【ドイツ】リターナブル容器を導入する店舗が1万店舗以上、「RECUP」システムが日常をサステナブルな循環型社会へ変える
ドイツ国内のカフェに浸透中の、REⅭUPシステムとはどのようなものなのでしょうか。リサイクルからリユースへ、循環型社会へのドイツの取り組みを、ご紹介します。
道行く人々のほとんどが手にしているテイクアウト用ドリンクのカップは、紙製品ではありません。
大量に使い捨てられる紙カップを減らすため、ドイツの多くカフェで導入されているのが、デボジット制のドリンクカップ「RECUP」システムです。
今回は、地球環境にやさしいRECUPシステムを、皆さんにご紹介させていただきます。
目次
マイボトル不要のRECUPシステムとは
ドイツでは、ドリンクをテイクアウトする際、紙カップの代わりに、繰り返し使えるリターナブル容器を使用する「
デポジットカップは、ドリンクを購入したカフェではなくても、リカップ・パートナーに登録されているドイツ国内のカフェであれば、いつでも返却できます。
テイクアウト用の紙カップは便利な反面、1度きりで使い捨てられてしまうため、資源の無駄遣いになりますし、環境への負荷もかかります。
テイクアウトドリンクのカップを再利用することで、限りある資源を節約し、地球を汚さないように、持続可能な未来への投資が可能になるのです。
RE CUPに使われている 材料
サイズのバリエーションは、200ml、300ml、400ml、500mlの4種類と豊富で、コーヒーからジュース、ビール、カクテルまで、ほぼすべてのドリンクに対応しています。
また、カップ本体は、食洗器で洗浄できるほか、積み重ねることもできるため、場所をとらず、省スペースでの保存が可能です。
現在、カップのフタは、衛生面を考慮して1ユーロで販売されていますが、持続可能な未来のため、将来的には汚れが付着しにくいよう新たにデザインされたデポジットのフタに代わっていくようです。
ドイツでRE CUPが誕生した理由とは
ドイツ国内では、年間で5億個もの使い捨てカップが、ドリンクのテイクアウトによって消費されているといわれています。
テイクアウト用の紙カップは、内側にプラスチックがコーティングされているものが多く、リサイクルしにくいというデメリットがあります。
また、紙カップを廃棄・焼却処分することで、大量のCO2が排出されるため、環境温暖化の一因にもなってしまいます。
使い捨てカップの使用に終止符を打ち、限りある資源を守り、持続可能な地球の未来に貢献するため、
増え続けるリカップ・パートナー
2016年、ドイツのローゼンハイムでの2人の若者の取り組みから始まった
翌年、ミュンヘンに拠点が移され「リカップ社」が創業されました。
創業当時は50店舗ほどだったリカップパートナーですが、2019年には、ドイツ国内の3000店舗で利用できるようになり、現在では、ドイツ国内にある10000店以上のカフェでリカップシステムが導入されています。
リカップ・パートナーの
このシステムにより、店舗側はリカップ代金を負担することもなく、さらに使い捨ての紙カップのコストを削減できるというメリットが享受できます。
さらに、ゴミの削減や環境保護につながるなど、店舗や企業だけではなく環境意識の高い多くの若者に支持されたのが、
循環型社会への取り組みを強化するドイツ
ドイツでは、2021年に容器包装廃棄物法が改正され、循環型社会への取り組みが強化されました。
改正案により、2023年度からは、従業員5人以上のレストランやカフェ、ケータリング業者が顧客に対し、テイクアウト用にドリンクや料理を提供する際、再利用可能な容器で提供することが義務付けられることになります。
従来通り、使い捨て容器での提供も可能ではあるものの、その分値段は高く設定されます。
食事のテイクアウトにはREBOWLも
レストランやビストロでは、RECUPのほか、テイクアウト用のトレイ、REBOWⅬが使われています。
REBOWⅬは電子レンジ使用可、さらに繰り返し500回ほど使えるため、使い捨てのパッケージと比較しても低コストですし、廃棄物を削減することができます。
現在、ドイツ国内のカフェやレストラン20600店舗で、REⅭUP・REBOWⅬシステムが導入されています。
まとめ
2016年に始まり、ドイツ国内で急速に浸透した、リカップシステム。
ドリンク購入時に、デポジットカップの保証金(1ユーロ)をドリンク代金と一緒に支払い、カップを返却した際に料金が戻ってくるというシステムです。
ドイツのカフェでは、当たり前のように導入されている持続可能なリカップシステム、日本での導入が待ち望まれます。
参考サイト: RECUP & REBOWL – ドイツ最大の再利用可能なガストロノミーシステム
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