アメリカといえば、分厚いステーキにハンバーガー、そしてピザなどの高カロリーの食事のイメージがあり、そのような食生活を送っているアメリカ人に、肥満が多いのは当たり前と思っている方も多いと思います。
アメリカ疾病管理予防センター(CDC)によると、アメリカ成人の40%近くが肥満と報告しているので、肥満大国アメリカのイメージは正しいと言えるでしょう。
しかし、その肥満大国アメリカでフィットネスが流行っているのをご存知でしょうか。
今回は現地からアメリカのフィットネス・ダイエット事情を紹介します。
なぜアメリカに肥満者が多い?
2020年アメリカでの成人の肥満率は42.4%となり、初めて全国の肥満率が40%を超えました。しかし、2000年の報告によると、成人の肥満率が25%を超える州はありませんでした。
肥満人口は年々増加し続け、20年で20%近く増加していることがわかります。
データによると、所得金額や教育水準、住む地域で肥満格差に差が見られることがわかっています。
フードデザート問題
フードデザート(食料品砂漠)問題とは、都市中心部に住む低所得者が、新鮮で良質な野菜や果物など栄養価の高い生鮮食料品へのアクセスを失っていることを指し、アメリカでは以前から問題視されています。
富裕層の住む都市間には食料品店がたくさんありますが、低所得者の住む街には新鮮な野菜を置くスーパーマーケットがあまり見当たりません。あっても日持ちのする缶詰食品、加工食品、ソーダー飲料水などでほとんどの棚をしめているのが現状です。
また、低所得者であるがゆえ、仕事を数個掛け持ちすることが多く、食料品の買い物や料理をする時間が持てず、高カロリー、低価格、低栄養価のファーストフードに頼ってしまうことも、肥満問題の要因の一つです。
パンデミックによる影響
今回のパンデミックで肥満者は、普通の体重者に比べ重症化しやすく死亡率も高いということが明白になり、ダイエットを始める方たちが増え始めました。
肥満者のみならず、パンデミックにより家で過ごす時間が多くなり、高いお金をかけてジムに行かなくてもアプリや動画で家で簡単にエクササイズができるようになり、健康的な体を目指す人たちが増えてきています。
スマホやFitbitなどを使って自分の健康状態や食べるものを常に管理できるので、手軽にダイエットしやすい環境となってきています。
Body Positive
今までは痩せているのが美しいという考えが主流だったため、行き過ぎのダイエットで健康を害してしまう人たちがたくさんいました。
肥満も同様に、太っていることを馬鹿にされ、ダイエットをしても長続きせずに自分に自信が持てなくなる人たちも後を絶たちません。
そのような中から新しいムーブメントが生まれました。それがボディポジティブ。ありのままの自分を受け入れ、周りの目を気にせずに自分の人生を楽しもうというポジティブな考えです。
日本でも今や世界で活躍している、渡辺直美がボディポジティブ代表的な存在です。
流行りのフィットネスとは?
今アメリカで流行っているフィトネスは、今までのフィットネス/ダイエットとは違い、無理せず自分の出来る範囲で少しずつやっていこうというもの。
無理なダイエットにより健康を害したり、リバウンドを繰り返すことにより精神的なダメージを負うよりも、まずはありのままの自分を受け入れ、自分でできる範囲内で無理なく出来るフィットネスを探そうというものです。
さらに、私たちの周りには新しいテクノロジー商品がたくさんあります。
スマホやApple Watchなどの装着できるディバイスを利用して、エクササイズ時間を充実させるだけではなく、睡眠の質を向上したり、心拍数や血圧管理もでき健康管理がしやすくなりました。
新しいテクノロジーにより、自分にあったフィットネスを見つけやすくなり、アメリカでフィットネスが流行っている、要因の一つと言えるでしょう。
まとめ
肥満大国アメリカといっても、住んでいる地域そして社会経済的地位により肥満格差があります。
今回のパンデミックの影響によりジムを利用する人が減り、たくさんのジムが閉鎖に追い込まれました。そのため、アプリやフィットネス動画などで簡単に自宅で運動ができるようになり、しかも無料ということで、たくさんの人たちが自宅でエクササイズをするように。
ボディポジティブの考えが広まり、ありのままの自分を受け入れながら食生活を変えたり無理なく自分のペースに合わせた運動をし、健康的に痩せる努力をしている人たちが増えてきています。
過度なダイエットや肥満は体によくありませんが、自分が美しいと思い好きになれるように努力をしている肥満大国のアメリカ人たちを紹介しました。
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