サステナブルファイナンスとは?ESG投資やSDGsとの関連も解説
「サステナブルファイナンス」という言葉が今、注目されています。サステナブルファイナンスの具体例についてや現状、SDGsとの関連性について解説していきます。
サステナブルファイナンスの現状と展望
サステナブルファイナンスの中でも代表的なESG投資の2020年投資額は、世界全体で35兆3,000億ドル(約3,880兆円)と、前回調査の2018年より15%増えて過去最高を記録しました。
この傾向は今後もしばらく続くことが予想されます。
また、サステナブルファイナンスは今後、業界内のルール統一が起こると考えられています。
たとえば、現在のグリーンボンドは、国際的な標準である「グリーンボンド基準」以外にも、各国独自のルールによって運用されています。
独自のルールが乱立している状態は望ましくないとして、EUでは今後、グリーンボンドに関するルールを統一することが決まっています。
業界標準の指標があれば、企業側も投資家側も、その指標に沿って活動するようになるため、サステナブルファイナンスが、より活発化すると想定されます。
今、統一に向けて動いているのはEUが中心ですが、世界全体にこうした動きが広がっていくのは間違いないでしょう。
引用元:欧州連合のグリーンボンド基準(EU GBS)案の注目点と今後の展開 | NOMURA
SDGsとの関連
サステナブルファイナンスが注目されるようになった大きな要因は、2015年の国連でSDGsが採択されたことです。
SDGsは世界が共通して取り組むべき17のゴールを示したもので、その行動主体として国や自治体だけでなく、民間企業も期待されています。
年金積立金管理運用独立行政法人が行ったアンケート調査では、2019年時点で「SDGsへの取り組みを始めている」と回答した企業が45%、「SDGsへの取り組みを検討中」と答えた企業は39%を占めています。
企業がSDGsへ取り組み、企業価値が向上することで、サステナブルファイナンスも拡充していくことが期待されます。
これはつまり、SDGsの注目が集まればサステナブルファイナンスも活発になり、サステナブルファイナンスが活発になればSDGsの達成が近づくという関係性があることを意味します。
SDGsについては、こちらの記事も参考にしてみてください。
今さら聞けない「SDGs」とは|ヴィーガン必見のエシカルなトレンドを解説
まとめ
サステナブルファイナンスは、持続可能な未来のための金融のことで、具体的な手法がいくつかあると紹介しました。
サステナブル投資は、非財務情報も判断基準に加えた新しい投資手法です。
中でもESG投資は、投資判断するための指標がどんどん開発されていて、今後も伸びていくことが予想されます。
サステナブル債権は、資金の使用用途を持続可能な世界のための事業に限定した債権です。
グリーンボンドのように、テーマが決められているのが一般的です。
サステナブル融資は、融資元と融資先が、持続可能な世界のための目標を共有し、達成状況に応じて、金利を変更するなどします。
サステナブルファイナンスはどれも、世界共通目標であるSDGs(持続可能な開発目標)の方向性と合致するものであり、今後ますます人気になっていくでしょう。