日本で開発が進む、「ヴィーガン雲丹(ウニ)」について徹底解説
日本の新技術により100%プラントベースのヴィーガン雲丹(ウニ)が誕生しています。原料等について詳しく解説します。
最近では、100%ヴィーガンのツナやサーモン、マグロなどのシーフード製品も生まれています。
新たなヴィーガン食品が続々登場する中、日本で作られたヴィーガンウニとはどのようなものなのでしょうか。開発された背景や、食べられる場所をご紹介します。
ヴィーガン雲丹(ウニ)とは
ヴィーガン雲丹(ウニ)とは、ねっとりとしたウニの舌触りを100%植物性の原料で再現した食品です。
原材料は植物油と豆乳クリーム。原料が大豆であることから、「ソイウニ」(「大豆ウニ」の意味)とも呼ばれています。
豆乳クリームは、世界初の大豆分離分画技術(USS製法)で作られていて、大豆のおいしいコクを感じられるのが特徴です。
また、本物のウニに比べて後味がすっきりしており、磯臭さが苦手な方も楽しめると言います。
この製品を開発したのは、植物性油脂、業務用チョコレート、乳化・発酵素材、大豆加工素材を手掛ける不二製油株式会社(本社:大阪府)。
同社は、「持続可能な新しい食の創造を目指し、大豆で未来を変えていく」ことを目指し、大豆を加工したさまざまな食品素材を提供しています。中でも、大豆ミートの国内シェアは約5割とトップです。
そんな大豆製品の開発に長けた企業が、なぜウニを開発したのでしょうか。次に見ていきましょう。
ヴィーガン雲丹(ウニ)の開発の背景
ソイウニを開発したメーカーでは、半世紀以上にわたり大豆の研究に取り組み、その可能性を追求し続けてきました。その中で、ソイウニの原料である大豆には、優れているポイントが3つあると言います。
- 大豆の栄養
大豆は、食物繊維やミネラルなど栄養を多く含むだけでなく、コレステロールフリーで低脂肪、高たんぱくです。人に必要な三大栄養素、たんぱく質、炭水化物、脂質を備えていることから、大豆のパワーを利用した食品に注目しています。
- 環境に優しい
例えば1キログラムのトウモロコシを育てるには、1,800 リットルの水が必要です。一方で、牛はこのような穀物をたくさん食べて育つので、牛肉1キログラムを生産するにはその約20,000 倍の水が使われることになります※。より少ない水でたんぱく質の栄養素が確保できる大豆は、持続可能な食料供給と言えるでしょう。
※環境省「Virtual Water」
- 食料問題に貢献
世界の人口は、2022年の80億人から2058年には100億人と1.25倍になると予想されています※。それに伴い、心配されるのが食糧不足です。人口を支えるだけのたんぱく質を安定して供給できる大豆は、将来的に人を救う食品となることが期待されます。
さらに、年々漁獲量が減っている水産資源を守ることにもつながります。
※出典:国連人口基金駐日事務所「世界人口は今年11月に80億人に:国連が『世界人口推計2022年版』を発表」
このように優れた食材である大豆はさまざまな食品に応用され、将来的に私たちの生活に大きく役立つことが期待されています。