ヴィーガンの肉屋!?ニューヨークで話題のヴィーガン専門店「グラスフェッド」を紹介!
今ニューヨークで密かに注目を集めている「ヴィーガン向け肉屋、グラスフェッド」。その人気の秘密は、多様な商品展開とユダヤ教対応(コーシャフード)というユニークな取り組みにあります。どんな商品があるのか、コーシャフードとは何か、海外で注目の最新ニュースをお届けします。
多様な商品の提供
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グラスフェッドでは2021年9月現在、20を超えるメニューが提供されている点が特筆されます。
メニューはたとえば、以下のようなものが用意されています。
- ベーコン
- ハム
- ソーセージ
- ターキー
もちろん、すべて植物由来の材料から作られている代替肉の商品です。
代替肉については、こちらの記事も参考にしてください。
バナナの皮も代替肉に!?野菜の代替肉、Meaty Veggiesとは
グラスフェッドで提供されるメニューはすべて、創業者のナイプ氏とルベル氏によって考案されたレシピで、毎週メニューが変更されるそうです。
また、新商品の開発にも注力しており、お客さんを飽きさせない工夫を施している点が人気を支える要因です。
コーシャフードとは
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グラスフェッドで提供されている商品は、ユダヤ教の戒律に配慮したコーシャフードであることも特徴的なので、併せて紹介していきます。
コーシャフードというのは、ユダヤ教徒が食べてもよいとされる「清浄な食品」のことです。
食品と宗教の関係というと、イスラム教のハラール認証を思い浮かべる人が多いかもしれません。
コーシャフードもハラール認証のように、豚を食べてはいけないなど、食材の規定がありますが、食材以外についても細かく定められています。
これはたとえば、「食べてよい動物であっても苦しませずに殺処分すること」「野菜に虫が混入していないか確認すること」など、倫理的配慮も含まれます。
なお、ユダヤ教徒は全世界で1,400万人ほどと、イスラム教徒の約18億人に比べると、その数は多くありません。
しかし、欧米では「コーシャフード=倫理意識の高い食品(エシカルフード)」という認識が強いため、ユダヤ教徒でない人からも人気が高いそうです。
コーシャフードであると認証を受けるためには、コーシャフードに関する法律を遵守し、ラビ(ユダヤ教の聖職者)による厳正な審査を通過する必要があります。
グラスフェッドではすべての商品について、ラビのキリムニック氏からコーシャ認証を受けており、エシカル消費に繋がるという点が人気を支える要因になっています。
エシカル消費については、こちらの記事も参考にしてください。
エシカルとは?エシカル消費の正しい理解と、実践する具体的なポイント5選
まとめ
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今回紹介したグラスフェッドでは、ヴィーガンの方に向けた肉屋というコンセプトを発展させ、多様な商品展開とコーシャ認証の取得という付加価値でブームを巻き起こしています
ヴィーガンの方に向けた肉屋というコンセプトは、2016年に生まれた新しい考え方です。
アメリカ初のヴィーガンの方に向けた肉屋「Herbivorous Butcher(アービバラス・バッチャー)」では、スモークリブやポーターハウスステーキなどをヴィーガン用として販売しました。
カナダのビクトリアにある「The Very Good Butchers(ザ・ベリー・グッド・バッチャーズ)」は、豆やセイタンを使用した肉製品を提供しています。
また、2020年11月にはイギリス初となるヴィーガン肉屋「Rudy’s(ルディーズ)」がオープンし、北米だけでなく全世界に広まりつつあります。
引用元:Veg News, “A NEW VEGAN BUTCHER SHOP NOW SERVES WESTERN NEW YORK’S KOSHER COMMUNITY”
日本でも代替肉は静かなブームとなりつつあるので、ヴィーガンの方に向けた肉屋がオープンする日も近いかもしれないですね。