【ロサンゼルス】プラントベース条約への加盟を満場一致で議決、米国最大の加盟都市に

【ロサンゼルス】プラントベース条約への加盟を満場一致で議決、米国最大の加盟都市に

C40世界市長サミット開催に先立ち、ロサンゼルス市議会はプラントベース条約への賛同を決議。気候変動の主要な原因に触れながら、プラントベース条約やC40世界市長サミットについて具体的に解説します。

aimi
2022年10月28日
【ロサンゼルス】プラントベース条約への加盟を満場一致で議決、米国最大の加盟都市に

プラントベース条約(PBT)とは?

PBTは、気候危機の緩和に向けて有意義な進展を図るための、パリ協定に付随するロードマップとして、CO2排出によるオゾン層破壊の脅威に対処するために制定されました。

既に20の都市、59,000人の個人賛同者、5人のノーベル賞受賞者からも支持を受けています。

 

また、この条約では法的拘束力を持つ3つのR(Relinquish、Redirect、Restore)に対する責任ある参加が求められています。

この条約で提供されるガイドラインを遵守することで、参加する地域や人々は排出削減目標を達成するだけでなく、生態系の回復と森林の再生を通じて大気中の余剰炭素を吸収し、安全なレベルまで低下させることに貢献することができます。

 

PBTは、下記の3つの原則に基づいています。

 

  1. Relinquish:放棄する(環境破壊を食い止めるために畜産業の拡大を凍結する)
    畜産のための森林伐採や屠殺場や畜産場の建設含む、土地利用転換をしない。
    農業から畜産業に移行しない。
  2. Redirect:転換する(植物ベースの食料システムに移行する)
    問題の原因を取り除くため、プラントベース食品自体普及と、動物性食品システムから植物性食品システムへの積極的な移行を進める。
  3. Restore:回復する(生態系バランスを取り戻すために自然の生息地を再生する)
    レジリエンス(回復力)を高め、気候変動に適応していくと同時に問題の改善を行う。
    重要な生態系を回復し、地球を再森林化する

 

活動家のAnita Krajnc氏は次のように述べています。

 

「IPCC(国連気候変動に関する政府間パネル)は一貫して、菜食主義(ベジタリアン、ヴィーガニズム)が気候変動とメタンの緊急事態と戦うために最適な食事であることを示しています。

そして、それぞれの都市の参画は、世界的なプラントベース条約を各国政府に促すためのボトムアップキャンペーンとして重要な役割を果たしています。」

ロサンゼルス市を含むカリフォルニア州は、1,400の酪農場と約170万頭の牛を有する主要な酪農生産州です。

そのため、ロサンゼルスのような大規模の都市がPBTの理念を理解し実行すれば、環境へのプラスの影響は非常に大きく、世界的な重要な前例となることが期待されています。

 

動物保護団体PawPACの会長であるRené Rowland氏は声明の中で以下のように述べています。

「地球の時計は暗闇まであと100秒といったところまできています。気候変動の甚大な影響は私たちの目と鼻の先に迫っており、私たちは既に気候変動の壊滅的な影響を経験し始めています。この危機を覆すために一つ一つの地域、一人一人の人々が参加することの重要性は、いくら強調してもしきれません。」

 

プラントベース条約(PBT)についてもっと詳しく知りたい方は、下記のサイトをご参考ください。

PLANT BASED TREATY 公式サイト

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