実はカメラや楽器にも?ゼラチンの原料と用途、ヴィーガン生活との関連を解説
ゼリーやグミなど、凝固剤として使われているゼラチンですが、実は動物由来の成分からできていることを、みなさんはご存じでしょうか?ゼラチンの用途や成分について、詳細を解説します。
楽器の接着に欠かせないゼラチン「ニカワ」とは
ゼラチンは、純度や製造方法によって、グレードや名称が異なります。
食用よりも純度の低いゼラチンは「ニカワ」とよばれ、古くから、バイオリンなどの弦楽器の接着剤として使われてきました。
天然由来の接着剤、ニカワには、熱を加えた際、水分を吸収して液体状に変化するという特徴があります。
弦楽器の音が悪くなったり、壊れてしまった場合には、熱い水蒸気をあてて楽器を部分的に剥がし、修理した後に改めて張り直すなど、ニカワは楽器の修理には欠かせません。
さらに、温度や湿度で左右される木材の動きと連動して、音の伝達を良くする働きもあるニカワは、とくにバイオリンなどの弦楽器にとって、相性の良い接着剤なのです。
写真用フィルムに欠かせないゼラチン
工業用のゼラチンは、写真用ゼラチンとして、フィルムや印画紙の乳剤にも使用されています。
溶かしたゼラチンに臭化カリウム溶液などを加え、暗室内で撹拌(かくはん)して乳白色になった液にフィルムの材料を塗って乾燥させたものが、写真用フィルムや印画紙になります。
日本製のカメラは高性能で世界で認められていますが、それに並び、写真用ゼラチンの製造技術も、世界一ともいわれています。
現在、デジタルカメラの普及によって、写真用ゼラチンの需要は以前よりだいぶ少なくなってきてはいますが、今後も、さらなる技術開発や研究が進められていくことでしょう。
ヴィーガン生活にオススメするゼラチンの代用品
牛や豚、魚の骨や皮などのコラーゲンから抽出されたゼラチンは、動物由来の成分です。
卵や乳製品を含む動物由来の食品を一切摂取しないヴィーガンの方にとって、ゼラチンはできるだけ避けたい食材といえるのではないでしょうか。
とはいえ、身の回りにあるたくさんの食用品や日用品にゼラチンが含まれていることを考えると、ゼラチンを避けることは、なかなか難しいのかもしれません。
しかし、日本には、食用ゼラチンの代用品になる海藻由来の成分「寒天」があります。
戦前の日本では、長い間、寒天が食物の凝固剤として使用されてきた背景もあり、特に伝統的な日本食や和菓子には、ゼラチンの代わりに寒天が利用されていることも多いのです。
他にも、ゼラチンの代わりになる凝固剤として、海藻成分から作られたアガーや、果物由来のペクチンなども挙げられます。
ヴィーガンやベジタリアンの方は、ゼラチンの代わりになる植物由来の凝固剤を、うまく使ってみてください。
まとめ
ゼラチンは、動物由来の骨や皮などのコラーゲンから抽出されたゲル状の成分です。
食品や医療、工業、写真用と、実に幅広い用途で使われているゼラチンは、製造方法や純度によって、ニカワともよばれています。
また、ゼラチンの歴史は古く、およそ5000年前の古代エジプトでも接着剤として使われるなど、長い歴史を有する成分です。
完全菜食主義の生活を送るヴィーガンの方の中には、動物由来のゼラチンを避けられている方も、多いのではないでしょうか。
その際は、海藻由来の成分である、寒天やアガーなどを、食用ゼラチンの代わりに使ってみてください。
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