地球温暖化により肉アレルギー増加の可能性?マダニによる「アルファ・ガール症候群」とは

地球温暖化により肉アレルギー増加の可能性?マダニによる「アルファ・ガール症候群」とは

ダニが噛まれることによって引き起こされる赤肉アレルギー、アルファ・ガール症候群をご存知でしょうか?今アメリカで増えているアルファ・ガール症候群について解説します。

ハッピーキヌア編集部
2023年10月14日
地球温暖化により肉アレルギー増加の可能性?マダニによる「アルファ・ガール症候群」とは
室内ダニとは違い、野外に生息する体長3−8mmほどの大きさのマダニ。

日本では、マダニが媒介する感染症としては、ダニ媒介脳炎(TBE)や、重症熱性血小板減少症候群(SFTS)などがあります。

アメリカ疾病予防管理センター(CDC)は、マダニによって引き起こされる、赤肉アレルギー/アルファ・ガール症候群を発症する米国人が、近年増えていると警告しました。

アルファ・ガール症候群は、ローンスターマダニの唾液により引き起こされる、生命を脅かす可能性のあるアレルギーです。

地球温暖化によりマダニの個体数が増加しているアメリカ。マダニ媒介感染症の一つであるアルファ・ガール症候群について解説します。

ローンスターダニ

出典元:cdc.gov

ローンスターダニは背中の白い斑点で識別でき、非常に攻撃的と言われています。

ローンスターダニは主に米国の南部と東部に生息しており、アルファ・ガール症候群のほとんどの症例は、アメリカ南部、東部、中部で報告されています。

しかし、地球温暖化の影響でローンスターダニはさらに遠くへ移動しています。

アメリカでは通常、アルファ・ガール症候群は、ローンスターダニに刺されることが引き金となって始まります。

しかし、他の種類のマダニも同様に、世界のさまざまな地域でα-gal分子を運んでおり、アルファ・ガール症候群は、ヨーロッパ、オーストラリア、アジア、南アフリカ、中南米の一部でも報告されています。

アルファ・ガール症候群とは

アルファ・ガール症候群は、生命を脅かす可能性がある重篤な食物アレルギー疾患です。

アルファ・ガール症候群は、α-galアレルギー、赤肉アレルギー、またはダニ咬傷肉アレルギーとも呼ばれます。

アルファ・ガール症候群は、感染によって引き起こされるものではありません。

アルファ・ガール症候群は、赤身の肉を食べたり、α-galを含む他の製品にさらされた後に発生します。

アルファ・ガール症候群は、人間には本来存在しないα-galと呼ばれる糖分子によって引き起こされます

CDCの疫学者アン・カーペンター氏は、アルファ・ガール症候群は新たに出現した公衆衛生問題であり、一部の患者にとっては生涯続く可能性がある重篤な健康影響を伴う可能性があると述べています。

まだ理解されていない新しいアレルギー

アルファ・ガール症候群は、2008年にがんの治療に使用される薬剤を試験していた、アメリカの研究者によって偶然発見されました。

2010年以来、9万6,000人から45万人のアメリカ人が、この病気に罹患していると考えられています。

患者にとって危険となる可能性のある食品には、牛肉、豚肉、ゼラチン、ウサギ、子羊肉、鹿肉、一部の乳製品、一部の薬物が含まれます。

この症状についてはほとんど理解されておらず、昨年1,500人の医師を対象に行った調査では、42%がこの病気について知識のないことが判明しました。

アルファ・ガール症候群の症状は

マダニ咬傷により、マダニが持つα-galと呼ばれる糖分子が、体内に転送されます。

これが免疫系とも呼ばれる体の防御反応を引き起こし、赤身の肉に対して軽度から重度のアレルギー反応を引き起こします。

アルファ・ガール症候群の症状には、次のようなものがあります。

アルファ・ガール症候群の症状は人によって異なり、下痢、腹痛、息切れ、蕁麻疹などがあり、さらに、致死的なアナフィラキシーの可能性も。

肉は消化が遅いため、摂取後すぐに症状が現れるわけではなく、通常は摂取後2~6時間以内に症状が現れます。

アルファ・ガール症候群患者全員が、α-galを含むすべての食品に反応するわけではありません。

しかし、ほとんどの医療専門家は患者に、赤肉を避けるよう推奨しています。

α-galは魚、爬虫類、鳥、人間には存在しません。

アルファ・ガール症候群を防ぐには?

出典元:https:nhk.or.jp

アルファ・ガール症候群は、マダニから身を守る、そして、赤身の肉や哺乳類から作られたその他の製品を避ける以外に、治療法はないと言われています。

アルファ・ガール症候群を防ぐためには、マダニに刺されないようにすることがとても重要です

木々や草が生い茂る場所では、長ズボンと長袖シャツを着用し、虫除けスプレーも使い、屋外で過ごした後は、体全体にマダニがいないかチェック。

万が一マダニに刺された場合は、無理に引き取らずに、医療機関で取り除いてもらいましょう。

無理に自分で取ろうとすると頭部が体内に残り、化膿する場合があります。

また、マダニの持つ病原菌が、体内に侵入してしまう恐れもあります。

取り除いた後は数週間体調の変化に注意し、症状が現れたらすぐに医療機関を受診するように。

まとめ

地球温暖化によりマダニの生息地が広まり、マダニを媒介して引き起こされる赤肉アレルギー/アルファ・ガール症候群がアメリカで増加しています。

マダニの体内にはウイルスなどの病原体があるため、マダニの咬傷を防ぐことは重要であり、アルファ・ガール症候群を発症する可能性を減らすことができます。

日本でもアメリカ同様に、アルファ・ガール症候群ではなくとも、マダニが媒介する感染症にかかる人は増えており注意が必要です。

マダニに刺された時は、速やかに医療機関を受診することをおすすめします。

 

参考サイト

Alpha-gal Syndrome

 

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