会社
2020年2月のブレグジット(イギリスEU離脱)は、世界中の注目を集め、世界の歴史に名を残す大きな出来事となりました。

世界的なパンデミックが猛威を振るう最中での、政治的・経済的に大きな影響を与える決断であったこともあり、記憶に新しい方も多いでしょう。

 

その激論と白熱に満ちた投票が行われたブレグジット後、多くの経済活動に影響が出ています。

アメリカ・テキサス州のダラスに本拠地を置く製菓材料メーカーのPecan Deluxe Candy(ピーカン・デラックス・キャンディー)社もまた、イギリスでの事業にかかるコスト負担に頭を抱えていました。

 

ブレグジットにより、イギリスからEUへの動物性由来食品の輸出には、獣医師による証明の取得や他の必要書類の作成など、事務手続きにかかる時間も費用も増えました。

その結果、動物由来食品をイギリスに輸出する多くの企業において、事業を行う上でのコストが大きな負担になっています。

 

ピーカン・デラックス・キャンディーの場合、これまでにこの手続きのために10万ポンド(約1600万円)以上のコスト負担を追加で余儀なくされ、この大きな負担に悩まされていました。

イギリスの新しい輸出規制では、動物性食品の輸出者は獣医証明書やその他の高価な書類を提出する必要があるだけではなく、規則の解釈によっては、国境管理当局が配送を停止し、返品や廃棄をさせる可能性もあります。

Pecan Deluxe Candy

そこで同社が選んだ解決策が、ヴィーガンに転向することです。

 

ブレグジット後、同社のイギリスにおける事業の売上高全体に占める、主要なマーケットであるEU向け輸出の割合は、84%から55%に落ち込みました。

同社はこれを受けて原材料から製品を見直し、イギリス北部の村、シャーバーンインエルメット工場での乳製品使用を昨年10月に停止しました。

 

つまり、ケーキのトッピングやクッキー生地などの甘いお菓子を食品ブランドに提供しているアメリカ資本の企業が、バターや卵といった動物由来の乳製品の扱いをやめ、EUの国境での検査が不要なプラントベースの代替品を採用したということになります。

 

ヴィーガンに対応した新しい製造法

Pecan Deluxe Candy

ブレグジット後に課せられていた事務手続きは、過去数年間で10万ポンド(約1600万円)以上のコストになっていました。
ヴィーガンに転向したことで原材料や製造工程も変えなければならなかったものの、新しいレシピはそのコストを大幅に削減しました。

 

獣医に来てもらってサインをもらう必要がなくなり、ヨーロッパの顧客へのサプライチェーンが非常にスムーズになりました」。

テキサス州ダラスに本社を置き、タイにも工場を持つ家族経営のピーカン・デラックス・キャンディは、世界中で600人のスタッフを抱え、ブラウニー、ケーキ、ペストリーなどのデザートの主要材料を製造しています。

 

ピーカン・デラックス・キャンディ・ヨーロッパのグラハム・キングストン社長は、「動物性食品の輸出業者に余儀なくされた手続きは、企業にコストと時間を押し付け、サプライチェーンにさらなる負担を強いている。」と主張します。

しかし、「ヴィーガン食品にはそのような規制はない。そのため、より安く、より効率的に輸送することができる。また、ヴィーガニズムを筆頭に、現在流行している多くのトレンドに当たります。」とヴィーガンに転向することのメリットを語りました。

 

ブレグジットがヴィーガンを推進?

Image by Pete Linforth from Pixabay

ピーカン・デラックス・キャンディー社のように、ブレグジットにより課せられた事務手続きは、多くの輸出業者にとって大きなダメージとなっています。

そのため、苦境にある輸出業者を支援するよう、イギリス政府への働きかけや、再びEUに戻るように求める動きが見られています。

 

しかし、イギリス政府の対応を待っていられない企業は、この状況に適応する準備を進めています。

動物由来の原料を使わない、つまりヴィーガンに転向すれば、煩雑でコストのかかる検査や事務手続きからも解放されます。

 

それだけではなく、増加し続けるプラントベースやヴィーガンのニーズに応えるという面で、ビジネスの戦略的にも合理的です。

コストも削減してマーケットのトレンドも押さえるという、結果として一挙両得の結果になる可能性が高いのです。

 

ブレグジットは副次的な結果として、ヴィーガンに転向する企業が得する状況を生み出し、この状況が続けばより多くの企業がヴィーガンへの転向を選択肢に入れる可能性を秘めています。

採択前から世界中の注目と賛否両論の議論が未だに白熱しているブレグジットですが、ブレグジットは予期せずプラントベースのサステナブルな経済活動を促していることに繋がっていると考えられます。

 

まとめ

Pecan Deluxe Candy

ブレグジットによりコスト負担を強いられている輸出業者が選んだヴィーガンへの道。

思いもよらないブレグジットの副次的な効果をご紹介しました。

 

ピーカン・デラックス・キャンディーに続き、企業全体もしくは一部の事業をヴィーガンに転向する会社が今後も増えていくのか、これからも関心が集まります。

 

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