知っておくべき牛乳を飲むことのリスクとは?人間に牛乳が不要な4つの理由を解説

知っておくべき牛乳を飲むことのリスクとは?人間に牛乳が不要な4つの理由を解説

「牛乳は体に良い」「牛乳は体に悪い」どちらも聞いたことはありませんか?牛乳はカルシウムなどの栄養素を摂取できる一方で、リスクも抱えています。

ハッピーキヌア編集部
2023年02月11日
知っておくべき牛乳を飲むことのリスクとは?人間に牛乳が不要な4つの理由を解説
「牛乳は骨を丈夫にする」「骨粗しょう症を予防する」という言葉を聞いたことがあるかもしれません。

牛乳にはカルシウムが豊富に含まれており、丈夫な骨をつくるのに役立つとされているからです。

 

一方で、「牛乳は体に良くない」「おなかがゴロゴロするので飲まない方が良い」という意見も聞かれます。

果たしてどちらが正解なのでしょうか。

 

人間に牛乳が不要な4つの理由を考えてみます。

 

理由1. 牛乳を飲まなくても強い骨ができる

牛乳には、骨や歯を形成する栄養素である「カルシウム」と「リン」が含まれています。

 

これらの栄養素は人の体にとって重要な栄養素ですが、体内でつくることができません。

そのため、食品から摂取する必要があります。

 

そこでよく聞かれる言葉に「牛乳は骨を丈夫にする」がありますが、カルシウムやリンは、牛乳以外の植物性の食品にも含まれています。

 

■カルシウムを多く含む食品

食品群 食品名 摂取量 カルシウム含有量
牛乳・乳製品 牛乳 コップ1杯(200g 220mg
ヨーグルト 1パック(100g                 120mg
プロセスチーズ 1切れ(20g 126mg
野菜類 小松菜 1/4束(70g 119mg
水菜 1/4束(50g 105mg
切り干し大根 煮物1食分(15g 81mg
海藻 ひじき 煮物1食分(10g 140mg
豆類 木綿豆腐 12丁(150g 180mg
納豆 1パック(50g 45mg
厚揚げ 1/2枚(100g 240mg

(出典:大切な栄養素カルシウム:農林水産省

 

■リンを多く含む食品

食品群 食品名 摂取量 カルシウム含有量
乳製品 プロセスチーズ 1切れ(18g 730mg
ナチュラルチーズ カマンベール 1切れ(18g 330mg
穀類 炊いた玄米 小盛り1杯(100g 130mg
ライ麦パン 6枚切り1枚(60g 130mg
ロールパン 1個(30g 97mg
豆類 いり大豆 10粒(3g 710mg
きな粉 大さじ16g 660mg
油揚げ 生 1枚(2030g 350mg
ひきわり納豆 1個(3050g 250mg

(出典:リンの働きと1日の摂取量  | 健康長寿ネット

 

カルシウムの推奨量は年齢により異なりますが、およそ成人男性で720789mg、成人女性で620667mgです。(「日本人の食事摂取基準(2020年版)」策定検討会報告書

野菜や海藻、豆類、穀類など、普段の食卓に上る食品にもカルシウムやリンは含まれています。

 

それらを組み合わせて、十分なカルシウム量を摂ることができます。

そのため、牛乳を飲まなくても健康な骨をつくることは可能なのです。

 

理由2. カルシウムの吸収を助けるビタミンDは植物性の食品から摂取できる

カルシウムやリンは骨や歯を形成する栄養素ですが、それだけ摂取していても体に十分吸収されません。

 

カルシウムを骨まで運ぶ働きがあるビタミンDを一緒に摂る必要があります。

そして、ビタミンDも植物性の食品から摂取できるのです。

 

■ビタミンDを多く含む食品

食品群 食品名 摂取量 カルシウム含有量
きのこ類 干しシイタケ 2個(6g 0.8
キクラゲ 2枚(2g 1.7

(出典:骨粗鬆症財団「ビタミンDを多く含む食品

 

ビタミンDが多く含まれる食品は、イワシやサンマ、サケなどの魚介類が主ですが、きのこ類もあります。

摂取の目安は、成人男女で15.5㎍です。

 

もし不足すると、カルシウムやリンが吸収されにくくなり、結果として骨も弱くなります。

ただし摂り過ぎると、さまざまな健康障害が起きるので注意が必要です。

 

理由3. 多くの人は乳糖不耐症である可能性が高い

牛乳の中には「乳糖(ラクトース)」という物質が含まれています。

これを体内で分解して消化吸収するのが、ラクターゼという消化酵素です。

 

しかし、このラクターゼの分泌が不足すると、消化不良や腹痛、下痢などの症状が起きます。

これが乳糖不耐症です。

 

人間を含む哺乳類は、生まれてから母乳を飲み離乳期を迎えると、乳糖を栄養素として摂取する必要がなくなります。

すると、ラクターゼの役割は終えたとみなされ、活性が弱くなるといわれています。

 

成人になっても乳を栄養源としてきた歴史を持つ人種を除き、哺乳類の多くは、乳児期以降になると乳糖不耐症になる確率が高いと言えるでしょう。

 

理由4. 牛乳は特定のがんのリスクを高める

乳製品や飽和脂肪酸、カルシウム摂取量と前立腺がん発生率を調べた研究があります。

それによると、43千人のうち329人が前立腺がんになり、そのうち、乳製品、牛乳、ヨーグルトの摂取量が多いグループは、最も少ないグループに比べて1.5倍ほどリスクが高くなるという結果でした。*

 

牛乳をはじめ、乳製品やヨーグルトは、前立腺がんのリスクを高める可能性があります。

 

*国立がん研究センター がん対策研究所 予防関連プロジェクト「乳製品、飽和脂肪酸、カルシウム摂取量と前立腺がんとの関連について | 現在までの成果 | 多目的コホート研究

 

牛乳を飲むことのリスクはある

牛乳はカルシウムやリンが豊富に含まれていることから、「骨が丈夫になる」などといわれてきました。

しかし、これらの栄養素をはじめ、カルシウムの吸収を助けるビタミンDは、植物から摂取できます。

 

また、哺乳類の多くは、牛乳を飲むと消化不良や腹痛、下痢などの症状を引き起こす乳糖不耐症であるといわれています。

体に合わない食品を無理に摂取するのは危険でしょう。

 

牛乳は前立腺がんのリスクを高めるという研究結果もあります。

個人の体質などによるところもありますが、牛乳を飲むことは一定のリスクがあると考えた方がよさそうです。

 

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