ブラッド・ダイヤモンドとは?私たちの生活に深く関わる「紛争鉱物問題」を徹底解説
鉱物採掘の強制労働、性被害、内戦などを引き起こす、紛争鉱物問題は遠い国の問題ではなく、私たちの生活にも深く関わりを持っています。止まるところを知らない、鉱物紛争について解説します。
現在では、3TGやダイヤモンドなど、紛争地域で取れる鉱物資源を指します。
ベルギーを拠点とするNGO団体、国際平和情報サービス(International Peace Information Service:IPIS)と国連の調査によると、ハイテク製品に使用されている、鉱物資源が暴力的な紛争を引き起こしていることが示唆されました。
ブラッド・ダイヤモンド:血塗られたダイヤモンド
ダイヤモンドを巡る内戦を描いて話題となった、2006年に公開されたレオナルド・ディカプリオ主演の映画、ブラッド・ダイヤモンド(Blood Diamond)を覚えている方も多いと思います。
紛争鉱物として最初に知られた鉱物は、ダイヤモンドです。
血塗られたダイヤモンドが、アンゴラ、コンゴなどのアフリカ諸国で起こっていることが、知られ始めたのは1990年代。
内戦が起こっているこれらの国々では、ダイヤモンドで得た資金を武器調達に充てるため内戦が長期化。
しかも、ダイヤモンド採掘者に対する非人道的な扱いなども、深刻な問題となりました。
これらの問題を解決しようと、2005年に、ダイヤモンドを紛争のために売買する場を低減し、世界から血塗られたダイヤモンドをなくすために制定されたのが、キンバリープロセスです。
新たな鉱物紛争
新たな紛争鉱物は、2000年代の変わり目に、携帯電話、ゲーム機器そしてコンピューター製品に必要な鉱物タンタルが、世界的な需要が前例のないほど増加したときに起こりました。
紛争鉱物問題は、私たちが思っているよりも深刻であることを、私たちは知る必要があります。
1960年に独立したコンゴ共和国は、3TGを含む豊富な鉱物資源を持っています。
コンゴ共和国では、独立した直後から常に内戦が起こっており、不安定な政治状況が続いています。
ユニセフの報告によると、コンゴ共和国は豊富な鉱物制限があるにもかかわらず、内戦の長期化のため、世界で最も貧しい国の一つに数えられています。
2016年、コンゴ東部でのゴールド ラッシュにより、3,800万ドルの金を得たにも関わらずにです。
紛争鉱物における人道問題
紛争が起こっている国々では、ダイヤモンドそして3TGで得た資金を、武器調達に充てるため内戦が長期化。
紛争鉱物は内戦の長期化だけではなく、紛争が起きている諸国でさまざまな問題をもたらしています。
内戦の長期化による難民の増加、食料不足、そして、公衆管理と医療崩壊による病気の蔓延。
さらに、鉱物資源採掘のため労働者の奴隷化、女性に対する性暴力、そして老若男女問わずに対する暴力虐殺などが、日常的に行われているのが現状です。
これらの非人道的行為は、紛争の一手段として組織的に行われています。