人気のタンパク質が身体を蝕んでいる?健康のために必ず知っておきたい、驚くべき「鶏肉の真実」とは
脂肪が少なくカロリーが控えめ、さらに良質なタンパク質を含む鶏肉は、ヘルシーといわれています。しかしリスクもあることは見逃せません。
日本で鶏を食べる習慣が全国に広がっていったのは江戸時代。
今では1人当たりの年間消費量は12.6キログラムと、豚肉の12.2キログラム、牛肉の5.8キログラムを上回っています。※[i]
他の肉より良く食べられていて健康的というイメージがある鶏肉ですが、それは真実なのでしょうか?
鶏肉の栄養
鶏肉の栄養は部位によって異なりますが、皮がなければ牛肉や豚肉よりもカロリーや脂肪が少なくヘルシーと言えるでしょう。
また、タンパク質も豊富に含まれており、目や皮膚の粘膜を健康に保つ働きのあるビタミンAも豊富に含まれています。
■鶏肉の栄養–~牛肉・豚肉との比較~
(可食部100g当たりに含まれる成分)
食品 | エネルギー
(kcal) |
タンパク質
(g) |
脂質
(g) |
コレステロール(mg) | ビタミンA
(μg) |
鶏むね(皮なし) | 113 | 24.4 | 1.9 | 77 | 50 |
鶏もも(皮なし) | 128 | 22.0 | 4.8 | 77 | 17 |
鶏ささみ | 107 | 24.6 | 1.1 | 52 | 9 |
和牛肉肩ロース赤身 | 293 | 16.5 | 26.1 | 84 | 3 |
豚肩ロース赤肉 | 146 | 19.7 | 7.8 | 68 | 4 |
さらに、鶏肉はタンパク質を豊富に含んでいます。
タンパク質を摂ると、筋肉量を増やして代謝を促し、脂肪を燃焼しやすい体に変えてくれます。そのため、ダイエット中でも強い味方になってくれる食材です。
また、人が体内で作ることのできない栄養素「必須アミノ酸」を含んでいるのも大きな特徴です。
鶏肉は、アミノ酸スコアの最高数値100を達成していることから、良質のタンパク質といわれています。
この必須アミノ酸を摂取すると筋力を維持・増量できるため、健康に良いと考えられています。
鶏肉のリスク
タンパク質や必須アミノ酸が含まれている鶏肉ですが、健康に良いことばかりではないようです。
「鶏肉の真実」を研究などからひも解いていきましょう。
コレステロール値を上げる
アメリカ臨床栄養学会誌(The American Journal of Clinical Nutrition)によると、牛肉や豚肉などの赤身肉だけでなく、鶏肉などの白身肉を食べても、悪玉コレステロール値(LDLコレステロール)が上昇すると報告しています。
これまで赤身肉は、心筋梗塞や狭心症などの心血管疾患のリスクを高めるといわれてきました。
しかしこの報告によると、コレステロール値を高めるのは白身肉でも同じで、赤身肉との有意差はありません。
赤身肉の代わりに白身肉を選ぶ理由はないとしています。※[ii]
発がん物質が形成される場合がある
肉を焼いたときに形成されるPhIPという物質が、発がんの一因になるという研究があります。
この実験は、アメリカの人気チェーンレストランのグリルチキンから100ものサンプルを集めて行われました。
その結果、すべてのサンプルでPhIPが発見されたと言います。
発がん物質は、乳がんや前立腺がん、その他のがんに関連するといわれており、焼いた肉を避けることで、がんのリスクを減らすことができるとしています。※[iii]
食中毒を引き起こす場合がある
鶏や豚の腸内には、カンピロバクターやサルモネラなどの食中毒菌を持っていることがあります。
この毒菌は加工する際、肉の表面に汚染され、生や生焼けの状態で体内に入ると、食中毒を起こすことがあるので危険です。
食中毒になると、下痢や腹痛のほか、肝機能障害や意識障害を引き起こす場合があります。そのため鶏肉を調理する際は、よく加熱調理して毒菌を死滅させることが必要です。※[iv]