近年世界中で人気が出てきているCBDオイル、一度は聞いたことがあるという方も多いのではないでしょうか?
アメリカやヨーロッパではかなり浸透しているものの、まだまだ日本ではメジャーでなく、どのように使ったらいいのかわからないと、いった声もよく聞きます。
そういった疑問を解決すべく、今回はエビデンスなどに基づいた医師監修を踏まえ、CBDオイルの効果や使い方を徹底解説していきます。
はじめに、CBDオイルとは?
まず初めに、CBDオイルとは、大麻草からカンナビジオール(CBD)と呼ばれる成分を摘出し、オイルと混ぜて作られたものを指します。
大麻と効くと大丈夫?と思われる方もいらっしゃるかもしれませんが、カンナビジオール(CBD)には、精神活性作用(THCというハイになる成分)が含まれていないことから、CBD商品は合法とされています。
このTHCが含まれていないことが、販売されているCBD商品の絶対条件になっており、市場で販売されている商品は、すべて厳しい検査・承認を受けて発売されています。
カンナビジオールには、リラックス効果が含まれ、自律神経を整える手助けの効果が期待されます。
CBDの効果は?医学的には大丈夫?
次に、CBDの効果を医学的観点を踏まえ、日頃ハッピーキヌアの医師監修記事をまとめてくださっている、Dr. Amanoに聞いてみました。海外レファレンスを纏めてくださっています。
Dr. Amanoのプロフィール
天野 方一
医師/公衆衛生学修士(MPH)/博士(公衆衛生学)
帝京大学大学院公衆衛生学研究科非常勤講師、帝京大学ちば総合医療センター第三内科(腎臓内科)非常勤医師、ルサンククリニック非常勤医師、2018年9月よりハーバード大学公衆衛生大学院に留学。予防医療に特化したメディカルクリニック、及び複数企業の嘱託産業医としても勤務。
資格
認定内科医、腎臓専門医、抗加齢医学専門医、日本医師会認定産業医、公衆衛生学修士(MPH)、博士(公衆衛生学)
天野医師監修のハッピーキヌアの記事はこちらから。
CBDの効果としては、以下のことが分かっています。
- 小児のてんかん疾患(アメリカの食品医薬品局FDAが治療薬として認めている)
- 不安症、不眠症、関節の痛みの軽減(動物実験、経皮的)
- 抗炎症作用があり、肌や髪の毛にも有効(ニキビ跡、乾燥、痒みなどに効果あり)
レファレンス:Cannabidiol (CBD)-what we know and what we don’t
逆に以下のような副作用がある可能性も指摘されています。
- 嘔気、食欲不振、胃腸障害など
また、387人の現在または過去にCBD商品を使った人に対して行われたオンライン調査によると、回答者の多くはCBDの使用によりストレス、不安、不眠に対して効果があると返答していることがわかっています。
レファレンス:. Reasons for cannabidiol use: a cross-sectional study of CBD users, focusing on self-perceived stress, anxiety, and sleep problems. J Cannabis Res. 2021 Feb 18;3(1):5.
同論文によると、CBDを使う目的のトップ4は、不安(42.6%)、睡眠障害(42.5%)、ストレス(37%)、および一般的な健康と幸福(37%) であることがわかっています。
不安を取り除く効果があるとされる論文も
また、2019年にアメリカで開業医の協力で、不安や不眠の症状を訴える72人(47人が不安を訴え、25人が不眠を訴えている)の成人に対して、CBDの効果がどれほどあるかを調べる臨床研究が行われました。
その中では、1ヶ月後の短い期間の間で、不安症状は79%の人が、不眠症状は67%の人が改善したと報告されています。
CBDはセロトニンの分泌を促します。セロトニンは脳内の神経伝達物質のひとつで、ドパミン・ノルアドレナリンを制御し精神を安定させる働きがあります。
セロトニンが低下すると、これら2つのコントロールが不安定になりバランスを崩すことで、攻撃性が高まったり、不安やうつ・パニック症(パニック障害)などの精神症状を引き起こすといわれています。
レファレンス:Cannabidiol in Anxiety and Sleep: A Large Case Series. Perm J. 2019;23:18-041.
タバコの本数が減ったデータも
2013年イギリスにある世界屈指の名門校ユニヴァーシティ・カレッジ・ロンドン(UCL)で行われた、CBDとプラセボを使い、タバコの量について変化があるのかを調べる研究が行われました。
そこでは、24人の喫煙習慣のある治験者を二手に分けて、それぞれにプラセボとCBDを与えます。
CBDを与えた群においてタバコの本数が40%減った結果が出ました。 タバコは通常、含まれるニコチンが脳内のニコチン受容体に作用し、ドーパミンが分泌されます。そして、ドーパミン分泌され快感を得て、そのために依存症になる、というものです。
脳内の神経伝達物質の調節にエンドカンナビノイド・システムが関与しているとされますが、CBDはエンドカンナビノイド・システムを調整し、その過程で、ドーパミンをはじめとした様々な神経伝達物質を自発的に調節できるため、タバコ依存が減る可能性がある、というものです。
レファレンス:Cannabidiol reduces cigarette consumption in tobacco smokers: preliminary findings. Addict Behav. 2013 Sep;38(9):2433-6.
さて、ここまでCBDの効果について見ていきました。
おすすめの摂取方法
CBDは、基本的に単独で摂取したほうが良いかもしれません。経口摂取時などの場合(これは、CBDに限ったことではなく、どの食品においてもそうですが、吸収や代謝の観点からとのこと)。そのため、水などに垂らす摂取も良いと思いますが、基本的には混ぜすぎない方がいいと思います。
もちろん食品として販売されてるものだけでなく、バームなどの塗るものや、肌につけることをメインと想定している商品もありますが、一般的な食品として一つ参考にしてみて下さい。
いかがでしたでしょうか。海外では既にたくさんのエビデンスが出ていることがわかりました。他の天野医師監修の記事はこちらから。
また、ヘンプ・CBDオイルの他の記事については、こちらもご参考ください。