シニア世代の健康維持にはプラントベースダイエットが最適!その理由を徹底解説
最近話題のプラントベースダイエット。いつまでも元気でいたいシニア世代こそ、植物由来の食生活を実践すべき理由とは?管理栄養士の観点やデータを元に徹底解説します。
免疫力や体力が低下してしまいがちなシニア世代。
だからこそ、健康な身体を維持するための栄養はこれまで以上に重要になります。
そこで、シニア世代の健康を保つために、最適な食事について調査していきます。
イカリア島の住民に学ぶ、長寿の秘訣
ギリシャのイカリア島に住む人々は、西洋の多くの国とは対照的に、90歳代まで健康でいられる可能性が高いと言われています。
その理由は一体何なのでしょうか。
専門家はその代表的な理由を2つ挙げています。
ひとつは、定期的な運動。
イカリア島は山が多いので、買い物に行くだけでも上り下りの運動を行い、体力を消耗します。
加えて、共同体意識が強く、地域の人同士のコミュニケーションが盛んに行われているため、うつ病の発症率が低いことも、挙げられます。
そしてもうひとつは、食生活です。
イカリア島は世界5大長寿地域と呼ばれる「ブルーゾーン」の1つです。
イカリア島の食事は、日本の沖縄やコスタリカのニコヤ島と同じように、肉類や加工食品ではなく、新鮮な果物、葉物野菜、穀物、豆類が中心です。
では、植物性食品を中心とした食事は、シニアの健康に最適なのでしょうか。
ブルーゾーンの地域の食生活を見ると、確かに長寿とプラントベースダイエットは関連があるように見えます。
ここからは、その理由を詳しく見ていきましょう。
食事と老化
人間の年齢が上がるにつれて、食事がこれまで以上に重要になることが研究によって確認されています。
なぜなら、筋肉や骨、臓器に必要な栄養素は、年を重ねるごとに変化しいくからです。
例えば、加齢によって皮膚が薄くなることがあります。
皮膚が薄くなることにより、太陽からビタミンDを吸収することが難しくなってしまいます。
ビタミンDはカルシウムの吸収に重要な役割を果たすため、ビタミンDの吸収が難しくなると、カルシウム不足になる可能性があります。
しかし、加齢によって不足しがちになってしまうこの2つの栄養素は、食事で補うことができます。
また、筋肉を維持するためには、タンパク質も重要です。
高齢者は筋肉が衰え、運動能力の低下や病気からの回復が遅くなる可能性があります。
加齢学ジャーナル(The Journals of Gerontology)誌に掲載されたある研究では、2,900人の高齢者のうち、タンパク質を最も多く食べている人は、機能障害に陥る可能性が30%低いことが明らかになっています。
健康維持に欠かせない、カリウム、オメガ3、マグネシウム、鉄は高齢者に不足しがちな栄養素です。
イギリスの老年医学会によると、イギリスでは85歳以上の人の30%が貧血を患っているそうです。
血液は私たちの体にとって非常に大切な役割を担っているため、食事から意識的に鉄分などを摂取していく必要があるのです。