自宅でできるサステナブルな「コンポスト」の始め方
コンポスト=堆肥。家庭で出た生ごみを堆肥にし、家庭菜園などで活用します。どんな種類がある?臭くない?方法は?自宅でできるコンポストの疑問を徹底解説します!
目次
コンポストのメリットとデメリット
海外では、有機ごみをコンポストする取り組みが、行政から推奨されるほどです。
しかし、日本ではまだ、そのあたりは遅れています。
ならば自分たちでできることを始めよう!そう思われた方も多くいらっしゃるでしょう。
そんな方は、コンポストを始める前に、そのメリットとデメリットを、きちんと知っておくことが必要です。
以上のような、メリット、デメリットが考えられます。
特に、臭いや虫に関しては、自分の家や敷地内が不快になるだけではなく、ご近所の方々の迷惑になることも忘れてはいけません。
しかし、それらのデメリットに関しては、正しく手入れをして、腐敗させないように管理すれば、防げることでもあります。
確かに、ごみとして捨ててしまえば簡単です。
コンポストは、手間がかかります。
しかし、考えてみてください。
植物を育てるときに、ほったらかしにする方はいませんよね。
植物を育てるための堆肥を作るときも、同じです。
手をかけ、管理をきちんと行うことで、より良い堆肥ができるのです。
参考: Natural Gate (natural-gate.com) 「コンポストとは。仕組みや種類、メリットやデメリットも解説」
コンポストの方法は?
コンポストを行うための容器を「コンポスター」といいます。
そこに生ごみを入れ、堆肥を作ります。
次にご説明する、方法のどれもが、コンポスターの中で堆肥を作ります。
コンポスターにも種類がある
コンポスターにも、種類があります。家庭でコンポストする場合、以下の方法が主流となっています。
一般的で、扱いやすいのは、好気型コンポストだと言えます。
設備コストもかからず、コンポスターにもさまざまな様式があり、自分のライフスタイルや、好みの見た目のものを探せます。
生ごみ処理機において、乾燥式の臭いが気になる方は、乾燥が完了したら、冷めてからふたを開けるといいでしょう。
ハイブリッド式、バイオ式で、臭いが気になるときは、水分をしっかり切ったコーヒーかすや茶殻を入れると、消臭効果が期待できます。
また、生ごみ処理機は、自治体から、購入の助成金が出る場合があります。
現在お住まいの、自治体に問い合わせてみるといいでしょう。
出典: 株式会社伝然 生ごみ処理機ナクスル (den-zen.net) 「コンポストとは?3つの種類と基本的な使い方 」,「生ごみ処理機って臭いは出る?どんな臭いが出るのか種類別に解説」
Kampoful Life by クラシエ薬品 (kracie.co.jp)「コンポストとは?コンポストの作り方とメリット|
コンポスターにはどんな生ごみも入れていい?入れてはいけないものはある?
堆肥が、より栄養価の高いものになるようにと、いろんな種類の生ごみを入れるのがいいように思いますよね。
しかし、入れるものや、その状態によっては、強い臭いが発生してしまったり、上手に発酵できなくなってしまったり、できた堆肥が植物を枯らしてしまうこともあります。
△ 肉や魚、卵など、動物性のもの
ヴィーガンの方のキッチンでは、これらの生ごみは出ないかもしれません。
入れてはいけないわけではありませんが、ゴキブリなどの害虫、ネズミなどを誘引する恐れがあります。
また、肉や魚の骨は、大きいほど分解されにくく、土と混ぜる際に、砕くなどの必要があります。
ちなみに、卵の身は腐敗を招きますが、卵の殻は、良く分解するということです。
こちらもあらかじめ、細かく砕いてから入れるといいかもしれませんね。
△ 柑橘類の皮
こちらも意外かもしれませんが、果実は虫が大好きなにおいでもあります。
また、柑橘類の皮の、天然の油分が、発酵を遅くしてしまうのも一因だと言われています。
× 塩分の強いもの
塩分は、土のpH、ナトリウム濃度を変化させてしまう恐れがあります。
植物の成長に必要なカリウムは、ナトリウムによって阻害されてしまいます。
栄養の吸収を妨げることになってしまうと、植物がうまく育たない、枯れてしまうなどの被害が起こる可能性があります。
つまり、「塩害」が起こってしまうということですね。
食事後の残滓をコンポストする程度ならいいかもしれませんが、梅干しや古漬けなどは避けたほうがいいでしょう。
△ 油、揚げカス
油分が多いと、発酵が遅れるといわれています。
季節や条件によっては、発酵のペースが遅くなることで、虫の発生につながることも考えられます。
× プラスチックなどの人工物
こちらは言うまでもなく、微生物が食べられないものは、コンポストできません。
生分解性のあるプラスチック類なども、できるだけ細かくしてからコンポスターに入れると、負担も軽く済みます。
出典: Tasso (tasso-ikizama.com) 「コンポストの匂いを抑えるポイント【入れていいもの・入れてはいけないもの】」
ELLE.com 「コンポストに入れてOKなもの、NGなものは?自宅で簡単に始める方法を解説 」
塩分に関してはこちらが参考になります。→ 節約すまいるHappy生活 (setuyaku-smile.com) 「生ごみ堆肥化 入れてはいけないもの(塩分)」
コンポストでの注意点
- 水をよく切ってから、コンポスターに入れる
水分が多いままコンポスターに入れてしまうと、コンポスター内の酸素が相対的に減り、嫌気性発酵、場合によっては腐敗の原因になってしまいます。
しっかりと水を切り、コンポスターに入れましょう。
- しっかりと攪拌する
好気型のコンポスターでは、攪拌することにより、コンポストのなかに酸素を送り込むことができます。
私たち人間と同じで、微生物にとっても、酸素は必要です。
- 発酵が確実に完了したものを使う
発酵が完全に終了したコンポストを使用しないと、発酵の続きを、土の中、つまり、植物の根の下で行うことになります。
発酵過程では必ず、「発酵熱」という、熱が発生します。この熱は40~60℃くらいまで上がると言われています。
植物の根を、高温で蒸らすと、どうなるでしょうか?
枯れてしまいますね。
必ず、発酵がきちんと完了したコンポストを使用して、土に混ぜましょう。